リボルバー・リリーのレビュー・感想・評価
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不死身のリリ-と最弱陸軍! 弾丸は永遠に!
!たいふうふいた! 今日は自宅待機っすね。
この前、「リボルバ-・リリ-」観に行ったんよ。
”リボリバリリ-”に一瞬見えて 何て”リ”が多いのかとww
それは置いといて。
監督に行定勲さんですね。久しぶりかつアクション映画っていうことで素直に驚きです。
・小曽根百合(メイン)役:綾瀬はるかさん
今回は凜々しい面立ちでやってますね。しかし銃をバンバン撃つには腕が細いと思う。白過ぎかな。顔を汚すケガ場面が無かった。そこが残念かも。どうしても彼女が秘密機関の最高の女殺し屋スパイには思えないな。優しさが出ていて その辺りは無理な役どころと思う。
・細見慎太(細見欣也の息子)役:羽村仁成さん
ジャニーズさん投入が何で?の思い。でも配役に違和感はないかな。ちょっと丸顔過ぎな感じする。良いところのお坊ちゃまのイメ-ジ何だろうねきっと。
・岩見良明(元海軍・弁護士)役:長谷川博己さん
存在感は良いとして、最後の海軍前の戦いで弾薬荷台に乗っけてバイクで疾走は 正直ワロタ。あそこ車じゃないんや。バイクってのが大正感あるねぇ。結局百合のことスキなんやん。乙です。
・那珂(奈加)(百合の仲間)役:シシドカフカさん
本職バンドのドラマ-さんですが、役者としても目線が良い感じです。出過ぎずそれでいて 前に出てて、存在感が確りしてる。良い役どころと思いますね。背丈があるし今後の活躍も期待大。いつか 冨永愛さん、菜々緒さんらと共演して貰いたいかも。凄腕の剣術師役で闘う場面が観てみたいな。
・琴子(百合の仲間)役:古川琴音さん
若いけどクセスゴ~っていう面立ち。潜入スパイ役とか諜報活動役に向いてそう。銃の扱いは無理あるね。死なずに済んだのが奇跡と思う。
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良い所と、何でやネンと思う場面:
①やっぱり店に陸軍一派が攻めてきての攻防戦かな。
そこの戦い自体は良かったと思う。中々のアクション。奈加の二階から飛び降りて撃ちまくって走り込むところは良かった。後ろ追いでカメラ回しててゾクゾクしたわ。今作 もっと後ろ追いでカメラ回したシ-ンあったらもっと楽しめたと思うね。
コノ場面を 台無しにしたのが 子供が泣きながらノコノコ出てくる所。アレはあり得ないし、感情が冷めるで。女としての母性で命がけで子供を助ける~って感情引き出そうとしたと思うけど アノ演出は見え見えであかんで!
②船を囲まれての爆破、逃亡。
百合等が囲まれたとき船上から何やら海に投げ込んだ。最初何か分からなかったが科学反応で起こる爆薬。少しの間を数えて爆破と同時に一気に急旋回で船を出すのは冴えてた。 瓶の爆薬を持ってるの見せてなかった分それを使ったのはゾクゾクしたわ。
③列車内で刃物や銃で 殺し合うのは止めなさい。
お客様がいい迷惑ですw。ドウモ最近 電車内での決戦する映画作品が多いのよね。列車の外側に掴まり屋根とか上がる演出は考えなかったのかな。土手へ飛び降り場面は良かったぞ。かつその後の銃撃戦もグッド。
あそこ 追っ手の二人がいつ飛び降りたんかいな?
