「小説具現化の難しさを感じる作品。ピンチだったから…」かがみの孤城 コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
小説具現化の難しさを感じる作品。ピンチだったから…
内容は、主人公は雪科第五中学に通う中学一年生の安西こころ。とある理由で登校不能になり、突然鏡に映る🪞自分が見えず身体ごとかがみの世界に吸い込まれる。その異世界で出逢うこころと同じ様な境遇の6人との冒険を中心に現実問題と繋げ解決策を模索しようとする物語。原作ファンタジー小説・辻村深月の『かがみの孤城』監督は、原恵一によるアニメ映画作品。印象的な言葉は『どんな事にも代償はある。』オオカミ様🐺の言う言葉に深く納得してしまいました。現実世界の厳しさを簡潔に表した真実のうちの一つで共感しました。印象に残った場面は『早く大人になってね』と喜多島先生がこころと初対面挨拶の場面。同時に机の下から差し出された見えない手での握手は原恵一らしい演出だと感じました。貴方の悩みは広い視野を持てば解決する。その手助けをしたい…昔自分がそうであった様に…との心の声が聞こえて来そうで良い演出だった様に感じます。アニメーションの回り込みからのアップや引きも臨場感あり手を握るタイミングや口元の演出や目の微妙な表現は、心像描写が映えた素晴らしく分かりやすい作品だと感じます。いかんせん原作の様に、より個人に焦点を寄せた群像劇の面白さや奥深さを出せなかった様に感じるのは、非常に悔やまれるし難しさを残す問題の様に感じます。この映画で興味を持たれた方は原作も読んでみる事をおすすめします。より深く面白さが感じられると思います。映画を見た後に飲む🍓紅茶や🍎紅茶はいつもと違う味わいがありました。キルケゴール曰く『死に至る病とは絶望の事である』その事を深く感じさせられる素晴らしい作品だと思います。