劇場公開日 2022年9月9日

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「切れ味上がってる」LOVE LIFE タカシさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0切れ味上がってる

2022年9月10日
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深田は追いかけているが切れ味と、緊張感が半端じゃない。冒頭の流れなんて、引き込まれる。ろう者の彼のように、この人俺が居てあげないとと思って心配してあげるが、実をいうと戦略としての態度を疑ってしまう。男がろう者に対して聞こえない声で語りかけるシーンが素晴らしい。
タイトルと矢野顕子の印象から柔らかいかなと思いきや、鋭い。深田はたまに柔らかい印象のものも撮ろうとしているが、鋭い方があっているような気がする。
この映画はTOHOシネマズで鑑賞した。以前、深田はTOHOが独禁法に抵触するのではという問題提起をしていて、それを読んで、そんな大きな会社を批判したら一生上映してもらえないのでは?と勝手に心配していたが、こうやってちゃんとかけてもらっている。山崎の爽やかな雰囲気をこんな演出で撮るのかと驚いた。山崎はTOHOで何年も観てきたので。

パクが港で説教かますシーンはお前が失踪して大変な目にあってるのにお前がいうのかと呆れてしまった。
障がい者を不思議なマジカルな人と描くのが古典的差別としてあり、それを進歩させてセックスにはまったりするんだよ、普通の人なんだよというのがコーダだったりするが、深田は更に回って不思議でマジカルな魅力を描く。

猫を彼の無責任ぶりの小道具として使うのはかなり素晴らしい。映画のなかで猫が出てきた時のほっこり的な甘さが苦手なので警戒していたら、こんな暴力的に譲渡されるのは新鮮。

2回目は永山を中心に見てしまった。彼の自分で軽薄さを認めた上で優しく振る舞うが自らを省みてしまうがゆえの冷たさが悲しい。最後の散歩を彼が切り出すのはせめてもの救いか。声は義母役の神野さんがでてくる度に不安になる。

タカシ