「水田&阿部サダヲにハズレなし!」アイ・アム まきもと 塩減らしさんの映画レビュー(感想・評価)
水田&阿部サダヲにハズレなし!
阿部サダヲは、キートンだ。無表情にアクションで語り続ける。観客の感情より先走ったり、後押しをすることは決してない。その安心感がたまらなく素晴らしい!ラスト、ほのかなラブを予感させる満島ひかりとの間が高まるところで悲劇が訪れる。以降の10分ほどセリフらしいセリフはない。しかし、観客はあり得なかった物語への惜念と、残された者たちのささやかな交わりを暖かく見つめることになる。画で語ること、動きで語ること、言葉で語らないこと、芝居で語らないこと。伝えることの困難さを知る得難いコンビの到達点。観客に残されるものは映画だからこそ語ることが出来たものだろう。
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