アイ・アム まきもとのレビュー・感想・評価
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分かりやすいのかわかりにくいのか妙に判断が分かれる…(採点内容でネタバレ含む)
今年286本目(合計561本目/今月(2022年9月度)29本目)。
金曜日はこちらの映画をチョイスしました。
他の方も書かれている通り、孤独死を担当する「おみおくり課」を舞台に一人の職員の奮闘を描く映画です。
ストーリーとしては(表立って)難しい話が出てこないので理解はしやすいですが、かといって中高生の子がみるのも想定はされていないと思います。
他の方と同じ感想を書いても仕方がないし、この映画は「特異な論点」が多いので早速採点いきましょう。
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(減点0.6/日本の法律と乖離している)
この映画は紹介にもあるように、もとはイギリス・イタリアのちょっと前の映画を日本風にリメイクしたものです。リメイクですから、多少は日本風にしているはずですが(登場人物の名前がイタリア人風だったら変)、基本的には原作にそっているはずです。
しかしここは日本だし映画の舞台も日本にうつっている以上、日本の法律が当然適用されます。論点は2つあります。
▼ 身寄りのない人の火葬・埋葬について
これは「墓地埋葬に関する法律」に定めがあり、さらにはなんと明治32年の「行旅病人及行旅死亡人取扱法」という法律(この当時なので漢文風の法律。ただし現在でも有効)を参照している事項です。
この映画のように「身寄りのない人の火葬埋葬」に関しては、いくつも分岐が発生します。あまりに面倒な上に、公衆衛生に関する法律なので(細かい事案はどうするか等)令和2年度に質疑応答集が公開されているくらいです。
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・ 身寄りのある親族はいるか
・ いるとして、生活保護を受けているか、それに準じる状態、またはDV被害者等の状況か(←墓地埋葬に関する法律の当時は、DVの論点などなかった)
・ それらでないとして、死後の相続をするか放棄するか
・ (意外にも)亡くなった方の預貯金が、一般の銀行かゆうちょか(一般の銀行とゆうちょでは、本人分の葬式代を行政がとりあえず「本人の預貯金」を目当てにして建て替えた場合、その支払いを銀行/ゆうちょが認める場合と認めない場合があります)
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…というように実にバラバラな一方、「お葬式」というのは、そうした法律や条例は当然適用されても、争いがある場合(身寄りのある親族が無視を決め込むなど)は、とりあえず「葬式を優先して行う」ようになっています(国民の死者に対する感情に配慮しての対応)。
法律上は、これら条件をチェックして「建て替えたので親族の方に払ってもらう」場合でも無視を決め込まれることが結構多いものです。この場合、極論は(裁判を経て)差し押さえをしたり、各種の民法の規定を活用することになりますが(ただ、本当に親族にお金がないなど、取れないものは取れない…)、実際問題、そんなことをやる行政はまずもっていないので(仮に大金持ちであっても、人が亡くなっているのに裁判だの差し押さえだのというような地方自治体は存在しないも同然)、映画内で「主人公がとっている方法」は法律上正しくないのです(あのようなに「個人がとる方法」は法律上想定されていない)。
※ なお、「墓地埋葬に関する法律」では、このような場合でも、火葬・埋葬(=土葬、土に埋めること)を(一般のお葬式と同じように)行いますが、埋葬(=土葬)は条例で禁止されている都道府県が多いので(特に大都市)、一般に火葬です。
▼ 工場でケガをしただの何だの
これは明確に労働災害にあたるケースなのでそれを申告して争う形になります(申請が却下された場合、不服審査を経たうえで(不服審査が必ず必要)、その上で行政事件訴訟法で争う形になります。
映画内の描写は不十分で、積極的な意図はないと思いますが「労働災害を申請されては困る(特に工場は労働災害が発生すると、地方の労基などが巡回してきたり面倒になる)ので隠蔽する」という、それこそ30年くらい前の古い風習が今でも残っているのかということになってしまいます。
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これらを勘案すると、7月だったか8月だったか「日本が舞台なのだけど、実は元の小説がイギリスで、いきなり所有権だの何だの法律ワードが飛び出して混乱させる」類型(TANGだったはず)と同じ状況になっていて(ただ、よりマニアックな話であるにすぎない)、知識がある人ほど「何がどうなっているのか謎」という状況になってしまうのです。
自分を肯定する
不器用な人っていますよね(私を含め。。。)。
でも、「それは個性」とか都合の良い言葉はあるけど、決して肯定されないんです。
少しくらい奇跡があってもいいじゃない?
