「ラストのオチが酷すぎたので、勝手にラスト10分を妄想」アイ・アム まきもと バソラプンテさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストのオチが酷すぎたので、勝手にラスト10分を妄想
この映画は、独身でそこそこな年齢の人には凄まじく突き刺さる
そして、ラスト5分がなければ星5の傑作だった
内容に関しては他の人のレビューの通り
最後があまりにも酷かったので、勝手にオリジナルラストを妄想
〈以下妄想〉
カブラキさんの葬儀の案内状を送る牧本
当日、牧本はいつものようにただ一人寂しく参列しようとしている
定刻となり葬儀を開始しようとした途端、ポツリポツリと参列者が集まる
口々にカブラキの過去を語り、故人を偲び、温かい葬儀となる
そこへ、牧本が勝手にカブラキの葬儀をあげてることを聞いた局長が式場に駆けつける。
「牧本さん!どうせ誰も来やしないんだから、無駄なことはやめ・・・」と言いながら扉を開けると、そこには満席の参列者が。
口々に、牧本のおかげでカブラキを送ってやれることができたと、感謝する参列者たち。
局長も目を白黒させながら、勝手に自分の手柄にしつつ、お見送り係の存続を口約束してしまう。
葬儀が終わり、火葬し始めた時、トウコに渡すべきものがあったのを思い出す牧本。
火葬が終わるまでに取りに行こうと慌てて、青信号でいつもの確認をせずに轢かれる牧本。
場面が飛んで、無縁墓の前に佇む葬儀屋の親父。
胸には牧本の写真と骨壷。
「まさかアンタが俺より先に死んじまうとはよ。俺も独り身だし、アンタに見送ってもらおうと思ってたんだぜ? それにしても局長の野郎もしみったれてるよな。規則だって言って、即火葬、即納骨、葬儀は無しだとよ。部下が死んだってのに香典の一つも寄越さねえ。せめて花束をサービスしといたから勘弁してくんな」
小さな花束を供える侘しい風景。
葬儀屋が立ち上がり、無縁墓の扉を開けようとすると、刑事が大きな花束を持って現れる。
何も言わず、葬儀屋に黙礼すると、花を供えて手を合わせる。
ポツリポツリと現れる、これまで牧本と関係のあった人たち。
花束で埋もれる牧本の骨壷。
インコを引き取った管理人が、インコと一緒に牧本が飼ってた金魚も連れてくる。
「頑張った!頑張った」と鳴くインコ。
無縁墓に向かい手を合わせる一堂の後ろ姿。
しかし、やけに人が多い。古い着物などを着た半透明の人が参列者に重なるように増えていく。参列者たちは気がつかない。
牧本の遺骨を無縁墓に入れようとした瞬間、「待ってください!」と、カブラキの娘のトウコが現れる。
手には、牧本が最後に渡そうとしていた、カブラキの人生を綴った手紙。血が滲んでいる。
牧本の骨壷の前に立つと、ポツリポツリと牧本の人生を語り出す。
トウコが嗚咽に声を詰まらせると、別の人がそれを続けて言う。
幽霊たちも、聴こえないが何かを口々にいっている。
皆、泣き顔で笑い合う。
最後にトウコが、「牧本さんのお骨ですが・・・」と言いかけ、場面転換。
市役所の局長室
局長に向かい、刑事が言う。
刑事「牧本さんのご遺骨、カブラキの娘が引き取るそうです」
局長「血縁は無いんだろ? なぜだ?」
刑事「いいえ。わかりません!」
局長「まあいい、これで遺骨が一つ減った。経費削減だ」
刑事は無表情で黙礼し、退室しようとする
局長「・・・ああそうだ、お見送り係の存続、正式に決まったよ。そちらの所長にもよろしく伝えておいてくれ」
刑事「・・・霊安室を増やせないか、上に掛け合ってみます」
ポツリと呟く刑事
「牧本さん、あなたの粘り勝ちですよ」
END