百合等が飛び降りたの目撃したから 飛び降りたんだろ?その場面があった方が良かったかも。まあ いいけど。
④も一つピンと来ない 陸軍と海軍の中の悪さ。
結局お金の取り合いの話で。しかも大金(当時で1億数千万円)をいかに手にするかで陸軍と海軍の折半の拒否。全額と引き換えに海軍に身柄保護の要請。全員保護じゃないんや~の疑問。まあそれが物語展開っていうヤツね。霧に見立てた白煙幕焚いての大がかり銃撃戦は ゾクゾクしたよ。しかし バンバン撃たれて普通は全員死ぬで。だけど陸軍一派が死にまくるって どんなけ最弱やねん。白煙が掃けると現れる陸軍部隊・・・全軍の銃口はこちらに向いてる。海軍司令部の門前に攻撃の前線を構えたんやで。アフォ過ぎる展開でしょ。全くありえんと思うしメッチャいい加減に思うわぁ。壊滅的に死ぬって普通わね。そう思う。
岩見の弾薬バイクの疾走フォロ-が有ったけど。何処で用意したんやアンタ?いつそれをって思った。
⑤百合 VS 南 始 特務少尉(役:清水尋也さん)との戦い。
ため池?での戦いで、白いドレスに数回も深く左上胸にナイフ刺したんやで。思いっきりね。どう見ても百合にとっては致命でしょう。その演出が弱すぎると思う。その後 眉間に一発浴びせるとか・・・そこが不死身のアンドロイド感を感じるねん。もっとヤラレテ傷んだ演出がいるぞ。普通数回刺されたら 身がもたん。辛うじて玉を空のリボルバ-に一発込めて装填し 一撃で倒すスロ-な演出がグッドと思うんやがな。
折角の戦い場面がちょっと弱く思えたわ。残念。
⑥百合と慎太との 波止場での別れ
アノシ-ン 要る?かな。しかも撮りはスタジオ内でしょ。照明入れすぎよ。不自然やん。現場 頑張ったんやろうけども。
ああいう流れはさ、百合からか慎太から写真or絵はがきで 沙汰を知らせた方がセピア系の良い味すると思うねん。
実際会わせる場面はどうかと思うのよね。
⑦銃撃戦、および爆破場面は中々頑張ったと思う。
スタッフの苦労がよく分かるね。お疲れ様でした。
ただ、ちょっと多すぎた感あるし、そんなにヒットして人には当たらんやろ。外れ弾もいっぱい有った方が 自然に観れそう。
ただ頂けないのは リボルバ-の弾切れ時のトリガ-を数回引く場面かな。アノ銃は弾切れ時トリガ-は引けないのよ。弾切れで百合が南に向かって数回トリガ-引く場面あるけど あり得んのよね。そこは残念だったかも。でも意気込みは凄く出てて良かったですよ。
ご興味ある方は 家族揃って
劇場へGO!
みんなで綾瀬はるかを見ようw
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時代は第二次大戦前かな?綾瀬は元殺し屋だった。
ある時、少年が軍に追われてたのを助ける。
少年は直近で起きた一家惨殺事件の生き残りだった。
しかも父親から、綾瀬に会えと言われて来たのだった。
綾瀬はかつて、殺し屋訓練部隊のボスと恋仲だった。
作った子供ともども敵に殺され、足を洗ったのだった。
でもボスは実は生きていて、この一家惨殺事件で殺された。
死んだフリをしたのは綾瀬を巻き込まないためだった。
そして敵は少年の知る秘密を求めて追ってたのだった。
ということで綾瀬やその仲間達が命を懸けてこの少年を守る。
で少年を保護してくれるという海軍まで送り届けることができた。
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綾瀬は最近時々こういうアクション作品に出るようになったし、
クールな役柄もするようになったが、とにかく格好いいな。
でも、それだけ。そのシーン以外に特に見る所がなく単調に感じた。
劇場で見てるのに途中で眠気を感じて困る時間帯も結構あったわ。
あと最後の戦闘に行く前のシーンで、黒から白のドレスに着替える。
血を目立たせるため?と思ってたら、ホンマにそうやった(場)
綾瀬さんのアクション、凄かった。かっこいい&美しい。映像も詩的。そ...
お金かかってそうなのに、もったいない。
大正ロマンの雰囲気、ガンアクションを魅せたいだけしか伝わらなかった。きれいだけど、きれいだけ。
最後のあのドレスをきた時に絶対血で染まるよなと、想像どおりの流れ。
ちょくちょくでてくる小ボスも一体なんぞや。よい役者ぞろいだし、お金もかけてるだろうに、なんか単調で終わってしまった。まだジャニーズが元気なんだな。綾瀬はるかは作品選んで出て欲しい。
※国際線飛行機で視聴
綾瀬はるか、不死身すぎるw
惜しい!綾瀬はるかはかっこいい
綾瀬はるかはかっこいいし美しい
取り巻くキャラクターも美しい、かっこいい、面白いのに脚本があと一歩欲しかった
でもドレスでガンアクション楽しめました!
