「一流の【作品】」教育と愛国 新米エヴァンゲリストさんの映画レビュー(感想・評価)
一流の【作品】
ドキュメンタリー(ノンフィクション)には大きく二つあると思っている。
作り手が対象に感動したものは自分もその感動が共有できるので好きだ。
もう一つは作り手が伝えたいことがあり、そのことに力点が置かれているもの。
ゆえに厄介なのは、本物の映像、登場人物のコラージュになり、作り手の表現したい【作品】になること。
昨今物議を醸している【切り貼り】になる。素材が全て実物なだけに、限りなく本物感が漂う。
両論バランス良く取り上げているように見えるが、作り手が思っている反対論の造りは、どうしても雑になる(裏ドリも含めて)。
作り手にとって都合の悪いものは、やはり隠されてしまう。まあ、作り手が作りたいように作るのでそうなる。
夜中にやってるドキュメンタリーをたまに見ることがあるけれど、なかなか心が動かされるものには出会えない。
「ドキュメント72時間」は、対象に対する感動と愛情を感じるので、偶然テレビで見かけると思わず最後まで見てしまう。
今日見たものは、【大変よく出来ていた】。
主張したい部分はとても丁寧に作られて、反対の主張のところは時間を割いているように見えたが、作りが【雑】な印象だった。
自らの主張のところの作りがとても見事だっただけに、その差が際立った。
差が際立ったゆえに、作り手の立場が際立って、中立でもなんでもない時点で、ドキュメンタリーではなくプロパガンダになってしまった印象。
もともとそのつもりだったのかもしれないが。「策士策に溺れる」とはこのことか。
映像作家としては一流の人だと思った。
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