神は見返りを求めるのレビュー・感想・評価
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鑑賞後の苦さが、自らの人間関係を顧みるよう促す
芸能活動をしているAと、業界を裏で支える仕事をしているB。Bは親交のあるAに頼まれて面倒をみるが、Bが窮地に陥るとAは手の平をかえすように冷たくなる。怒ったBはAのスキャンダルをばらす暴露系YouTuberになる――。今年にわかに有名になった“ガーシー”こと東谷義和氏の動きと世間の反響を予見したかのような、吉田恵輔監督オリジナル脚本のユニークな新作だ(なお脚本は2019年から、クランクインは2020年10月とのこと)。 容姿についての心無いコメントもぶつけられる無名YouTuberだったが、人気YouTuberとのコラボをきっかけにメジャーへの階段を昇っていくゆりちゃんに、岸井ゆきの。穏やかで面倒見のいい性格だが、頼まれると断れない性格が災いして借金を背負い、ゆりちゃんの豹変によってため込んでいた感情を爆発させる田母神に、ムロツヨシ。この2人のキャスティングと真に迫った演技、的確な演出が素晴らしいのはもちろんだが、YouTuberという特殊な職業・業界を題材にしつつも、好意や善意に基づく奉仕や施しに対してどう報いるか、あるいは恩を仇で返されたときどうするのか、といった普遍的な人間関係の難しさに切り込んだテーマが観客の胸に刺さり、心をざわつかせるのだろう。 安直なカタルシスを提供しない点も吉田監督の作家性だろうか。後味は決してよくないが、このいつまでも残りそうな苦さが、自らの人間関係を顧みることを促すようでもある。
見返りはあるだろ
いくら善意でやったとしても 偽善者なら特に心の奥では少しの見返りはあるだろう 見返りがお金じゃなく、ありがとうという気持ち。 そんな当たり前なのに ムロツヨシみたいなギャンブル狂に金貸して、保証人までなっちゃうお人好し通り越えちゃった人にとって見返りの気持ちなんて最初は本当はなくて。 売れてしまうと見えなくなると言うのか かたや、金に困って かたや、収入が増えて バランスを失うとこうなってしまうかの見本のような映画だった。
タイトルは微妙よね
youtubeを題材にした映画って大体がっかりが多いが、これは桁違いの完成度。動画の編集技術が徐々に洗練される様子もクオリティ高く、それに伴い内容も過激になっていく流れも自然で良い。 界隈をとりまく胡散臭い人物や台詞、マインドなんかも事前にちゃんと取材をしたんだろうというのも伝わってくる。こうした一つ一つの完成度の高さがラストにむけて、注目を浴びるためだったら何しても良いという業界の社会的なテーマを絶妙に浮き彫りにさせてくれる。
神となった彼らが求めた見返りの代償
2022年の作品 現代の日本を良く描いている。 完全にTV離れの時代 体裁で塗り固められた映像への飽き飽き感 「面白い」という主観の追及と面白いものがなければ作ればいいという発想 それを実現できるプラットフォームの登場 その中で起こる喝采と誹謗中傷 この作品は、純粋に自分が面白いと思うことは何かということを問うているのかもしれない。 それと天秤にかけられるのが「いいね」や登録者数という「数字」 その数字を伸ばすことがいつの間にか目的となってしまう「怖さ」 数字が取れれば何でもいいという概念 数字のために何でもやってしまえという認識 同時に起きる誹謗中傷 時に常識的な警告と、勝手な正義感を振りかざす人々 その線引きの難しさ 今や完全にTVを乗っ取ったYouTube 誰もが配信者になれる世界 そこにまとわりつく「お金」 同じ目的で出会う人々 最初は純粋に自分が面白いと思ったことを配信していたユリ 同時に登録者を伸ばしたい思いがある。 合コンで出会ったタモガミには編集の技術があり、ユリはタモガミを頼る。 小道具や送迎、編集者が付いたことで配信数や面白さが増し、ユリにとっての「等身大」の動画を作れるようになる。 タモガミは、 夢中になってユリの編集を手伝っていたが、いつの間にかハブられるようになった。 「必要とされなくなる寂しさと悲しみ」 これがタモガミの根幹にあった感情だろう。 