三姉妹のレビュー・感想・評価
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最後の開放感に涙
長女は夫の借金を返済するために働く毎日、次女は教会に通い、聖歌隊の指揮者を務める優等生。高級マンションに暮らしていて何不自由ない生活のはずなのに、夫には浮気される。三女は売れない劇作家で酒浸り。それぞれの抱える事情は陰惨できつい。彼女たちの実家もまたきつい。父の誕生日に久々に帰省した3人は、それぞれの心の傷と向き合う。なかなかに救いのない、ヒリついた物語なのだけど、最後の解放感は強靭な感動がある。問題が解決したわけでもないのに、このさわやかさはなんだろう。彼女たちのきつい現実はこれからも続くのに、でも3人が力を合わせれば、なんとか乗り切っていけるんじゃないかという希望がみなぎる終わり方だった。
わりとようしゃなくきつい現実を見せてくるのに、苦しくなる人もいると思うけれど、そんな人こそこの映画を観てほしい。苦しんでいるのは1人じゃないし、きっとどこかに救いはあると、説得力を持って描いている。
家族、姉妹という切っても切れない鎖と絆
この映画をうっかり甘く見てると、ふとみぞおち辺りに重い一発を喰らわせられるから注意が必要だ。物語の中央には、各々が結婚し今ではすっかり中年期を迎えた三姉妹がいる。性格は全く違うし、歩んできた人生や経済格差もてんでバラバラ。そんな彼らが日々の悩みや苦しみを抱えつつ、やがて互いに誘い合って帰郷することで、運命はうねるように本流へ注ぎ込むーーー。特筆すべきはその落ち着いた語り口だろう。カメラは序盤から決して先回りすることなく、あくまで三姉妹それぞれの目線と呼吸に立って、堅実に感情を捉えていく。それでいて、いつしか一つの真相が明らかとなる時、例えば三人の性格、抱えている悩み、幼い頃の思い出話といった作品の端々に、ある種の手がかりらしきものが埋め込まれていたことにハッとさせられるのである。切ろうとしても断ち切れない家族という名の鎖。その希望と絶望と、常に差し込み続ける眩い光を描いた、重厚なる怪作だ。
三姉妹のつながり
同じ家庭で育ち、同じ物を食べてきたのに、性格も違えば、大人になった現在の家庭環境もそれぞれ異なる三姉妹。
でも、思い出は共有しているし、絆で繋がっている。
よくわかります、私も三姉妹なので。
大変な生活は続いていくように思いますが、三人の笑顔に救われました。
感動はなかったが強烈 時々怖い
三姉妹が力を合わせて生きていくような物語かと思ったけれど大違い。
人間誰しも悩みや問題を抱えて生きてると思うけれどこの3姉妹は個性も強烈であれば抱えている問題も結構きつい。
韓国映画やドラマに良く出てくるギャアギャアわめくシーンは多いし、
観ているのがつらいシーンも出てくる。
3人姉妹だけでなく4人兄弟で連れ子が2人。モノクロシーンで次女と三女が裸足でなぜ必死に走っていたのかが後でわかるが観るのもつらいシーンだった。
3人の性格もそれぞれの旦那も皆、全然違うキャラクター。
うまく成り立っていたなあ。
確かに抱えている問題は何一つ解決せずエンディングを迎えているが子供に関しては良い方に進みそうな予感がした。
長女の娘が誕生会に参加したのにはびっくりしたし、次女の娘はお祈りすると約束したし、三女の息子は父親に殴られたときに母親(継母)が止めに入り父親にまたがってどつき回したのを観て母親の気持ちがわかったと思う。次回の参観は継母に頼むだろう。
残された問題がどうなっていくのか続編を見たいのは自分だけだろうか?
新興宗教とはどうなったのか?離婚問題はどうなったのか?脚本はできたのか?
それにしても親父はどうしようもない奴だった。
一番、期待が持てそうなのは三女ミオクの家庭か?