そんな希望を妄想できちゃう映画です。
良かった!
決して万人受けはしないと思いますが、自分にはどツボでした☺️
一度でも生きるか死ぬかの経験をされた方。本業を引退された方。終活をされている方または興味をお持ちの方。
自分の仕事に真正面からしか向き合えない方。
そして、「がんばった、がんばった」方。
そんな方には超絶大お勧めの映画です。
人間の価値。特に周囲からの評価って様々だと思います。
家族からみて最低な人でも、家の外では仲間の為に尽力してたり。
世の中の役に立っていたり。感謝されていたり。
その逆もあると思う。
自分のために頑張ること
且つ、周囲の役に立つこと。
あまり多くないですが
そこを優先して生きていければ
素敵なことだと思わせてくれました。
そしてまさかの展開でしたね。
ちょっと最後は不運でしたが、
不幸ではない牧本氏の人生に
ほっと胸を撫で下す、
ラストシーンでした。
そして、エンドロールの
Over the rainbow🌈
心を揉みほぐしてくれます☺️
題材は明るいものではないのですが
どこか暖かい気持ちで劇場をあとにしました。
観て良かった映画でした。
【”頑張った!頑張った!" 孤独死者の遺骨を丁重に扱う、不器用な市役所職員の尊崇な行いに応える多くの命。孤独死が増加する現代、牧本のような人物は必要ではないかな、と思った作品である。】
ー 市役所に勤める牧本(阿部サダヲ)は身寄りなく、亡くなった人を埋葬するたった一人の”お見送り係”。
誰にも看取られる事無く、逝った人たちの自宅に入り、遺品を回収し、”自腹”で葬式を出す。
だが、その葬式には誰も来ない・・。-
◆感想
・ご存じの通り、今作はエディ・マーサン主演の「おみおくりの作法」のリメイクである。水田伸生監督と阿部さんのタッグ作なので、お笑い要素多めかな・・、と思ったら”合理的、合理的、”お見送り係”は廃止”と宣う、愚かしき新任局長の優勝カップへの放尿シーン位であった。
ー テーマが、”死”だからね・・。-
・牧本の最期の仕事は、孤独死した蕪木(宇崎竜童:免許証の顔写真が怖いです・・。)の部屋に大切に置いてあった、彼の娘と思われる幼き時の写真に写っていた女性を”遺族”として探す事だった。
ー 牧本が、警察の様に聞き込みを進めていくと、荒くれ者ではあるが、蕪木が漢気ある人物だった事が徐々に分かって来る過程が面白い。
工場で、指を失った同僚(松尾スズキ)の為に、会社に抗議したり、(けれど、食品に小便をするのはどうだろう・・。何だか、オカシイ。)若いころ、炭鉱で働いていた時に、落盤事故に遭った際に、眼をやられた同僚(國村隼)を背負って、生き残った事・・。
鏑木は、牧本とはタイプが違うが、社会不適合者だったのであろう。但し、鏑木の行動には、会社の安全配慮義務違反に対しての怒りなど、確かな理由がある。ー
・そして、漸く辿り着いた実の娘(満島ひかり)。最初は、拒絶感を示すが、牧本から父の生き様を聞いて、考えを変えていく姿。
ー 突然、自分と母を捨てて、いなくなったことは許せないだろうが・・。けれど、その後鏑木に鉱山で助けられた男が言った言葉。”俺の姿を見て、自分だけ幸せで良いのか、と思ったのではないかな・・。あいつはそういう奴なんだ・・。”-
<牧本は、自分の墓地を立てる場所を生前確保していた。そして、時々そこに横たわって、嬉しそうな顔をしていた。けれど、彼はその場所を鏑木に譲ったのだ・・。ナカナカ出来る事ではないだろう。そして、牧本を襲った不慮の死。彼の遺骨は骨壺に収められ、葬儀も簡素に行われる。
だが、牧本が生前ギリギリまで無縁仏にしないように、骨壺を収めていた小さな塔に集って来た鏑木を始め、彼に”お見送り”をキチンとされた人々が集い、祈る姿。
孤独死が増加する現代、少し問題はあるが、牧本のような人物が必要ではないかな・・、と思った作品である。>
■その他
・この作品の舞台は、庄内平野である。庄内市となっているが、実際は鶴岡市と酒田市がロケ地になっている。月山の牛が仰臥したような姿。田圃。変わってないなあ・・。(遠い目)
おみおくり
なんだか孤独死と向き合うテーマでリアルだった。最初はえ?葬儀とか市役所がやってくれるの?って。なんだ、まきもとさんが自費とは。
面白いほどに察知が悪く笑えた。
最後は、まさかの、驚き。悲しみにいくと思っていたら、ラストはなんだかほっこり。良かった。
