劇場公開日 2022年6月24日

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「ハッピーにはなれませんが、絶品です。」神は見返りを求める バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ハッピーにはなれませんが、絶品です。

2022年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

やっぱりムロさんは癖ある役がいーですねー、好きですね。いい人の沸点超えるシーンとか堪らなく好きですね。挙動がおかしくなるのとか絶品です。後半のムロさんが特に好き。それと岸井さん。よいなー、いい女優さんだなぁ。状況と環境の変化を見事に演じていましたねぇ。ちゃんと「気に食わないやつ」にもなれてましたし、時すでに遅しのラストもちゃんと気持ち持っていかれました。素晴らしいです。

さて、本作。実はポスタービジュアル見て「ただの恋愛ドラマだろう」と決めつけて鑑賞予定はなかったのですがお勧めされて鑑賞です。結果・・・観て正解の作品でした。積み重なる想いのすれ違いというか、決して交わることのない一方通行の想いや、圧倒的に欠落している「あるもの」のせいで崩壊していく人間関係をこんなに丁寧に紡がれたら・・・もう見ているのが辛くなるほどに苦しくなってきます。よくもまぁ、こんな物語作れるなぁ。吉田監督、どんな人生を送ってきたんだろう?って思っちゃいます。それと世代の違いによる人との関わり方の価値観の違いってのもうまく溶け込ませたような気がします。ぼくはオールドタイプなので「あぁ?💢」なシーンが多くって。基本、田母神さんに肩入れしまくって見てました。もちろん彼にも問題はありますが・・・。その問題も含めて妙に理解できちゃったりしました。

やっぱり、人間って誰かに生かされている、一人で生きてるわけじゃないってこと忘れがちなんだよなぁ。一番大事なことなのになぁ。「ありがとう」は魔法の言葉って会社の先輩によく教えてもらったことを思い出します。とかく、人付き合いが軽くなってきていて、テキスト情報のやり取りで完結したり、自分が心地よくないものを切っていったとしても十分生きていけるこの世の中ではありますが、心がある方々と生きているんだって、生かされているんだってこと、肝に銘じたいですね。
神様にお願い事して成就したら「お礼参り」ってあるんですよね。

あと、登場人物は全て「あぁ?💢」な癖のある方々ばかりですが中でも若葉さん演じる超最低男、最高でした。

バリカタ