「やがてねがいはひとつに」かがみの孤城 ますぞーさんの映画レビュー(感想・評価)
やがてねがいはひとつに
原恵一
日本アニメ界を代表するアニメ演出家
TV版ドラえもんの担当した回での
凝った演出でその筋で注目を集め
若い内から藤子作品のアニメを担当
やがてクレヨンしんちゃんを担当
打ち切りだった21エモンからの続投で
期待度は低かった(らしく本人も
あまりやる気がなかった)が
社会現象級の大ヒットとなり
特に監督を務めた
「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001)」
「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(2002)」
の連作は子供を連れて行った
親たちのほうがが感動するという
傑作と言われる出来
子供向けのようでそうではなく
むしろ大人向けじゃないかと
感じるほどの叙情的な演出
(かといって子供には難しい
とまではいかない)が印象的である
まもなく終映ということで
評判がいいこともあり観賞
感想としては
期待通り子供視点の演出に
非常にリアリティがあり
あえて序盤は説明不足にしながら
少しずつ語りたいこと
伝えたいことを表にしていく
展開は流石に感じました
登場する子供たちのキャラ付けが
それぞれ非常にリアルで
見ている客の誰かにどこかしら
共感性があるような感じ
それでいて皆
同級生や家族によって
どこかいじめを受けている
だが負けないように戦っている
という描写がいいんですよね
ウレシノの
小太りで承認欲求強くて
温厚だけどいったんキレると
烈火のごとく怒る感じとか
まさに循環気質
クレッチマーの性格類型
まんまです
一見溶け込んでいるように
見えていじめられているとこ
凄いリアル
そして周りにいる家族も
心配してくれる親から
役割を放棄してる親まで様々
そんな子供他たちの「ねがい」
には大小様々あって比較もできない
ものだけど最終的に
一つになっていく
最初はあの孤城は
SNSみたいなもの?と思って
いたのですがそうでもあり
そうでもない部分もある
オオカミさまの正体は最後には
わかるもののでは何を意図して
あんな世界を作ったかという
部分においてはまだハッキリと
していない部分が
あるのかなぁ
個人的には
子供たちの解決すべき問題に
関わる大人の領分というものを
最も考えました
子供も解決するために戦っている
部分をないがしろにして
しまっては意味がないのですが
子供側の視点になかなか
立つことができないジレンマが
あるんでしょうね
皆昔は子供だったのに
といったことを考えながら
帰り道につけるいい映画でした