田舎の風景画がスクリーンから度々で、それも癒された。
最後で泣ける。
原作知りません。
鈍感で人の気持ちを察せない牧本。
この鈍感さと察せっなさが人との絡みのシーンで笑えました。
そんな牧本だけどピュアで故人の為に一生懸命な姿が心に響きました。
横断歩道で左右確認してから横断歩道を渡る。
このシーンが2.3回あったのでラスト20~30分辺りでカメラ購入してから左右確認せずに横断歩道渡るシーンで何か嫌な予感。
まさかの主人公亡くなってしまう
どうなるんだこの後!と思ったけどラストのラストで予想外だったけど納得の展開。
故人達が集まり亡くなってしまった牧本のもとへ感謝の意味も込めて手を合わせにくる。
まさかの展開だったけど泣けました。
牧本氏の存在が自分の中に想定できるかどうかで評価が分かれそう
2013 年の英伊合作映画「おみおくりの作法(Still Life)」のリメイクとのことだが、オリジナルは未視聴である。孤独死が発生した場合、死因の捜査までは警察の仕事だが、事件性がないと死因が特定された後は市役所の業務になるらしい。身内の人を探して遺骨の引き取りとそれ以降の手続きを委ねるのが理想だが、家族との折り合いが悪かったり、長年断絶状態にあるような場合は引き取り手がいなくなるので、一般的には葬儀もなく無縁仏として葬られることになる。
ところがこの映画の主人公の牧本氏は、市役所の「お見送り係」の唯一の係員として、遺族との連絡と遺骨の引き取り依頼を熱心に行い、引き取って貰えない場合には、葬儀もなしに葬られるのを気の毒に思って小規模ながら私費で葬儀を挙行してやるというちょっとあり得ない人物である。また、人付き合いや他人への対応なども普通でない。教育者が見れば学習障害ではないかと見る人も多いと思われる。
牧本氏の出自や両親などの情報は一切不明であり、私生活の様子も描かれているが、やはり尋常ではないように思える。道路を横断するときに、車通りが一切なくても何度も左右を確かめるとことなどは、まるで小学生のようにスレていない。ワーグナーの「パルジファル」ほどの無垢とは言い難いが、かなり近いものを感じさせる人物であり、それだけに現実性には乏しい。
牧本氏を演じられるのは阿部サダヲくらいしかいないだろうというのは映画の冒頭から感じさせられる。彼の現実性の薄さを感じさせないようにするには、周囲の役者のクレバーでリアルな演技が不可欠であるが、満島ひかり、宮沢りえ、宇崎竜童、松下洸平、國村隼らの豪華な俳優陣はそれぞれ見事に役割を果たしていたと思う。特に、宇崎竜童の存在感は、他人の思い出話のみでの構成であるにもかかわらず、その人となりが非常に伝わって来たのには驚かされた。
それにしても、あれだけ慎重な牧本氏が、カメラを買っただけであのはしゃぎっぷりは異常だと思った。何故あのような結末にしたのかと面食らったが、ああしないとラストシーンが作れないからだろうということに気が付いた。
全編山形県でロケが行われており、牧本氏の勤務先は酒田市役所だし、鶴岡や鼠ヶ関でもロケが行われており、意外なのは牧本氏が購入していた墓地が山形市であった。海辺の墓地の方がらしさが出たのではと思ったが、制作陣にはそれなりのこだわりがあるのだろう。2008 年の映画「おくりびと」でも酒田がロケ地だったのを思い出させる付合であった。
この映画は、牧本氏のような存在を各自が認められるかどうかで評価が分かれる作品だと思う。
(映像4+脚本4+役者5+音楽3+演出4)×4= 80 点。
心に形無し
そうですね。頑張れはダメです。相手に、自分に、プレッシャーを与えます。頑張った、は相手を、自分を、楽にします。
この度、我が社会に大混乱を巻き起した指導者に是非観て頂きたいです。葬儀とは、慰霊とは何かを、感じて頂きたいです。
個人的には直葬希望です。
孤独死や身元不明の遺体の埋葬を担う庄内市役所おみおくり係に務めるマキモトが、個人への弔意や思想を爆発させる話。
自費とはいえ勝手に葬儀を開いたり、無縁墓地に埋葬せずに遺骨を所内に保管したりと知りもしない故人への思い入れが強すぎる主人公が、葬儀に参列して貰える人物を探すべく、自宅の向かいのアパートで2週間前に亡くなった男の過去や素性を追っていくストーリー。
人それぞれ思想があるから何とも言えないところもあるけれど、自分には異常なまでの執着ぶりにみえるし、葬儀こそ自費でとはなっているけれど懲戒ものですよね?