「私たち、見下されることに敏感」 痛烈に効いたユリのセリフ 「底辺」 その底辺から人気急上昇になったユリ それを傍で見ているタモガミ 彼の怒りと復讐はよくわかる。 同じようなユーチューバーどうしの諍いもあるあるなのだろう。 もしかしたらかなり多くのユーチューバーどうしの諍いがあるのかもしれない。 そして登場した「天誅」を与えようとする「勘違い」ヤロウ 昨今ニュースでも話題になっている。 言葉による誹謗中傷から暴力への移行 こういうのが現代人の陥りやすさなのだろうか? さて、 「ああ、今日クソ天気良いな」 タモガミの最後のセリフは、ユリと一緒に撮影に出かけた先でユリが思わず言った言葉。 タモガミの想い出のセリフ その頃が無心で楽しめた時期だった。 自分自身が何が楽しかったのかを思い出したときの言葉 しかし、 何故タモガミは背中を刺されながら再び街に出て「エア撮影」をしたのだろう? その前に彼は素顔を晒して頭から血が滴っているなか、ダンスする動画を配信した。 それは、ユリを許す心情の表現だった。 お互い罵りあう配信が如何にくだらないものなのか、そして彼らを罰したいと思う人物まで登場させたのだ。 このくだらなさに気づいたタモガミはユリを許せたのだろう。 その動画を見たユリもまた、動画の中に素のタモガミを見たのだろう。 彼は最後にユリの包帯姿を撮影する。 「やっぱりわたし、あなたがキライ」 「でも、ありがとう」 この言葉を何度も見返すタモガミ。 彼がずっと欲しかったのが、この心のこもった謝礼の言葉 背中を刺されたタモガミがエア撮影した理由 体の傷は心の傷を表現しているのだろう。 傷ついても、本当に自分がしたかったことを表現したい。 それがあの日覚えたダンスだった。 この気分は、あの時最高に気分がよかったユリの言葉に重なったのだろう。 「ああ、今日クソ天気良いな」 人気ユーチューバーになったユリも 仲間のデザイナー村上から「誰のおかげだと思ってるんだ」などと言われる始末 チャンネルはユリのしたいことではなく、もはや村上のプロデュースするモノに置き換わっていた。 そこに出演しているだけの自分に疑問を抱きつつ、やめられない。 最後は全身大やけどで代償を支払う羽目になった。 ここにきて思うのがこのタイトルの本当の意味 ユリと仲間が求め続けた「数字」 ユリのアイデアに工夫を凝らし成功した村上やほかのスタッフ みな一様に数字を求め続けた挙句に起きた大事故。 彼らが追いかけていたのは数字の見返りである「お金と名誉」 彼らは人気の誰かを「神」と呼ぶ。 同時に自分たちが神になったと思い込んでいたのが彼らだったのではないだろうか? 彼らが求めた見返りがお金と名誉 その代償となった「大やけど」 つまり、自分が神と思い込んでいたユリが求めた見返りが「お金や名誉」 その代償となってしまった全身の大やけど この作品は行き過ぎたユーチューバーたちに警鐘を鳴らしている。 そして、許したタモガミにさえも傷がつくほどYouTube配信は「難しい」のだろう。 メッセージ性を強く感じるかなり面白い作品だった。
見なければ良かった、、
私は全く好きではなかったです、、 登場人物がみんないい人で憎めなくて、ほのぼのしたようなストーリーが好き(沖田修一監督の作品とか)な私は全く受け付けられなかったこの映画 見ていてすごくストレスが溜まった。その醜さとかはリアルではあるんだけどあまりにも、、 希望を求めて最後まで見てみたけど最悪だった 好き嫌いが分かれるのかな、
反発し非難しあったが、やがて許し合うこととなる二人の心理的変化を描いて見事
吉田恵輔監督による2022年製作(105分/G)日本映画。配給:パルコ、劇場公開日:2022年6月24日。
「ミッシング」を見る予定だったので、その予習として吉田恵輔監督の前作である本映画を視聴。漫画等が原作ではなく、吉田監督が脚本も兼ねるオリジナルな作品らしく、その姿勢に、まずは好感を覚えた。
凄くという訳ではないが、知的な映画で、まあかなり面白かった。
