「何か違和感があると思ったら…。」神は見返りを求める yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
何か違和感があると思ったら…。
今年184本目(合計460本目/今月(2022年6月度)31本目)。
今週は「ベイビーブローカー」か「ロストシティ」が本命に来るとすれば、本作品は対抗以上でしょうか…(競馬新聞じゃないですが…)。
私自身は行政書士合格者レベルといった知識水準です。
さて、それは前々からそうなのですが(令和2年合格なので)、みていて「んん??」と思って後で調べたら、2021年に鑑賞した「空白」の監督の方なのですね。そちらのほうでも書いたのですが、やはり同じような感想を持ちました(ここは後に回します)。
趣旨としては、いわゆる適正なSNSの使い方という問題提起型。SNSといっても、ツイッターやインスタグラムにはじまれば、いわゆるYoutuber(あるいは、Vtuber)などありますが、こちらは後者、Youtuberの「行き過ぎる応酬」を描いた内容です。
ただ、正直、誰も「善人がいない」という事情があるので、正直なところ、うーん…という部分はあります。誰かが明確な「善人」なら「こういうことをしちゃだめですよ」という点は言えますが、結局のところ全員が被害者であり加害者であるという構図なので(ただ、明確に刑罰法規に触れている人がいる。ラスト3分前の待ち伏せされてどうこうされるシーン)、まぁ確かに「被害・加害の差はあっても、全員が被害者でかつ加害者」という観点では、誰の肩ももちにくい、といったところでしょうか。
くしくもコロナ事情も2年6か月で今は宣言などありませんが、「県民割の拡大」(実質的なgo to travelの復活)が予定されている中どうなるかわからず、その2年6か月の間に、できるだけ自宅でできることで、かつ趣味として(コロナ事情前から)発達してきたYoutuberの文化やいきすぎた「フォロワー稼ぎ」(Youtuberなので「登録者稼ぎ」というのが正しいかな)の警笛、とみるのが妥当かな、という印象です。
それにしてもこの映画、まぁ誰か「一番マシな人を探せ」と言われれば最年長の男性の方ですが(ネタバレ回避)、あの人は明確な被害者である一方で積極的な加害行為(とはいえ、せいぜい民法上の不法行為(名誉棄損)が問われるにすぎない)も行っており、うーむ…といったところです。
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(減点0.5/配慮不足)
・ 「空白」の時にも同じことを書きましたが、私人間でトラブルになってやったのやってないだのを論じたり、救済を求めたりするのに当事者どうしで何を話し合っても無理です。積極的な加害行為(相手を刺したり、など。刑罰法規にもふれるような行為)は特段、Youtuberどうしの争いで起きたいわば「相手側の中傷合戦」に対してそれに際限なく応じていると、収まるものも収まらなくなります。
こういうときって、実際にリアルマネーがかかるので難しいのは確かですが(自治体によっては、無料相談会などやっている場合もある)、弁護士や司法書士の方などに頼んだほうが良いです(今回は、ストーリー的に行政処分がらみ(ネタバレ回避、詳細省略)も入ってきているので、行政書士も対象になりうる)。
これがまったくなく私人間でどろどろ動画の投稿のしあいで「中傷合戦」と化すと、もうどちらも引き返せないレベルになり、それが明確に逮捕される(民法の不法行為では逮捕はされない。刑法の名誉棄損では逮捕されうるが、表現の自由(憲法)との絡みで、動画自体に相当な違法性(違法薬物を勧めるなど)がない限り、そこまで踏み込むことはまれ)ような刑罰法規(こっちは明確に警察がきます。民法は「当事者が民事訴訟をしないなら勝手にしてね」ですが(俗にいう民事不介入の原則)、刺しただの何だのは「刑罰法規の問題」なので、当事者が「いや、私にも落ち度があるので捕まえないでください」とは言えないからです(一部例外あり。いわゆる「親告罪」は当事者の告発がないと逮捕できません)。
こういった部分の観点、つまり、「私人どうしでやりあって最悪な結果」を迎えるよりも前に、ちゃんとしたところに相談するのがベストだ、としか、(開業はしていませんが)行政書士合格者レベルでも明確に言えます。そしてそれは、「弁護士を頂点とする法律隣接職」(弁護士、司法書士、行政書士。狭い意味)の「仕事をもらうための理由」ではなく、「どうにもこうにもならなくなる前に、そうしないと社会が混乱するからです。
※ ツイッター等での応酬と違い、Youtubeはその性質上、無関係な第三者が混ざるという点に注意。
このような観点が抜けているので、やはり「空白」と同じく一定程度は減点材料にはなってしまいます。
▼ (ほか、補足事項) 「いや、そんなの(店が)条例を守っていないのが悪い」
→ ここは「法律」が正しいです(食品衛生法)。したがって、適用されるのは「各都道府県の行政手続条例」ではなく「行政手続法」による対応となるのが正しいです(どうであろうが大きなミスではない)。