言いたいことはわかるところもあるけれど、ケースによっては超迷惑です。
蕪木の過去や人間性なんかの掘り下げ自体は面白かったし、感じるところはあれども、個人的には局長の意見が至極正論だと思いますが…。
すぐに「こうなってます」状態になったりするしあまりの察しの悪さだったり、最早発達障害?と疑いたくなる様な主人公の人物像で、どうせならはっきりそういう設定にした方がまだ入り込みやすかった様に感じたし、しかもブラックコメディって…。
山場からの展開も今回は結果オーライとはいえ、みんな知らずに過ぎてたらそれはそれで済む話しな訳で、これっぽっちも感動出来なかった。
アイ・ラブ まきもと
センターに阿部サダヲさん、まきもと理解者にでんでんと篠井英介、話をしてくれる松尾スズキに國村隼と脇が固まれば大丈夫~と思って見始めました。
会話のズレを意識した脚本が良かった。空気を読めないというか読まないまきもとは言いたいことと言うべきことはストレートに言うし、几帳面で真面目に誠実に行動する。笑える箇所がたくさん。
まきもとの住まいはキッチンもリビングも必要最低限の物だけがきれいに清潔に美しく置かれている。デスクの上の物は「その時」の必要最小限の物だけが真っ直ぐに絶妙な距離を保って置いてある。いつも時計を見てから金魚にエサ、ハンガーにかかっているのは黒系のジャケット数着に白ワイシャツ数枚のみ。いつも手ぶらだけれどメンソレータム含めて必要なものは常に持ち歩いている。
人の話聞いてわかってんのかなあと思っていたけれど、まきもとが書いた人物像要約は的確で正しく美しくもあった。まきもとは死や人と接することで色んなことを学ぶ人であった。家では水しか飲んでなかったのに紅茶をティーカップで飲む、赤ちゃん抱っこのスタイルをしてみる、場違いの所へおしっこする、カメラから白鳥を覗いてみる、頑張った・・・。
想像を超える展開でかなりビックリしたが全体的に邦画っぽくありつつ邦画っぽくなかった。何に依るんだろう?原作だろうか?広ーい田圃、色が変化する大空、野に咲く花々のアップ、遠くの山々、自然の映像が美しかった。
いい人だけど物足りなさも
役場の人だから態度が控えめ。でも自我を通す牧本さん。クスッと笑えた。牧本さんの部屋は薄暗くて殺風景で余計なものがない。死後を考えて?過去に何があったのか謎。牧本さんについて何もわからないままだった。最後、これで終わりか⁉︎の展開に。
もしあるなら、牧本さんについてやって欲しい。
「おみおくりの作法」を後から見たが、やっぱり過去について何もなかった。こちらは最後泣けた。
予告をいい意味で裏切る良品!