ただ、ミオクの料理だけは心配である。
どこか偽善的に見える主人公
ムンソリ扮する敬けんな信者であるチョンミヨンは、家族4人の家庭も平和に聖歌隊を指導していた。
韓国物の割にあんまり面白くなかったね。妹がヒステリックだったりどこか偽善的に見える主人公だったり。場面の展開も分かりにくかったな。 落ち着かないし。姉は電気すらつけてないし。なんちゅう三姉妹かな。最後まで観るのは苦痛だったよ。
韓国・ソウルに暮らす三姉妹。 ミヨン(ムン・ソリ)は次女。熱心なキ...
韓国・ソウルに暮らす三姉妹。
ミヨン(ムン・ソリ)は次女。熱心なキリスト教系宗教の信者で、大学生の夫、一男一女に恵まれて、高級マンションで裕福な暮らしをしている。ただし、信仰熱は度が過ぎているようで、第一次反抗期を迎えた幼い娘からは日常、抵抗・反抗されている。
長女ヒスク(キム・ソニョン)は、別れた夫の借金を返済しながら、小さな花屋を営んでいる。客はほとんど来ない、ハイティーンの一人娘からも疎まれていて、日々の暮らしは暗い。
三女ミオク(チャン・ユンジュ)は劇作家だが、あまり売れていない。酒浸りの毎日だが、夫が人が好いのがせめてもの救い。夫の連れ子・ハイティーンの息子とは当然のことながら上手くいっていない。そして何かとミヨンに用もないのに電話をかけてくる・・・
といった物語で、それなりに幸福そうにみえた二女ミヨンにも夫の浮気が発覚し、徐々に暗い影をおとし、終盤へと突入します。
クライマックスは父親の誕生日祝賀の席。
引きこもりだった末弟も参列するのだが、大騒動になってしまう。
それもこれも父親の過去の悪行による。
熱心なクリスチャンだった父。
けれども、酒癖は悪く、女癖も悪い。長女と末弟は妾の子どもだったころもあり、しばしば暴力をふるっていた・・・
ミヨンは宗教二世、彼女の子どもたちは三世になるわけだ。
救いのない家庭でそだった姉妹と弟たち。
ズタボロ三姉妹、ズタボロ四姉弟。毎日が修羅場。
韓国映画特有のとてつもない熱量を感じる映画なのだけれど、個人的には小津安二郎監督『東京暮色』を思い出しました。
それにしても、現在はどうかはわからないが、30年ほど前の韓国の、家父長制度と女性蔑視の社会が、沸々と湧き上がる後半は、驚かされましたね。
三姉妹を演じた女優陣は、いずれも好演です。
三姉妹、、、弟もいたのね
都会でそれぞれ暮らす三姉妹。3人とも性格は違う。いつも自分に自信のない長女ヒスク。シングルマザーで元夫の借金を返しつつ娘と上手くいかずガンを患い、なかなかの幸薄。次女ミヨンはお金にも困らず一見幸せそうだが、夫は浮気している。三女ミオクは酒浸りの脚本家。3人とも完璧な人間ではなく、観ていて親しみを感じる。ミオクは中学生の男の子を預かっているのだが、その経緯がよくわからない。いつも酒浸りでイライラして、家は散らかり放題ご飯も作らない。そんなところに何故子供を預けることになったのか?その子も恥ずかしいからと学校の保護者会にはミオクではなく実母を呼ぶ始末。それを知って学校に乗り込みワアワアと捲し立てる。ミヨンに会いに行けば、お菓子をクチャクチャ食べながら平気で姉の知人に握手を求める。あの態度はミヨンとしたら恥ずかしいだろう。人の都合も考えず、大した用事でもないのに電話してきたり。まあ、ミヨンも今は忙しいからと断ればいい事だけど。
3人の父親の誕生日に集まることになり、そこで初めて弟登場。あら、4人兄弟だったのね。で、この段階で初めてこの三姉妹と弟の幼少期が、悲惨なことがわかる。父親の虐待。誕生会でのシーン、弟の驚きの行動で事態は最悪に。いつも冷静なミヨンもキレた。父親に私たちに謝って、と訴えるが父親のとった行動は、、、素直に謝ることはできないんだなあ。
ヒスクが、勿体無い、大丈夫だから食べよう。という場面は笑いどころ。
ヒスクと弟はいつも一緒に父親に虐待されていたようで、大人になって、とんでもない行動をした弟をかばっている。
三姉妹、常に誰かにイラついたりしながらも愛情があり、心配をして、気にかけている。それぞれ抱える問題は深刻だけれど、なんとか乗り越えて、いつまでも仲良くいてほしい。
久しぶりにグロ、怖っではない心臓に優しい韓国映画だった。
昨日鑑賞2本立て2本目。韓国🇰🇷を知れ! 三姉妹それぞれの家庭の壊...
