「この世の地獄」神は見返りを求める コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
この世の地獄
普通の人々の暗黒面・気味の悪い姿を描き、この世の地獄を出現させる吉田恵輔監督らしいフィルムに仕上がっていました。
登場人物は100%ロクデナシしかいませんでしたが、中でも1~2を争う胸クソ悪いクズが、主人公の同僚・梅川と、お面をかぶった凸系迷惑お子様YouTuber。
この2人のせめてどっちかだけでもゴミのように死ねば、物語にカタルシスを感じられたのだが。
そうでなかったところに、恐ろしさと面白さが同居する、不思議な感覚でした。
吉田監督が作中でYouTuberという仕事に対してはリスペクトし、その意義を認めつつも、それに関わる人間のクズさ加減を描いているのは、職業に対する偏見ではないのはわかりました。
「調子に乗って、その場のノリで生きている」
「自分だけが正しく可愛い」
「他人を思いやることのなく、利用することだけを考えている」
「法律も安全も平気で無視して金のために動く」
そんな人間のエゴを描いているのであり、それがたまたまYouTuberの役というだけだったのだと思いました。
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