人が死ぬということを、様々な視点から考えさせる良作。
孤独死は死に方ばかりが取り上げられ、亡くなった人が送ってきた人生について、焦点が当てられることは少ない。
けれど、主人公のマキモトは生前、交友のあった人たちを訪ね歩き、その人が生きてきた軌跡を共有する。彼は、死者の語り部なのだ。
「棺を蓋いて事定まる」という言葉はまさにこのことなんだろな〜 極論かもしれないけれど、お葬式で一人でも泣いてくれる人がいれば、人生を送った甲斐があったのではと、思わせてくれる。
自分が入る予定の墓を他人に譲る代わりに、自分が無縁墓地に入る。そんな人、ホントにいるんだろうか? でも、「献身」という言葉を地で行くマキモトには、他愛のないことなんだろうな〜
でも、見ている方はその点が気になった。
なぜここまで、人を見送ることに入れ込むのだろう…
淡々と描くからこそ考えさせられるけど、唯一、物足りなかった点です。
それにしても、庄内の自然が素晴らしい。
思わず、足を運びたくなりました^_^
死から生を学ぶ
Tジョイさんの試写会に参加することが出来ました!ありがとうございます♪
阿部サダヲが主演のコメディということで期待していた反面、予告が若干チープな作りで心配だった本作。でも、ちゃんと笑えて、ちゃんと感動する、良くも悪くも日本映画らしい作品でした。
「死刑にいたる病」では、恐ろしい連続殺人鬼を熱演していた阿部サダヲですが、本作も榛村に負けないくらいの演技力を発揮してくれました。なんかこの人の演技って、もうその人なんだよ。役とかじゃない。死刑に...では、連続殺人鬼にしか見えなかったし、この映画では迷惑な常識知らずの人にしか見えなかった。表情とか身動きとか、純粋すぎて怖い笑 この牧本という役は、阿部サダヲ以外思いつかない。殺人鬼イメージから迷惑男イメージへと変わりました笑
1人の葬儀を挙げる話って、どうやって2時間話を持たせるんだろうかと予告から思っていましたが、話の構成がとても上手く、だれることなく描けており、2時間楽しむことが出来ました。阿部サダヲのコメディアンぶりがあって劇場がビックリするくらい笑いに包まれる、コメディ映画としての魅力もありながら、「死」がテーマということでヒューマンドラマとしての重みも十分にあります。死と向き合うことで、生について考える。主人公・牧本の成長に心がうたれ、すごく勇気づけられました。心の動かされ具合でいえば、「川っぺりムコリッタ」より大きいかも。この作品の方が身近に感じたからかな。
満島ひかり、松下洸平、國村隼、宮沢りえなどの安定した演技に安心して身を任せることが出来たし、細かな演出がいいスパイスになっていて深くて上品な作品へと仕上がっていました。しかし、予告で感じていたことはやはり的中。作風がなんだか安っぽい。そして、作りが若干甘く、キャラクター設定やらストーリーに関する大切な部分が抜け落ちているように思いました。すごく惜しい。★4.0よりの★3.5です。最後が駆け込んでいたのも気になったかな...。
もっといい映画になったのに、と思わずにはいられませんが、阿部サダヲを初めとした豪華キャストが生き生きと楽しんでおり、笑いあり涙ありの鑑賞後はホッコリした気分になれる映画です。公開は9月30日です。ぜひ、大切な人と劇場でご覧下さい。
いつの間にか存在が愛しくなってた、まきもと。
試写会で見せてもらってきた。
キャスト豪華だし、それが楽しみだな〜っていうモチベーションで見に行ったら、期待を上回ってきた感じで、良かった。ラストが全く予想してなかった展開なので、ちょっと衝撃でショック。でも、それがあることによって、ああ、いつの間にかまきもとの人柄を愛しく感じて見てたんだなぁ自分は、と気付かされ、また鑑賞後感の良さにも繋がっている気がした。
ちょくちょく挟まれる面白い会話とか笑えるシーンとかも全然わざとらしくなくて、その塩梅もすごく心地よかった。私は、でんでんさんと阿部さんの納骨のシーンがツボすぎて、普通に笑い堪えるのに必死だった。あそこまで映画館で映画見てる時に笑い堪えたの初めてかも笑。
この作品の前に見たタングにも出てたから印象付いたっていうのもあるかもだけども、2作品見て、満島ひかりさんいいなって今更ながらすぎるけど思った。見終わってもう何日も経つけど、満島さんのあの泣きの演技がまだかなり鮮明な画として頭に焼き付いてる。よかったな、ほんとに。
松下さんはいつも演じてることが多い穏やかな好青年とは違うトゲトゲしたキャラっていうギャップに最初ちょっとびっくりした。けど、最終的に映画を見ている側に一番近いスタンスの役だったと気づいて、いいキャラだったなという結論に自然となってた。まきもとのマイペースすぎなところにいつもイライラしてしまうけど、結局はまきもとの人柄とか一生懸命さとかに惹かれてしまっている、みたいな。
I, Daniel Blake
なるほど。『おみおくりの作法』は日本だとこうなるのか。
当たり前だけどイギリスと日本人では墓地からして違う。
でも、物語の核となる部分は同じように響いてきて、同じシーンで号泣しました。
『おみおくりの作法』は最低限に削ぎ落とされた物語がエディ・マーサンの繊細な演技で豊かに紡がれていましたが、
『アイ・アムまきもと』はそこに、現代社会が取り組むべき問題が加えられていたように感じました。
尺は13分しか違わないのに盛り沢山。
阿部サダヲが主人公を演じることでテンポアップしたのと、取り巻く人々の名演技でコンパクトに収まった気がします。
主人公は寡黙で内向的な男ではなく “言葉のニュアンスを読み取るのが苦手” な人物です。
「一人一人が“個性”を活かして安心安全に社会参加できる世の中」が裏テーマだったと感じます。
おみおくり係の物語ですから孤独死問題はもちろん、生産性重視で人間を労働力として扱っていた問題も描かれていました。
名優たちの演技が光る見事な掛け合い。
ニュアンスが伝わらないズレが、笑いとして昇華します。
(阿部サダヲ×松尾スズキ)
醸し出す雰囲気で察して、目だけで分かり合えるシーンの素晴らしさ!