昨日鑑賞2本立て2本目。韓国🇰🇷を知れ!
三姉妹それぞれの家庭の壊れっぷりがすごい。そこにはやはり宗教も色濃く影を落とす。
しかしそこで黙ってはいないのが韓国女性だ。日本では考えられない反応、対応が衝撃でめちゃ面白い。
終盤、三姉妹集結。その衝撃度は3乗される。すごいぞ。
ラスト、なんかほんわかで終わるが、よく考えるとほとんど問題は解決されてない(笑)怖い!
エンドソングの歌詞がまた衝撃!
さあ、韓国🇰🇷を知れ!
【幼き頃の父親のDVにより、傷ついた三姉妹の再生の過程を、三姉妹の個性を鮮やかに描きつつ、描写した作品。】
■韓国・ソウルに暮らす三姉妹。長女・ヒスク、次女・ミヨン、三女・ミオクの3人が揃うことはほとんどないが、父親の誕生日会のために久しぶりに帰省し、一堂に会することに。
牧師さまも同席し、祈りがささげられる時、思いも寄らぬ出来事が起き…。
◆感想
・三姉妹。長女・ヒスク、次女・ミヨン、三女・ミオクのキャラ立ちが良い。
・しっかり者の長女ヒスク。別れた夫の借金を返済しながら、反抗期の娘を女手一つで育てている。
・大学教授の夫を持つミヨンは、夫の浮気を知りつつ、エリート生活を謳歌している。
・三女のミオクは、劇作家であるが、仕事は順調ではなく、酒におぼれる日々を送っている。
<長女、次女、三女のキャラがしっかりと立っており、夫々が抱える問題の虚実の描き方が秀逸である作品。
父親の家庭内暴力が、長じてからも三姉妹に与えた影響は、観ていて辛い。
VDが及ぼす影響をリアルに描き出した作品である。>
痛々しくても 悩み苦しんでも…三姉妹diary
見てたら2本の是枝裕和監督作品が思い浮かんだ。
まず、『海街diary』。同じ姉妹の物語。が、あちらのような美人姉妹たちが織り成す様をずっと眺めていたいようなものではない。
それから、『歩いても 歩いても』。集った家族の内に抱える複雑な感情が炙り出されていく。
本作はさらに、辛辣と殺伐と…。
ソウルでそれぞれの生活を送る三姉妹。
長女ヒスク。花屋で働きながら、元夫の借金を返し続けている。娘からは邪険にされている。
次女ミヨン。裕福なマンション暮らしで、熱心なクリスチャン。子供たちにも厳しく、夫の浮気が発覚し…。
三女ミオク。劇作家だがスランプ中で酒浸りの自暴自棄。夫の連れ子との関係も拍車をかける。
それぞれの生活の中抱える悩み、問題、苦しみ…。
はっきり言って、いずれも共感出来なかった。
寧ろ、それで良かったかもしれない。狙いかもしれない。
そうする事で、それぞれが抱えるものが鮮烈に浮かび上がる。
生活は苦しく、娘から邪険にされるヒスクの姿は痛々しい。
食前の祈りをしない子供を叱ったり、何処か人を寄せ付けないミヨンは怖くもある。
四六時中飲んで食べて、時には嘔吐。乱れた生活の上、周囲に大声を上げて当たり散らすミオクはいらいらする。
時々見てるのがしんどくなったり、嫌になったほど。
その共感に至らない感情が、終盤には意味を成す。
何故この三姉妹は、悲しみや苦しみなど負の感情の中をのたうち回る…?