ジェシーの陸軍少尉と綾瀬はるかのバトル、真に迫り迫力があって良かった
清水寛也と綾瀬はるかの対決もまた良かった
完全に期待外れ…
銃と煙草のファンタジー
ざっくり分かりやすく言うと
大正時代の女殺し屋の話
銃撃戦が見どころと言っていい。
で、
どこまでリアリティを求めるか。
「キングダム」でも言ったけど
こっちの攻撃は当たるけど
向こうの攻撃は当たらない、みたいな。
「リボルバー」なので
6発撃ったら弾込め。
物陰でやってるにしても
その間は絶対平気。
6発しか撃てないから
大軍に対して1人1発ずつ。
「急所ははずしてある」とのことですが
必ず倒れて戦闘不能になる。
が、こっちは
多少の負傷では倒れず戦い続ける。
そういうツッコミを全部やめて
ある意味ファンタジーだと思えば
楽しめる。
綾瀬はるかがカッコいい。
時代考証はちゃんとしてる感じする。
銃が簡単に手に入るし
至る所で煙草吸ってる。
煙がうまくオシャレな画になってる感じ。
[戦いは続く]
って感じで終わるけど
あんまりヒットしなかったみたいだから
続編は無いんだろうなぁ。
何故人は綾瀬はるかにアクションを演らそうとするのか
80年代の元暗殺者ヒーロー
大正時代を生きる元暗殺者。
その過去の出来事が起因しての殺害事件。
その真相をもとめ訪れた先で少年を守ることになる暗殺者の物語なのだがかなり甘めです。
制作側は暗殺者というキャラクターをヒーローに仕立てたかったのだろう。動きも80年代風のアクションを下地に主人公たちがバッタバッタと敵を投げ倒すのでは、アクション映画を観続けてきたものとしては興醒めしてしまう。
もっと時代背景にそったものか、どぎついものに振れたほうが良かったんじゃないかと感じた。
最後に暗殺者を作りたかったのなら腕まで隠そうよ。凶器も隠せないじゃないですか。
綾瀬はるかが魅せる究極の美しきヒロイズム❗
ロードショーが終わりそうだったので、劇場に滑り込み。
平日最終回のガランとした劇場で、貸切か…と思ったら、もう一人女性の観客がいた。つまり、二人だけ。
思ったより良かったというのが率直な感想。
ガンアクション映画が不作な邦画にあって、健闘していると思う。
原作小説は未読。作者の長浦京は直木賞候補に挙がった経歴くらいしか知らない。発売中の「小説現代」に「リボルバー・リリー 0」(前日譚らしい)が掲載されていたので、書店でパラパラと数ページ斜め読みして、そのまま棚に戻した(スミマセン)。ハードボイルドに分類される文体を少しだけ感じた。
現代でなく大正時代という設定が、映画化に適していたと思う。
美術・衣装で再現した日本が最もオシャレだった大正ロマンの時代。この雰囲気のお陰で、非現実的な異世界のバトルに抵抗感なく入っていける。大震災の1年後にしては復興途上感がなかったが。
そして、和装・洋装を織り交ぜた衣装と髪型の七変化に、どれをとっても絵になる綾瀬はるかが凛々しい。
陸軍の巨額の裏資金を巡る攻防戦に、子連れの逃避行、暗号の謎解き、同じ訓練を受けた暗殺者、陸軍と海軍の対立など、てんこ盛りの具材にヤクザの親分まで盛りつけた物語は、混沌として正直よく解らない。
主人公の元間諜・小曽根百合(綾瀬はるか)が偶然救った少年(羽村仁成)が、追手から逃れながら自分を訪ねようとしていたことを知る。旧知の人物(石橋蓮司)がある一家を惨殺した後自殺したことに疑問を持って調査に乗り出した百合だったが、少年はその事件の唯一の生き残り慎太だった。
百合には協力者がいる。元海軍軍人の弁護士・岩見良明(長谷川博己)、百合が身を隠すカフェー(カフェではない…)に従事する奈可(シシド・カフカ)と琴子(小川琴音)だ。財界ヤクザの親分・水野(佐藤二朗)は敵か味方か分からない。
彼らの関係性はほとんど説明されず、岩見に至っては弁護士だということが直ぐには分からなかった。
