劇場公開日 2022年8月11日

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「まぁ、あるあるなのでしょうね…。」野球部に花束を yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0まぁ、あるあるなのでしょうね…。

2022年8月11日
PCから投稿

今年235本目(合計511本目/今月(2022年8月度)11本目)。
私自身は中学も高校も、大学も全部いわゆる文科系クラブ(サークル)だったし、広島県出身なので、野球としてはカープがある、というくらいの知識量です(試合を見に行ったことはない)。

…とはいっても、今リアルで甲子園をやっているように、高校の球児が一定数存在することはそれは既知のことで、仮にサッカー部の子でもバスケ部の子でも(あるいは卒業していても)、野球部員の子に一切触れたことがない、という方はかなり少ないのではないか、と思えるので、共感度は違っても(やはり、あの厳しさは体験していていないとわからない?)ある程度推測ないし「そうだよね」という部分は当然存在します。

一方で映画内でもあるように、一つの公立高校の野球部の大会出場を描くストーリーであり、リアルでもよく言われるように、野球に限らずスポーツ文化というのは圧倒的に私立のほうが強く(一部例外除く)、公立高校はどうしても都道府県によってある程度差はあっても、部活動という概念は存在しても「部活動より高校生は学習が一番大切」という考え方が(教育委員会など、上位組織からおりてきて)根強いので、映画内でいうように「私立高校にとってみれば公立高校のどことあたるかなんて(決勝戦でもない限り)関係がない」(裏をいえば、1回戦や2回戦で公立高校どうしでつぶしあいをしても、私立高校にとってはあまり関係がない=どこが相手でも関係がない)という部分はリアルでも存在するところで、一方で公立高校で部活動を普通にする分に関してはどうしても私立には勝てないし、公立学校というのは「部活も大切だけど、何より勉強、学業が大切」という文化に根差すので、そういった前提において「公立学校におけるそれら部活の存在意義」という高度な論点まで実は触れられています(ただ、映画内でもあるように、努力することの大切さや、所属することによって上下関係を厳しく学んでマナーを身に着ける、といった部分に焦点をあてているというように解するのが妥当)。

このような関係なので、野球のルール自体に関しては、別に詳しく触れられないし(せいぜい、「コールドゲーム」が何か、という程度しか出ない)、「野球のルールを知らないと何がなんだか不明」ということにはなりませんので、そこは安心です。

今週迷ったら、当事者の方(高校で野球部だった方)やそれに準じる方(サッカー部など)、あるいはあまり関係がないが部活動をしていた方など、幅広くターゲットになってくると思います(そもそも、今週は極端に数が少ない…)。

採点に関しては下記が気になったものの、フルスコアにしています(4.8→5.0への切り上げ)。

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(減点0.2/説明不足・現在の現状とあっていない?)

 ・ いくら部活動でも、暴力的行為やそれに準じるようなスパルタ教育は今日の公立高校ではまずいです(出血表現などないものの、殴られるシーンはある)。公立高校の場合は国家賠償法、私立高校の場合は民事訴訟(国家賠償法は民事訴訟の特殊類型なので、実はこの2つは同じ)になりますが、30年前ならまだしも、現在の日本(2021~2022)において、出血表現はないまでも殴るような描写はどうなのか…というのは思いました。

ただ、これも含めて(骨が折れるなど極端にすぎない範囲で)「野球部あるある」なのかという考え方はあると思うし(私は体が弱かったので(今も。そもそも手帳上2級)、スポーツ部なんて選択できなかった)、極端にムチャクチャというわけでもないので、減点対象としてもこの程度(これ一つのみでは4.5まで落ちない)というところです。
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yukispica