家族のある過去が関係し…。
電話ではちょくちょく連絡取り合ったりしているが、同じ市内で暮らしているのに、直接会う事は少ない。
会うと思い出してしまうからだろう。
父親の誕生日。それぞれの家族も含め、久々に一堂に会する事に。
穏やか祝福ムード…いや、端からピリピリしていた。
そしてある事をきっかけに、抱え込む胸の内、今尚引き摺る所以の過去のトラウマが吐き出される…。
韓国は今も家父長制と言われる。それを扱った作品も多い。
三姉妹が幼い頃は尚更。
父親は絶対君主。逆らう事、歯向かう事すら出来ない。例え暴力を振るわれても。
三姉妹の下に弟が一人いる。ヒスクと弟は腹違い。父親から受けた暴力で、身体中痣だらけのヒスクと弟が抱き合ってる痛ましい姿…。
ミヨンとミオクは助けを求める。が、父親を通報するなんて!…と叱責を受ける。
誰も助けてくれない。父親に従え、寧ろ悪いのはお前たち子供とでも言うかのように…。
三姉妹が生きていく中で選んだのは…、
“フリ”をする事。
そうやって逃げ、隠れ、偽って生きていく事を選んだ。
そうしていれば、安全。何事もなく生きていける筈。
大丈夫なフリ。
完璧なフリ。
酔ってないフリ。
しかしそれは、静かに暮らせるどころか、より一層自分で自分の首を締める結果に。
あの時からずっと、息が詰まるような、幸せなど訪れた事無いような、自由なども無い閉じ込められたような人生。
その元凶である父親。古めかしい封建的な家族体制、そんな社会全体…。
もうあの頃と同じじゃない。
社会も家族の姿も私たち個人も変わろうとしている。
自分の意を、堂々と発言する事だって出来る。
父親からの謝罪の言葉が聞きたい。
ヒスクがすぐ謝る弱々しい性格になったのも、ミヨンが家族に対し厳格な性格になったのも、ミヨンが“逃げ”に走る性格になったのも、幼少時のトラウマから。
今家族との関係が不和なのも。
さらにヒスクは癌。父親から暴力を受け、不幸な人生を送り、このまま悪ければ死ぬかもしれないなんて、酷すぎる。
私たちをこんなにした父。
謝って!
謝ろうとしない父。今尚根強く残る韓国の家父長制を反映する。
母ヒスクを嫌ってた娘から発せられた言葉は意外なもの。
ミヨンがぶちまけた本音は衝撃なもの。
他人同士以上に、家族間の修羅場を見せ付けられるのは堪える。
が、そうやってしか癒す事の出来ない傷もある。
支え合って、思い合ってだけじゃないのも家族の姿。
ぶつけ合う事でしか分かり合えないのもまた家族の姿。
韓国の映画賞を総ナメにしたという女優たちの名演は迫真。
次女ムン・ソリのさすがの存在感。
下品な食べ方もいらいらさせる三女チャン・ユンジュも巧み。
妹二人に対し長女キム・ソニョンは控え目だが、かえってそれが悲哀を感じさせる佇まい。
見事なアンサンブル!