余談だが、岩美の立ち位置には『ストロベリーナイト』で西島秀俊が演じた菊田刑事のような献身的な片思いを感じた。
敵方は陸軍大佐(板尾創路)が首領のように見えて、彼も組織の一部でしかない。裏資金を回収しなければ陸軍の存続が危ぶまれるのだが、そこには大佐自身の立場と命もかかっている。
大佐がこのミッションに抜擢した津山大尉(ジェシー)は、冷酷な怖さを醸し出していたにも拘らず、もったいない遣われ方だった印象。一方、謎の男(清水尋也)は百合を恐怖させる敵役としての存在感があった。
素手の格闘は列車内、草原、湖畔などシチュエーションを変えて展開され、銃撃戦も至近距離の早撃ちや、隠れ家を取り囲む部隊との攻防、敵が見えない霧の中での撃ち合いなど、バリエーション豊富だ。
そして、傷だらけの百合が単身敵陣に立ち向かうクライマックス。
映画のポスターにも使われている白いドレスに身を包んだ百合が、その白装束を鮮血に染める壮絶な戦いの末に、決めのセリフを残して去っていくヒロイズム。
綾瀬はるかの射るような目線が美しい。
ただ、慎太少年が命がけで守ろうとした父の遺志はこの展開で全うできるのか。山本五十六(阿部サダヲ)の駆引きの魂胆の解りづらさもあって、疑問符が残る。
最初から海軍が目的地だったら解りやすかったのに。
百合が慎太少年に射撃を教える場面があるが、結局少年が敵を撃ち殺すシーンがなかったので、ホッとした。
ともかく、格闘に、銃撃戦に身体能力を発揮した綾瀬はるかを絶賛したい。
長谷川博己とシシド・カフカも大正ロマンに溶け込んで魅力的だった。
大正時代のスパイアクション
上海銀行を選ぶか白髪女を選ぶか
小曽根百合の強さ、儚さに圧巻
綾瀬はるかのガンアクションがかっこよすぎる。美人が銃を持っている、それだけでも見る価値のあるこの作品が本気のアクションを見せてくれたからいい意味で衝撃を受けた。小曽根百合の圧倒的な強さと時折見せる人間らしい顔とのギャップに魅せられた。もっと小曽根百合を知りたくなった。自分を語らない女性だからこそ探りたくなる、追いかけたくなる、そんな感じを綾瀬はるかは見事に表現していて今更ながら彼女は只者じゃないと思った。彼女を囲む俳優陣も豪華なので見るべき!!私は終わってしまうまでにあと何回かは劇場で見たい。
ウソでしょ…
こんな王道の企画、グロリアでもアジョシでもいいけど、なにしろ優れた先行作品がたくさんある手堅い題材なのに、こんなにしくじることってある?
大正時代を舞台に、かつて特務機関の工作員であった百合は事件の鍵を握る子供を守るため、軍を相手に孤独な闘いに身を投じる……
って、このプロットがつまらないわけないじゃん!なんでだよ(両手両脚をばたつかせて地面を転がりながら)!!
アクションや銃の扱いに関しては識者に任せるとしても、ドラマの部分、孤独なエージェントとして育てられたヒロインの悲哀とか、守護対象の子供との絆とか、最低限盛り上げなきゃいけないエモがゼロ。えっこの映画、演出力、低すぎ…?
そりゃこの内容で予算が10億って相当つらいんだろうけど、スタッフはがんばってセットや衣装、小道具を用意しているように見えけどなー。
謎キャスティング(あんな未来の海軍総司令官おるかい!とか)はあるけど、キャストはみんながんばってたと思う。ジェシーとかアイドル勢もそんなに悪く見えなかった。
なのに肝心のドラマがアレってさー。
莫大な資金が云々とかいうのはあくまでマクガフィンなんだから、説明なんか後回しでいいのに。まずはこのヒロインのキャラクターをしっかり描いてほしかった。。
長谷川博己に恨みはないけど出番多すぎ。奴がせっせとお膳立てしてくれるもんだから、ぜんぜんヒロインが追い込まれてる感じがしない。あくまでヒロイン+子供が強大な敵に追われてて、果たして2人は生き残れるのか、ってのがキモのはずでは?
