「見終わって思う。エラク思い切った邦題を付けたもんだとw」アイ・アム まきもと bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
見終わって思う。エラク思い切った邦題を付けたもんだとw
いやぁ。主題は「繫がり」で、そう言う見方をするとビターなハッピー・エンド。この邦題だと「マキモト」の生き方の話になって、ビターを通り越して、ホンワカ気分もありーなバッド・エンド。比重は前者にあるって思うんで、この邦題は「阿部サダヲ」の知名度で集客を狙うと言う魂胆の現れ、ですかね?しゃーないか。実際、阿部サダヲを前面に押し出した方が、人は集まりそうだしw
「お見送りの作法」の日本版と言う事になるんでしょうか。と言っても原作未読だし、「お見送りの作法」も見てない私です。
マイ・ブロークン・マリコに続いて、コレも今年の邦画のダークホースでした。
孤独死と言う、ともすれば重苦しくなるネタを、阿部サダヲのキャラに乗っかってコメディタッチで進める前半部。真島ひかりと國村隼の登場あたりからギアが切り替わり、ちょっとだけ泣かしに来ます。葬儀に三々五々、集まって来る所縁の人々の姿が胸にジーンと来るって。
ラストカットは予想通りで、あざとさ全開です。ここ、も少しどーにかならんのかー!ってのは正直あります。宮沢賢治風、と言うか、Pay Forward的、って言うか。こんなんじゃ無くって、阿部&宇崎&松下の3人が高台から皆んなを見送るだけってんじゃ不足ですか?更に言うと、Over The Rainbow(s)はしつこ過ぎひん?このラストカットが、ちょっとやり過ぎな感じが、個人的には気になってしまいました。
食器を使わず自炊している牧本のミニマリスト振りは、徹底しています。「お見送り係」としての仕事は報われる事がなく、孤独の闘いの日々。「闘い」ってのは大げさに見える描写が好き。彼は、自分自身の職務に忠実なだけなのか。孤独死を「理不尽」と捉え、家族の意義を取り戻すべきと信じての行動なのか。その答えらしきものは、最終節で暗示されます。原作はどーだか知らんけどw
無縁仏として骨壺を持ち出す職員に必死に食らいつく牧本。蕪木の精肉工場での抗議の話に感化された「恐ろしく察しの悪い」彼は、より大胆に、かつ秘密裡に抗議をテロ化して実行します。食器を使って食事をする牧本。料理は、北海道を思い起こさせる鮭のちゃんちゃん焼き。塔子に墓地を譲った牧本。塔子が好きだと言う、ハクチョウの姿を捉えるために銀塩フィルムのカメラを購入。
調べ尽くした蕪木と言う男への共感なのか。牧本は塔子に好意を抱いたのか。最後の1件に、人生の全てを奉じても良いと思ったのか。私費で葬儀を上げていた牧本の信念は、最後の最後に実を結びます。彼自身が入る事は無かった、墓所の前で。
あー、これは原作読みたくなったw
良かった。
かなり。
と言うか、最後が惜し過ぎる。
個人的な好みの話だけどw
★が甘めなのは、役者さんが漏れなく素晴らしかったからです。
今晩は。
今作は仰る通り「おみおくりの作法」のリメイクですが、主人公がエディ・マーサンから阿部さんに変わるだけでここまで印象が変わるかなと思った作品でした。
佳きリメイク作品だと思いましたね。
それにしても、ここに来て三作連続で骨壺が出て来るとは・・。
今作、「川っぺりムコロリッタ」「マイ・ブロークン・マリコ」・・。
ウーム。彼岸だからでしょうか・・。では、返信は不要です。
(余計な事ですが、私は健康年齢90歳を目指しております。生き抜いて、生き抜いて、出来れば濃密な100歳人生を目指しています。”大丈夫か、俺?あと、半世紀以上あるけど・・。”)