それらを捌き、苦悩や悲しみをまじまじと見せ付け、淡々ながらも実はヘビー級で、各々の描写から修羅場のクライマックスへと至っていく。
イ・スンウォンの演出力と脚本が光る。
名匠イ・チャンドンが絶賛。確かにこのヘビーな人間ドラマの雰囲気、同監督に通じるものがある。
三姉妹の会話の中でよく上がるのが、子供の頃の記憶。
いつぞや海辺の食堂で食べたホヤ。その味。その場所。
今も覚えてるような、忘れたような…。
ラスト、三人で赴く。
過去と向き合ってきた三姉妹の、過去への帰還のように感じた。
辛く、苦しい事ばかりだった過去。
そうじゃない記憶もある。
今やっと、行ける。
これから先、どんな人生がやって来るか分からない。が、
ラストの三姉妹の佇まいには、解き放たれた自由と射し込む希望が見えた。
ヘビーなだけの作品ではなかった。
韓国の三姉妹から、今を生きていく人々へ贈るエール。
暗く重い内容で何も解決してないのに、見終わったあと爽やかな希望が見えた。
口ゲンカぐらいはするけど三姉妹は仲良しだと思う。だから彼女達の悩み・苦しみ・問題は何も解決してないのに、この先もお互いに頼り頼られながら何とかやっていくんだろうという気がする。最後の海岸の場面でそう思った。この場面で爽やかな希望がが見えて救われた気がした。
最初は三女が1番ダメなやつだと思ったが、スランプで酔っぱらってくだ巻いてるだけだ。アル中ではないし、3姉妹で1番ちゃんとしてると思い直した。義理の息子は嫌がってたが、三女なりにイイ母親になりたいのだ。ただどうしたらいいか分からなくて、色々と空回りしてしまっているように思えた。
2022/8/25(木) ⛅ 吉祥寺 アップリンク
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三姉妹とタイトルに謳ってあるのに序盤は人間関係を掴むのに苦労した。「陽性反応」が妊娠検査薬?コロナの抗体検査?などと色々想像してしまったこともあったが、どうしても次女ミヨン(ムン・ソリ)が長女っぽいしっかり者に映ったからだ。その謎は終盤に解ける。
封建的な家父長制が残る田舎だとか、児童虐待の問題も絡んできて彼女たちの複雑な人間模様が重苦しくのしかかる。彼女たちの子どもについての感情や行動もそれぞれ違っていて面白いし、自立の中の孤独がいっそう浮かんでくるのです。
最も興味深かったのは三女ミオク(チャン・ユンジュ)。周りからはなぜ子連れの夫と結婚したのか?と問われながらも脚本の仕事に精を出す。よくある作家のスランプものへと展開するかと思いきや、母親(継母)としての責務に目覚めていく。ちょっとファンキーな生き方。ファンキーといえば、長女ヒスクの娘ボミのエピソードも面白い。血のウンチって何だよ?!
三姉妹が故郷で集まり、もう一人の存在がクローズアップされる。弟もいたのか?!というところで大波乱。長女ヒスクと弟が異母姉弟であったことと児童虐待の事実。そして、裕福そうなミヨン家族も浮気が原因で破綻していく様子。どんだけ酷い夫やねん!そして、弟の気持ちが痛いほど伝わってくるのだけど、もうちょっと彼の過去も知りたかったな。
家父長制の闇、宗教、家族愛…
前夫の借金返済に追われ、なおかつその前夫が金をせびりに来る。そのため常に金に困っている長女。大学教授の夫を持ち周囲が羨む高級マンションを新居とした次女は、敬虔なキリスト教信者で教会の聖歌隊の指揮者を務める。三女はアル中の劇作家で、中小企業の社長の後妻となるが夫の子供に軽蔑されている。
一番順調に生活しているように見える次女の夫が、聖歌隊の大学生と不倫関係に陥ると、それまで気品ある貴婦人として振舞っていた次女に変化が…。
教会の清らかな教えに従順な人間でも暴力は振るう。酒癖の悪い父親の虐待が、3姉妹の特徴に結びついてくる。常に怯えている長女、教会の教えに頼ることが最善と考える次女には、父親に似た暴力性が現れる。三女は父親の虐待から守ってくれた次女に頼り切る。
そして、迎えた父の誕生会で事件が起きる。複雑に絡み合った鬱屈が爆発する。それでも…生きていくしかない。何も解決していないし、解決する見込みも見えない。それでも、久しぶりに会った三姉妹は笑顔で写真を撮る、食べる、はしゃぐ。彼女たちの生活に存在する影を吹き飛ばす爽快感がスクリーンから溢れる。
