瀬戸内寂聴 99年生きて思うことのレビュー・感想・評価
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映画、ではないと思う
弔事でありラブレターであり日記であるというような、少なくとも映画ではないというか。でもやっぱり、恋文、なのかなぁ。中村監督による恋文的映画。静かな愛を感じますね。そして人間的魅力に溢れた瀬戸内寂聴さんという方は、もう本当に最後の最後までキラッキラ輝いていたんだなぁと。
別格
高そうなお肉のすき焼きやガーリックと一緒に焼いたステーキ、トンカツ、お寿司、豪華なおせち料理などガッツリ食べるし、お酒も飲む寂聴さん。
出家してもセックスをしないこと以外尼僧としての決まり事は守っていないと豪語する正直さ。
ブッダやキリストとは正反対のところにいるような気がするし、元々恋多き女、煩悩の塊のようにも見える。
だけどこの人はなんだか別格なのだ。
ありのままでいいのだ。
裕さんのことがほんとに好きなんだなとカメラ越しに伝わってくる。
裕さんに対して信頼感があるから撮れた映像だと思う。
反戦活動、原発反対活動も勇気ある表明だし、作家として確固たる地位もある。法話ではたくさんの人の心を楽にしてあげるすごい力を持っていた人だと思う。
寂聴さんお気に入りのお店には何度も行っているしこれからも時折行こうと思う。
たぶんその度に思い出すのだ、あのチャーミングな姿を。
生きる意味
色々なことがあった人生だったんだなぁ…と、人間味を感じた。
一言一言に面白さがあり、重みがあり、実際の口話を聞いてみたかった。
生まれるときも、死ぬ時も一人……
何歳まで生きようと、生きることに満足してから逝きたいなと思った。
ひとことReview!
生き様、99年も生きてきた長生きの秘訣、亡くなる直前の思いなど、人生について考えさせられる。ただ私のような保守派にとっては、反戦主義に走ったのは頂けない。
【情熱を持って、99年間を生きた稀有な女性の真の姿を、17年間に亘り取材し、最後は彼女にとって、大切な存在にまでなった監督が映し出した、ドキュメンタリー作品。】
ー 故、瀬戸内寂聴さんは、ユーモア溢れる言葉と、戦争反対を唱えハンストした気骨ある女性作家であり、僧侶だと思っていた。
だが、このドキュメンタリー作品を観ると、一人の情熱溢れる女性であり、波乱万丈の生き方をされた方だと知った。-
◆感想
・一番驚いたのが、80歳を超えても、ステーキ肉、トンカツを嬉しそうに口にする姿である。健啖家として、彼女はこのように言っている。
”肉を食べないと、脳が働かないのよ・・。”
・最晩年はコロナ禍をあり、活動を自粛していたが、その前までの車椅子に乗って、国会前などで戦争反対を訴える姿と、その言葉の重さ。
・説法に来た数々の女性達に掛ける、菩薩の様な微笑みを浮かべて応える言葉の素晴らしさ。
ー 東北大震災で、夫を亡くした女性に掛ける、“貴方の傍には旦那さんがいるの。だから、泣いていては駄目。旦那さんが、心配してしまうわ・・。”という言葉。-
・時にユーモアも忘れない。姑と上手く行かないと悩む女性に掛ける言葉。
”確実に、姑の方が先に逝っちゃうんだから、相手にしなければ良いですよ。”
■そんな、瀬戸内さんが、今作の監督である中村祐さんにだけは、一人の女性として悩みや体の不調を訴え、時に泣きじゃくる。
そして、監督を”裕さん”と呼び、彼の私生活を気遣う姿は、恋人か、母親の様である。
<瀬戸内寂聴さんの著作は、瀬戸内晴美名義も含めて、恥ずかしながら読んだことが無い。
只、一時期、彼女の恋人と噂された、井上光春氏の著作は好きであるために、彼女の男性遍歴や、出家した事は知ってはいたが、ここまで稚気溢れる且つ聡明で心優しき女性であったとは・・。
謹んでお悔やみを申し上げるとともに、このドキュメンタリー作品の素晴らしさも、併せて記させていただきます。>
<2022年7月31日 刈谷日劇にて鑑賞>
99年のうち最後の17年が中心です
コロナ収束後の希望リストに「寂聴さんの説法を聞く」というのを入れていましたが、叶わず残念無念。
今回「99年生きて〜」とあったので私が生まれる前の若々しい寂聴さんにも会えるのかと思いましたが亡くなる前の17年間のドキュメンタリーでした。
ですがこれまでテレビでは正装で説法を説く姿ばかりを見ていましたが、食事をする姿、景色を眺める姿、笑う姿、泣く姿、などなど予想以上に多様な姿がカメラに収められていました。
直接説法を聞くことは叶いませんでしたが、寂聴さんの遺した姿と言葉に触れることができて幸いでした。
心の中で、スクリーンに向かって別れの挨拶をしてきました。沢山の勇気をありがとうございました。
ご冥福をお祈りします。
ドキュメンタリーを映画として観るには
ドキュメンタリーを映画として観るには余程熱烈なファンかその人のとてつもない生きざまがなくては観れないことがよーく分かりました。若いときは色々あったけど、今は毎日のように贅沢な食事にありつけ幸せな生涯でした。って事かな?ご逝去される5年位からはディレクターとのやり取りもいつ死ぬかや早く死にたいなどの話で退屈してしまい、こちらも夢心地。映画としては成立しない内容でした。ご冥福をお祈り致します。
人は歳をとったら老人になるのではない。情熱の前に年齢は消える。
「50、60花ならつぼみ、
70、80は働き盛り、
90になって迎えが来たら、
100まで待てと追い返せ。」
との法話を禅宗の高僧から聞いたことを覚えている。