合コンで出会ったイベント会社に勤める田母神とユーチューバーゆりちゃん、その二人の関係性が物語の中心。演ずるのはムロツヨシと岸井ゆきで、ピタリと嵌っていて、脚本は当て書きの様にも感じた。ひたすら親切なヒトからゆりちゃんの悪口を言いふらす暴露系ユーチュバーに大きく変貌するムロツヨシは凄い。ただ、まあ彼の芸達者は織り込み済みで、意外性は無し。
一方、売れない気弱なユーチューバーから、超売れっ子ユーチューバーとなる岸井ゆきの華麗でもある変貌ぶりには圧倒された。有名女優らしいが、自分的には彼女の映画は初視聴でもあり、相当に衝撃的で、できる女優との印象は強く残った。二人の対立を煽って楽しんでいる様にも見える田母神の後輩梅川葉のキャラクター設定も秀逸。若葉竜也の演技が的確ということか、こういう奴、いかにもいそうで、リアリティ満点と感じた。
ゆりちゃんにボディ・ペイントさせたり、火傷に繋がる危ないことまでさせて視聴を稼ぐユーチューバーの描写は、少し前の映画ながら何ともリアル。演じていた吉村界人とカビゴン淡梨の軽薄さも特筆もの。
最後、許し合うこととなる二人の心理的変化の描写が、控えめでありながら説得力も有り、大いなる好感を覚えた。大きなスクリーンの映画館で再度見たいかと言えばそうでない気もするが、VODで見る映画としては小粒ながらユニークな傑作映画と思えた。
監督吉田恵輔、脚本吉田恵輔、企画石田雄治、プロデューサー柴原祐一、 花田聖、撮影志田貴之、照明疋田淳、録音鈴木健太郎、美術中川理仁、装飾畠山和久、編集田巻源太、衣装松本紗矢子、ヘアメイク杉山裕美子、VFXスーパーバイザー白石哲也、音響効果渋谷圭介、音楽佐藤望、主題歌空白ごっこ、挿入歌空白ごっこ、音楽プロデューサー杉田寿宏、助監督松倉大夏、スクリプター増子さおり、キャスティング川口真五、制作担当森田勝政、ラインプロデューサー島根淳。
出演
田母神尚樹ムロツヨシ、川合優里岸井ゆきの、梅川葉若葉竜也、チョレイ吉村界人、カビゴン淡梨、村上アレン柳俊太郎、田村健太郎、中山求一郎廣瀬祐樹、下川恭平、前原滉。
【感謝のない世界で、誰にでも起こりうる現実】
一言で言えば、【狂気】ですね。
浅はかな感想で申し訳ないですが、良くも悪くも狂気なだけです。
簡単に言ってしまえば、少し物語構成が稀薄で陳腐だったかなと。題材自体は凄く興味深く、YouTuberという職業が認められた現代に作るにはぴったりな物語でしたが、作品のYouTuber像が2016年辺りの、過激なYouTuber像過ぎて、YouTuberを批判したいが為にメディアのオジサン連中が作った映画にしか見えませんでした。
そして、岸井ゆきのさん演じるユリの豹変ぶりがリアリティ無いようにも感じてしまいました。ユリは少し有名になり、関わる人達が変わり、良くしてくれていた田母神さんへの態度が分かり易く悪くなります。その様がリアリティに欠けているなと。見た人にしかわかりませんが、ちょっと天狗になるのはわかるけど、そんなに変わる?!って程人格をも変わっていました。
それにラストシーンですね。暴走した田母神が落ち着くと思いきや、他の迷惑YouTuberが彼の背中に傘を突き刺す。正直無理やりラストシーンを作った気がしますね。そのシーンを撮りたかっただけのようにも感じてしまいます。
俳優さんの演技、題材は凄く面白いですが、ツッコミ所の多さが否めなかったですね。2時間に纏めるのはやはり難しいですね。
ムロツヨシ新たな一面が見れた 84点
新たなムロツヨシの一面が見れた作品の一つ。岸井さんも上手い演技で驚き…!序盤と後半の人に対しての態度とか怒りとか切り替えがすげぇ。最初の冒頭でこれは?と見せる編集もいいですね。エンディングは少しそれで終わんのかいと思っちゃいましたが。 それにしてもここに出ている人全員クズなのは面白いなぁ。またリアルに居そうな人物でそれも面白い。 皆言うが、そこまで胸糞悪いとは思わないけど。 イベント会社で働いている神こと田母神(ムロツヨシさん)と底辺YouTuberのゆりちゃん(岸井さん)が出会い、一緒にYouTubeの手伝いをしていたが、中々1年も上手くいかない。ところあるときコラボをし有名、デザインのプロに編集、プロデュースしてもらったら人気YouTuberに。そこから田母神は仕事もプライベートも上手くいかず、ゆりちゃんに見返りを求めるが…という話。
さすが「ヒメアノ~ル」の監督!!