家父長制の闇、宗教の限界、儒教的価値観の行き詰まり…そこにはリアルな韓国があった。
軽めの内容なのかな、と思ったら…、な一作
ポスターのデザインから、韓国の三姉妹が繰り広げるコメディータッチの映画なのかなと思っていたら、時には露悪趣味ギリギリな描写も含む、結構ハードな作品でした。
確かに場面によっては笑えるには笑えるけど、あまりにも状況が衝撃的あるいは悲惨なため、むしろ笑うしかないと言う方がより適切かも。とは言っても、そんなに後味が悪い映画ではない(いくつか気になる場面はあるけど)ので、あまり鑑賞前に身構える必要はないと思います。
冒頭に登場する、過去が現在なのか、現実なのか幻なのかも判然としない映像の意味が明らかになり、それまで境遇も互いに対する想いもバラバラであるかのように見えていた三姉妹の関係性が一気に変化すると言う、物語上の大転換がとても見事で、そこから一挙にクライマックスになだれ込んでいくスピード感も素晴らしかったです。
しかしすっきりしない部分もあるのは確かで、特に次女のあの振る舞いは、どう好意的に捉えても擁護できないのでは…、とかいくつか気になる点が残り、鑑賞後も色々と考えてしまう作品でした。
3人の主演俳優はいずれも素晴らしい演技でしたが、一見もっとも地味で感情の起伏の乏しいヒスクを演じたキム・ソニョンのクライマックスの演技はまさに圧巻。そのあまりの迫力に、ここでもまた笑うしかないのでした。
分からん
ダメだったなーー
好みだと思うけど
私には受け付けなかった
3人とも、誰にも共感できず
3人の間の幼いときの思い、それぞれが抱えてきた苦しみも分からないでもないが、、
それでも
終わりも、そんな??それでいいの??と
汚さもどうも気になり
そう思わせるのが狙いだろうから、それは当たりなんだろうけどね
私は潔癖でもなければキレイ好きってこともない
それでもなんていうのか、部屋だったり、食べ方だったり、癇に障る汚さ
前評判ではもう少し違う感じかと思ってた
残念
いっそのことエンディング曲はデスメタルで良かった。
韓国から届いためっちゃめちゃクセの強い三姉妹の物語です。正直、この三姉妹に終始イライラします。最後の最後にちょっとほっこらしますけど、途中で何度も心が折れそうになりました。
もうほんまに誰にも共感できず、三人揃ってこんなにも人をイラつかせるってよっぽどの環境で育ったんやなと思ってたら、まさにだいぶ問題ある子供時代でした。それは当時の時代背景も含めて問題ありということです。いや、でもそれにしてもなんで三人共ここまで酷い人物像にしたのか。
特に小説家で呑んだくれの三女が性格悪すぎるし、文化の違いがあるのは重々承知の上で、食べ方が汚なすぎる。食事シーンはもはや内容どころではなかった。なんであんな優しい人と結婚できたんか不思議。そら義理の息子あんなオカン嫌やわ。
容赦はない。救いはあるか?
久しぶりに、容赦ない韓国映画を見たような気がする。
ガサツだけれども気はいい人、意地悪ばかり言うけど根は優しい人といった、多くの映画やドラマに登場し、観る者に刺激と安心感を与える人物とは明らかに異質な三姉妹(とその家族)。まるで、観る者の〝感動したい・共感したい〟という欲望に抗うかのように、この映画は〈どうしようもない人々〉の愚行を次から次へと映し出していく。そこから生じる緊張感、痛々しさが最後まで持続する。
しかし、この映画は単なる露悪的な映画ではない。三姉妹の〈どうしようもない〉愚行の根源に家父長制の暴力がある事を浮上させる。「82年生まれ、キム・ジョン」は男性中心主義社会による女性の抑圧がテーマで、そこでは女性は基本的に被害者であった。それは見え難くされている女性の被害を可視化する適切な表現だったと思う。一方で、本作は、家父長制の暴力が被害者を加害者にしたり、トラウマから被害者が自分と周囲に絶大なマイナスの影響を与えていく様を執拗に描いている。しかも、そのことがわかったとしても、三姉妹の性格が変わるわけでも人生がやり直せるわけではない。しかし、「それでも、、、、、」という願いのような思いが湧いてくるエンディングになっている。
ここまで〈どうしようもない〉人々を、それでも否定しない(むしろ肯定している?)、この映画に感銘を受けた。
全45件中、1~20件目を表示