子供との関係性も、反発したりお互いのために自分を犠牲にするとか、もっと明確にやってくんないと変化したり深まってるのかどうか、イマイチよくわからない。
あとはご都合。いくらなんでもヒロイン無敵すぎとか、もう言い出すとキリがない。そう、土砂降りの直後の地面がぬかるんでないとか、マンホールからどうやって上がったんだろうとか、もうほんとにねー。
冒頭の東映印が残念に思えるジャンル的勘所の耐えられない軽さ。この世代の監督って、子供の頃からある程度その手の作品通ってきてるんじゃないのかなぁ。
ただ、シシド・カフカと綾瀬はるかが背中を預けてクールに戦う中盤の銃撃戦はよかった。
この2人の台湾最強バディ時代がみたい。。
終盤で破綻した感は否めないものの、中盤までの「虚の中の実」の描き方が秀逸な一作
”特務機関に所属していた凄腕の女性スパイ、という設定そのものがそもそも現実離れしているものの、大震災後の東京を丁寧に作り込んだ美術、陰影を活かした重厚な撮影、そして観客に新鮮な驚きを与える演出などがうまくかみ合っていて、「ほんとに当時の日本はこんな感じだったのかも…」と思わせるような説得力、現実感がありました。
銃撃戦が増えていく中盤あたりから、ちょっと現実味という側面が弱くなってくるのですが、それでも観客側の安易な解釈を拒むような、もつれた人間関係、複雑な内面を垣間見せる演技によって、「劇場で観るべき上質のドラマを観ている」という印象は持続しました。
終盤の展開では、それまで本作が保ってきた、虚構の世界観という「虚」の中で調和がとれていた現実味(または説得力)という「実」が、完全に崩壊した感はありましたが、元海軍軍人の岩見を演じた長谷川博己、そしてもちろん主人公小曾根百合を演じた綾瀬はるかの演技は最後まで見ごたえがありました。
特にラストは非常に秀逸で、それまでの演出上の消化不良感を吹き飛ばしてくれるような切れ味がありました。
部外者からすら見えてしまう課題は色々あるものの、本作が示した物語の語り方、映像の見せ方をさらに追求していくことで、次にどんな作品が作り出されるのか、楽しみになる作品でした!
綾瀬はるかの新境地・ダークヒロイン
生活感のないイメージが強い女優・綾瀬はるかが、そのイメージを最大限に発揮して、ハードボイルドアクション作品のダークヒロインに挑んだ意欲作。今までは生活感のなさをファンタージとか天然キャラで活かしてきたが、今回は真逆に振り切って、非情な元諜報員役に挑んでいる。銃撃戦、格闘戦ともに見事に熟し見応え十分の作品である。
本作の舞台は、関東大震災翌年の大正末期。主人公は元凄腕諜報員・小曽根百合(綾瀬はるか)。今は、東京の花街で銘酒店の女将をしていた。ある時、消えた陸軍資金の謎を解くキーマンである少年・慎太と出会ったことで、主人公と慎太は陸軍に狙われることになる・・・。
陸軍の精鋭部隊を敵に回しての、主人公の銃撃戦での素早い銃捌き、格闘戦での俊敏な身のこなしが素晴らしい。何より迷いがない鋭く冷たい眼光が決まっている。カッコ良い。綾瀬はるかの新境地を魅せている。本作は彼女のアクション女優としての始点となるだろう。大河ドラマ『八重の桜』の銃撃戦での銃の構え方、『レジェンド&バタフライ』の格闘戦での身のこなしなどの布石はあったが、本作でアクション女優としての才能が一気に開花した感がある。
戦う相手は陸軍である。常に、多勢に無勢状態での戦いであり、如何に優れた戦闘能力を持つ主人公でも正攻法では勝てない。味方が必要である。終盤のクライマックスシーンでは、霧という気象条件を味方にして獅子奮迅の戦いを魅せる。映像は戦いを俯瞰して捉えているので、霧中の戦いは映像が不鮮明で見難くいが、それは、陸軍から見た戦い難さを表現し、我々観客に実感させていると推察できる。
アクション以外にも、陸軍と海軍の確執などにも触れ、多士済々の登場人物が作品を盛り上げてはいるが、長尺で散漫になった感は否めない。アクション映画の要素に絞って欲しかった。その方が、アクション映画の醍醐味は更に増しただろう。
ラストシーンは続編を予感させる。アクションに徹した続編に期待したい。
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