(満島ひかり×宮沢りえ)
もちろん國村さんは最高です。
ほとんどセリフでは語らないラストの展開が胸を締め付けます。
一人の人間が生きて死ぬということ。
疎かに扱われて良い人間など一人もいない。
エンディングテーマの歌声も静かな余韻として心に響きました。
▼余談
引き取り手の無い遺骨が増える問題は『川っぺりムコリッタ』でも取り上げられていましたが、市役所と警察の連携の部分は『アイ・アムまきもと』で始めて知りました。
両方の映画に満島ひかりさんが出演されていることにも驚き。
『おみおくりの作法』の原題は『Still Life』ですが、リメイクタイトルが『アイ・アムまきもと』なのは労働者問題を追加したことで『わたしは、ダニエル・ブレイク(I, Daniel Blake)』をリスペクトしたように感じました。
いつのまにか好きになってる
絶対ハズレなく面白いだろうなと思ってたけど、やっぱり期待どおりだった。
笑えてちょっと切ない。
まきもとさんは、こんないい人居るわけない!!けど、こういう感じの人って確かにいる、と思われるキャラクター。
面倒くさい人だけど、その面倒くささがものすごい優しさからきてる所が更に面倒くささを助長するのだけど、じわじわ良さが染み込むのか気がついたら彼を好きになってると思う。
出てくるキャラがそれぞれアクが強くて面白いので観ていて全然飽きなかったな。
最後の歌がまたいい。
ほいでカッコいい人って歳を重ねてもカッコいいのね、宇崎さんめっちゃカッコよかったです。
終活について最近考えることが多いんだけど、今回もなんか色々しんみり考えてしまったわ。
いや、順番的に両親が先なのはわかってるんだけど、なんか死ぬまでに色んなもののわだかまりは取っておくべきだなと心から思った。
是非ともご家族でご鑑賞いただきたい映画です。
愛すべきキャラのまきもとさんにイラつきながらも、心からのハグを送ってください。
命とか魂とか満島ひかりとか
試写会に行ってきました!なのであまり内容には踏み込まず感想を。
最初に伝えたいのは「川っぺりムコリッタ」を見てから本作を見るべき!ですね。
孤独死について、川っぺりで、部屋の中で亡くなる位置で自死かどうかがわかるというシーンがあって本作で「ははぁ、なるほど」ってなるとか、お見送りをする役所の立場とか色々と対比すると理解が深まると思いました。
本作では、阿部サダヲ扮するお見送り係のまきもとの行為が無縁仏となる方たちの魂を浄化しているのでしょう、それは素敵なことだし、ロードムービー的に繰り広げられる人との関わりがまきもとの内面も変えていったのでしょうね。
ただ、発達障害の子を持つ(持っていた)人間からすると、そんなに簡単じゃあないよね、と、そこは今ひとつ共感できなかった。
それでも満島ひかりの両作品での演技の違いを感じたり、本作も豪華出演陣の安定した演じ方を堪能できることは間違いないですね。
余談ですが私にとっての最大のサプライズはサプライズ登場の阿部サダヲさんの真後ろで撮影に写り込んだことでした。
えっ、そんな・・・
衝撃な最後の展開に心がついて行けませんでした。
市役所の福祉課おみおくり係の牧本さん。真面目で真っ直ぐで超絶察しが悪い牧本さんの最後の仕事のお話。だんだんと明らかになる孤独死した老人の"人となり"。そして少しだけ牧本さんが変われた瞬間に…。
右見て、左見て、もう一度右を見て、って小学生の頃やらされてました。
私の葬式にはどれくらいの方々に来ていただけるんだろうか。
全207件中、181~200件目を表示