「孤城の鎖」かがみの孤城 ベッラさんの映画レビュー(感想・評価)
孤城の鎖
原作を読んだときは始めから胸が痛くて辛かったのを思い出しました。娘がいじめにあって学校にいけずにいたときの親の私の姿がそこにあったからです。心に傷を負い悩んでいる娘にどう接していいのか手さぐりの中にいました。映画のお母さんもきっとどうしたらいいのかわからなくてあんな感じになっていたんだろうな。
そして、もっと苦しんでいたその時の娘の声にならない心がそこにあったからです。子どもにも社会があって必死にその中で生きようとしていたのでした。
映画の中の七人も必死に生きていて、大丈夫だよと声をかけてあげたくなりました。
現実的な不登校を扱うストーリーを物語らしくまとめあげているのは作りての側のエゴのようにも感じましたが、けっしてご都合趣味に感じなかったのは七人の状況が丁寧に描かれていたからです。シンプルに救いのある話で良かったと思えたのはさすがだと思います。その点に関しては分厚い重い原作を読んていたことで、映画で描かれきれないディテールをフォローしていたかもしれません。
あれだけのお話を一本の映画にするには取捨選択大変だったと思いますが原作未読の人にも伏線回収含め納得の心に響く良作に仕上がっていたと思います。
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