「軽めの内容なのかな、と思ったら…、な一作」三姉妹 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
軽めの内容なのかな、と思ったら…、な一作
ポスターのデザインから、韓国の三姉妹が繰り広げるコメディータッチの映画なのかなと思っていたら、時には露悪趣味ギリギリな描写も含む、結構ハードな作品でした。
確かに場面によっては笑えるには笑えるけど、あまりにも状況が衝撃的あるいは悲惨なため、むしろ笑うしかないと言う方がより適切かも。とは言っても、そんなに後味が悪い映画ではない(いくつか気になる場面はあるけど)ので、あまり鑑賞前に身構える必要はないと思います。
冒頭に登場する、過去が現在なのか、現実なのか幻なのかも判然としない映像の意味が明らかになり、それまで境遇も互いに対する想いもバラバラであるかのように見えていた三姉妹の関係性が一気に変化すると言う、物語上の大転換がとても見事で、そこから一挙にクライマックスになだれ込んでいくスピード感も素晴らしかったです。
しかしすっきりしない部分もあるのは確かで、特に次女のあの振る舞いは、どう好意的に捉えても擁護できないのでは…、とかいくつか気になる点が残り、鑑賞後も色々と考えてしまう作品でした。
3人の主演俳優はいずれも素晴らしい演技でしたが、一見もっとも地味で感情の起伏の乏しいヒスクを演じたキム・ソニョンのクライマックスの演技はまさに圧巻。そのあまりの迫力に、ここでもまた笑うしかないのでした。
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