YouTuberを題材にして、上手い具合に胸糞に仕上がっていました。この女にはもう関わるなという経験が私にもありましたが、主人公は泥沼にはまっていき、やめとけよと思いました。最後に微かな光が見えたと思ったら容赦のないラストで、さすが「ヒメアノ~ル」の監督だと印象に残りました。ムロツヨシと岸井ゆきのも役柄に合っていましたし、作中の動画編集もベタベタな感じで良かったです。
好み
ムロツヨシが豹変して関係者全員をぶち殺すB級映画を期待して観ました。全然違いましたが。人のイヤーな所満載で、YouTubeの闇も見せてくれた。特に罵倒し合い互いの姿を撮りあう馬鹿馬鹿しさや、一流ぶってるほかのユーチューバーの滑稽さ、失敗してもすぐ立ち上がる強さが面白かった。ナイーブですぐ傷つく現代人、もっと強くなっても良いと思わされた。
今の日本の多数を描けている気がする
なかなか挑戦的な終わり方。終わり方的にどちらも救わないのは、日本の映画的に珍しい。YouTube全盛期だからこその「YouTubeは蓄積ではなく流れていくコンテンツであり、それにより馬鹿にされ軽く見られており、それを制作している側も認識しており、今間違いなく多くの人に見られているという事実」「みんな承認欲求に動かされており、それがなくなった時に人間は優しくなれない事実」を上手く見せており、それが今の日本を的確には映し出している気がした
過去と他人は変えられない
この言葉を思い出しました。評論子は。本作を観終わって。 カナダの精神科医エリック・バーンの言葉なのだそうですけれども。 いかに登録者数を確保するために奇抜なアイディアに傾倒していったからとはいえ、田母神としては、優里がそういう立ち居振舞いをする人物だと分かった時点で、「所詮は彼女はそういう人間」と割りきるべきだったのでしょうね。 いみじくも、作中で優里が指摘したように、ストーカーみたいな真似なんかしないで。 彼女の場合は、元々そういう考え方をする人だったのかも知れませんが、人気デザイナー(?)の村上という、いわば「助燃剤」が加わって、余計に燃え上がってしまったんじゃあないかと思える節も、ないわけではありませんけれども。 しかしそれにしても、「誠意」とか「善意」とかなんて、返しようがないじゃあないですか。求められたって。 それこそ「無理難題」というものでしょう。 「変えられない他人を変えようとして、反対に自分が変質してしまうというのは、むしろ不幸な話」ということを、地でいくようなストーリーだったと思いました。本作は。評論子は。 (そういえば「縁なき衆生は度しがたし」という言葉もありましたっけ。) 他のレビュアー諸氏が指摘しているとおり「観終わって、すっきり爽やか」という一本では間違いなくありませんけれども。 「自分と他者との関係性」ということについて評論子自身にも再認識させてもらえたという意味では、「カネ返せ」「時間を返せ」という一本ではなかったのかも知れないと思います。 加えて、登録者数だけがモノをいうユーチューバーの世界(?)では、現実にこんな愛憎劇が起きても、不思議ではないとも思いました。 作中の優里の「どうせ今だけちやほやされるコンテンツと思って見下してるんでしょ。あたしたち、馬鹿以下の内容でも、毎日アタマ抱えて、寝る間も惜しんでやってるの」というセリフからは、その世界での生き残りの厳しさも垣間(かいま)見え、こんな種々の愛憎劇が起きても不思議ではないのかなぁとも思いました。 そのことに警鐘を鳴らすという製作意図も、もし本作にあったとすれば、観終わって幸せな、楽しい気分になれる作品ではなかったにせよ、それはそれで、良作としての評価が可能なのかとも思いました。評論子は。 (追記) あと、「ありがとうって、ひとこと言って欲しかっだけ」というような田母神の台詞が、どこかにあったような記憶がありますけれども。 (評論子の思い込みであれば、ゴメンナサイ。) しかし、ありがとうを言って欲しくて親切をするなら、その親切は、最初からしない方がいいと思います。評論子は。 「自分が勝手にした親切なんだから、ありがとうも言われないのが、ふつう」くらいの押さえにしておかなければ、本作のような軋轢(?)は、避けられないのではないでしょうか。 人のお世話にならぬよう。 人のお世話をするように。 そして、報いを求めぬように。 もし、そう思えないなら、人への親切なんて、よしておいた方がいいと思います。 (追々記) せめてもの験(げん)直しとして、上記のエリック・バーンの言葉を、おしまいまで引用しておきたいと思います。 「過去と他人は変えられない。あなたが変えられるのは、自分自身と未来だ」
わ、 この監督の作品好きやわ❤️ 岸井さん初めて観たけど、ブス可愛...