寂聴さんは51歳の出家以降、まさにこれを地で行く
ように、人生を痛快に生きられた。
映画鑑賞後、感動のあまり、(寂聴さんと同じように)
肉が食べたくなりレストランに直行、ステーキ300g
をたいらげた。
リアルドキュメンタリー
波乱万丈の寂聴さん、強さ、優しさ、女性の可愛らしさもあり、ステキな女性ですね。甘えたり、泣いたり、そういう貴重な一面も垣間見れたのがよかった。お空の上でどんな思いで、何に情熱を注がれているのでしょうね。わたしも何かに努力しながら情熱を燃やせる何かを探して頑張ろうと思った。やっぱり仕事しか、ないかも。
人生
なぜだか瀬戸内寂聴の話を聞きたくて行ってみた。
まわりは年配の人ばかり、女性が多かった。
映画というよりドキュメントだったが、吸い込まれるように話を聞いていた。
やはりいろんなことが共感された。
すごくかわいく、人間らしく、いろんなことに死ぬまで悩んでいたのが心に響いた。
51歳から出家して、約半分の歳を尼として過ごして、でも、幸せな人生を過ごせたのではないかと思った。
いま、寝る前にYouTubeで瀬戸内寂聴の話を聞いて寝落ちしている。心が、なんだか求めてる。
ドキュメントの真骨頂を見せてもらった映画
これぞドキュメントという物を見せてもらった。彼女は昨年亡くなったが20年前から彼女に密着していた監督の手腕、熱意が彼女に本音を引き出すまでに至るぐらい素晴らしかった。彼女が99歳まで生きてこられたのは食欲と熱意。これが続く限り生きてこられたのだろうなと痛感した。興味があったのは新型コロナ禍の時の彼女の生活。講話はなかったが魂は失っていなかった姿を知ることができた。ただ、体の言うことが聞かなくなった現実も知った。見事な内容。文句なし。ドキュメントファンはおすすめです。
人を愛し、何にでも挑戦してみようという気になる
2021年11月に99歳で亡くなった作家で尼僧の瀬戸内寂聴のドキュメンタリー。
夫と子供を残して家出、駆け落ち、妻子ある男性との不倫、三角関係などを経験し、自らの体験を私小説で発表し、バッシングを受けながらも、作家として瀬戸内晴美は地位を確立した。51歳で出家してから寂聴と名前を変え、僧侶と作家として、コロナ前の2020年1月まで毎月一回行っていた法話には全国から人が訪れるなど人気を集めた。人生を楽しむ彼女の生きざまを通して、いかに生き、老いていけばよいかという事を知る作品。
17年間にわたり瀬戸内寂聴に密着して撮影を続けた中村裕が監督で、寂聴から裕さんと呼ばれホントに親密な関係を築いてたんだと解る。
恋はした方がいい、岐路に立ったら安易ではない方を選ぶ、などこれからの生き方の参考になる言葉も多かった。
天真爛漫の寂聴と晴美の違いは何か
生きるのことを愛と言った我が儘で自己中の晴美と
末期の眼を感じた寂聴の違いだろう。
それは作家になる為にがむしゃらに生きた晴美と
出家により性欲を断ち切った僧侶としての生き様の
両面を日常としている女将であろうか?
中村監督が出会うのは少し遅すぎたようで油が抜け過ぎていた。
コロナ禍により出番がなくなり、エネルギーを燃焼することが少なくなり残念な末期となってしまた。
あんな風に生きたい
2022年5月15日
映画 #瀬戸内寂聴99年生きて思うこと (2022年)鑑賞
瀬戸内寂聴さんが、1922年5月15日に生まれて、丁度生誕100周年のこの日に試写会を開催するとは・・・忘れられない映画となりました。
1人でいることに意義を見いだせそうです。
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました。
(先行オンライン上映会という事情もあるので)ボリューム少なめで。
今年140本目(合計414本目/今月(2022年5月度)17本目)。
コロナ事情も「一応」今はおちついていますが、まだまだ映画の試写会といえばリアルのものとオンラインのものがあり、こちらは2週間先の映画の先行オンライン上映会(抽選制)でした。当選しましたのでこちらに。
このように先行上映会という場合ネタバレを防ぐのが普通ですが、ここでも紹介されている通り、事実上のドキュメンタリー映画で、人生観がどうのといった話に少し寄る(仏教的な考え方はあると有利かも?)ものの、ネタバレも何もそういう観念が想定できないような気がします。
こちらのオンライン先行上映会では、そのあとにミニトーク(25分ほど)がついていたのですが、こちらも今回の(どうも、日本では最速だった模様)先行上映会について、どのように考えるか、個人の色々な考え方があるろうかと思います、という扱いです(ドキュメンタリー映画ですが、解釈を1通りに定めるのは多分無理。10通りもあるとは思えませんが、2つ3つという筋が考えられます)。
コロナ事情もやってきた令和にもなると移動(や、今(2022年)現在の表記で)ご遺族の方)の移動にも制限がかかったのは周知の事実ですが、4時代(大正~令和)を生きてきたこの方の人生観がドキュメンタリー映画として描写されていて、決して「派手な」映画ではないですが(おそらく、正規の公開日もミニシアター中心?)、「生き方に迷ったときに見る映画」のタイプなのかな…というところです。
特に採点にあたり減点対象にすべき点がないので、フルスコアにしています。
※ 公式HPなどから事前に価値観、人生観などの情報を得ていると、理解がしやすくなるのでは…とは思えます。
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