「【”Remember Love ”恋人を大切にする、親は子に溢れる愛情を注ぐという当り前の事を思い出させてくれた、時空を超えた切なきラブストーリー。時間を行き来する、物語構成も佳き作品である。】」月の満ち欠け NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”Remember Love ”恋人を大切にする、親は子に溢れる愛情を注ぐという当り前の事を思い出させてくれた、時空を超えた切なきラブストーリー。時間を行き来する、物語構成も佳き作品である。】
ー 今作では、”Remember Love ”が、随所で流れる。ご存じの通り、オノ・ヨーコの曲である。ジョン・レノンはその後、志半ばで凶弾に斃れたが、この曲の美しさは色褪せない・・。-
◆感想
1.二つの物語の絡ませ方の巧さ
・小山内(大泉洋)は、愛する梢(柴咲コウ)と、愛娘瑠璃(菊池日菜子)は、幸せな日々を送っている。
・どこか浮かない顔の女性(有村架純)は、三角哲彦(目黒蓮)と偶然出会った事で、明るさを取り戻していく。そして、女性は三角に苗字は名乗らず、”瑠璃”とだけ教える。
ー だが、小山内は妻と娘を交通事故で失い、三角は”瑠璃”を列車事故で亡くす。
一見、何の繋がりも感じられないこの二つの物語が、収斂していく様が上手く描かれている。-
2.生まれ変わりを信じるかどうか
・私は、輪廻転生を信じるモノであるが、今作では更に一歩踏み込んで、”子供は、親を選んで産まれてくる。”という設定がとても上手く機能している。
・更に言えば、一人の人を心から恋しながら、非業の死を迎えた場合、その思いは時空を越えて繋がれるという所も良い。
- 今作で言えば、有村架純さん演じる天外孤独だった、正木瑠璃が、自分を愛してくれた男、竜之介(田中圭)と結婚しながら、子供が出来ない事実が発覚した事で、徐々に距離が出来て行く中、三角と出会った事で、彼に救われて行く姿である。
竜之介は、自分の思い描いた通りに物事が進まないとキレる、甘やかされて育った人に多いと言われる人物として描かれているが、この愚かしき男が二つの物語を結び付けている構成も良い。-
3.恋する心の繋がりの描き方
・三角への想いを抱えながら亡くなった正木瑠璃が、小山内と梢として生まれて来るシーン。
- 梢が、小山内に”この子が瑠璃という名前にしてって、言ったの・・。”
最初はサラリと見ていたが、この言葉の重さが、後半に効いてくる。
さらに、高校生になった小山内瑠璃が親友ゆい(伊藤彩莉)に、”三角の事が頭から離れない”と告げ、キャンパスに有った事のない三角の絵を描く姿。
そして、小山内瑠璃が亡くなった後、ゆいの娘、瑠璃が、小山内に告げた数々の”知らない筈の”事。巧いなあ・・。-
<目尻に涙が滲んだシーンは数々あれど、
1.天外孤独だった、正木瑠璃が、夫との間に溝が出来て行った時に、三角と出会い徐々に笑顔が増えて行く姿。有村架純さんって、改めて良い女優さんだなあ・・。
そして、後半になって彼女の想いが、時空を越えて繋がっていく様は、沁みたなあ。
2.小山内が、母の具合が良くない事で、独り東北新幹線で故郷に戻る車中で、ゆいから”これは、小山内さんが持っていた方が良い”と渡されたビデオを車内で見返すシーン。
そこで、亡き梢が娘に語っていた事。
”実は、私の方が先にお父さんの事を好きになっていたのよ・・。ずーっと、好きですよ。”
で、迎えに来た小山内の母の介護士の娘が、小山内の顔を見て、梢と同じ指を口に当てる仕草をしながら、笑顔で小山内を見る姿。梢も又、死しても小山内の事を想い、生まれ変わっていた事が分かるシーンはもう・・。
今作は、切ないが涙を堪えるのが難しい、時空を超えたラブストーリーである。>
ご無沙汰しております。考えなく12月8日に鑑賞しました。私は有村さん苦手なので(どの映画も同じ様なキスシーンが必ずある…今回も有りました)恐る恐る観ましたが、予想よりは良かったです。特に柴崎コウさんに殺られましたf(^_^;美人オーラが消えていてとてもナチュラルで素晴らしかった。ただ、生まれ変わり云々がくどすぎて、ファンタジー通り越してオカルトになってました、残念。ところで、愛知女性映画祭の当選葉書、届きましたか?第一締切は1枚当選したのですが、二次はサッパリでした。あり得ないんだけど(>_<)