わ、 この監督の作品好きやわ❤️ 岸井さん初めて観たけど、ブス可愛やけど演技上手いのに驚いた
見返りを求める男、恩を仇で返す女
感想
この関係を、あなたは笑いますか?怖いですか?それとも切ないですか…?
心温まりづらいラブストーリー
ムロツヨシ、岸井ゆきのは個人的に好きな俳優さんなので観てみました。
人間の嫌なところが凝縮している作品でした。
モヤモヤしますね。
底辺ユーチューブバーゆりちゃんの痛さ、どんどん壊れていく田母神さん見どころです!
梅川役、若葉竜也の演技よかったです。梅川みたいな人間が一番嫌いです笑
田母神とゆりちゃんの距離が近づいていく時の挿入歌は青春って感じでよかったです。
ゆりちゃんのありがとうを何度も見返すシーンは切なかったです。
トイレでの使用済みナプキンは笑いました笑
同僚の飛び降り自殺、全身火傷と痛々しいシーンあります。全身火傷はジェイコブの祟りか笑
youtuberに対してのリスペクト映画でした笑
僕は見返りを求める人間です笑
※あ〜今日クソ天気いいな〜
人の心理描写や行動の変化がとてもリアルに感じた
実際にあった話のようなリアルさがあった。 YouTuberゆりちゃんの人気出ない頃の様子や、有名人とのコラボをきっかけに段々売れて、高飛車になっていく感じ。 過激な事をやるようになって最後は・・・・ 裏方として役に立つだけで満足だった田母神さんは、ゆりちゃんがメジャーになっていくにつれてしてあげられる事が無くなり、用済みになった事を認められずに、ゆりちゃんに恨みをぶつけるようになる。 後輩に金を貸して、さらに保証人にまでなっていたが、その後輩は一度金を貸さなかっただけで自殺してしまう。 無償で人助けをする優しい田母神さんは、何を間違えていたのだろう。 後輩に金は貸さない方が良かったし、ゆりちゃんへの動画編集も最初から有償でやって、ドライな関係の方が良かったのだろうか。 最後はあのようなカタチになってしまったが、もしその後があったなら、熱心に見舞いに行くことで新しい人間関係が生まれたりしたんだろうか。 ラストは正直納得いかなかった。
岸井、むろ、若葉のキャラ立ちに大きな共感
見返りを求めないというのは、良好な関係がずっと続くことが前提条件。 関係がうまくいかなくなったとき、無償の行為は無償でなくなる。 女性にいろいろやってあげた経験のある男性であれば、誰しも思い当たることがあるるはず。 その男性の思い込みを、吉田恵輔は鋭く突いてくる。 岸井ゆきのみたいな女性、確かにいるよね。 その気も悪気もなくて男性の好意に甘えるタイプ。 むろつよしは、まさに自分なのでは? 小汚くて不器用で一途の勘違い。女性が場当たり的に変わることを容認できない。 若葉竜也みたいな男いるいる。こっちにいい顔あっちにいい顔。 自分を持っていることは、時として大きなマイナスポイント。 カメレオンの若葉の恰好のカモになる。 自分を持っていない人間たちが、YouTubeという自己実現もどきで自分を充たしていく。それも真なり。 吉田恵輔は、それら幻想を見事に日常化させる。 心憎いほどの岸井、むろ、若葉のキャラ立ちに、大きな共感を覚える。 結末は、ハッピーエンドが答えにはならない、という彼の強い意志が漲る。
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