「麗しき綾瀬はるか」リボルバー・リリー U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
麗しき綾瀬はるか
原作は面白いんだろうと思う。
設定とか面白くて…巨額の金を巡る争奪戦なわけなのだけど、海軍とか陸軍とか幣原機関とか内務省とか。
なのだが、まぁ、湿っぽい。
監督のカラーなのだろうなぁ…相性があまり良くない感じ。
何につけ、陸軍が馬鹿過ぎて…萎える。
台詞も安っぽけりや、芝居も安っぽい。
陸軍の隊長とか喋ってて恥ずかしくないんだろうか?喉を締めりゃいいってもんでもなかろうに。
この台詞のチグハグ感というか、オリジナリティの無さというか…面白くなりそうな脚本を潰しまくったような感じだ。
別に陸軍に限った事ではないのだけれど、随所にそんな事を感じる。
銃撃戦の最中に赤ん坊が乱入してくるとか。
「は!?」って感じで、何が起こるのかと思いきや、普通に救出して終わりとか。
なんかこう、リズムを乱すにしてもそっち方向じゃないんじゃなかろうか。
綾瀬はるかさんはすこぶる良かった。
最初の草むらで倒れ込んだであろう相手に殴りかかる時のアクションなんか、結構好み。
そう、作品の雰囲気はすこぶるいいのだ。
上品な女性が凄腕の殺し屋で、沈着冷静で度胸も良ければ容姿もいい。
大正ロマンとも言えるファッションも映える。
その彼女は引退しながらも、何かと戦い続けているような背景も素敵だ。
彼女に忠誠を誓う仲間とのやり取りもいい感じではあるのだけれど、いかんせんソレを邪魔するものが多々あって苛立たしい。
タイトルからしてドストライクで「リボルバーリリー」ってゾクっとすんじゃん!
やっぱリボルバーを構える綾瀬さんは素敵だったよ!
めちゃくちゃ似合う。
マガジンじゃないのよ、リボルバーなのよ。
キャラも設定も大好物なんだけどなぁー。
山本五十六に銃口突きつけて「私はいつでもここに来る」なんて台詞も、ありがちだけどゾクっとする。
でも、その後、あらぬ方向に歩き出すんだよ。
まるで仲間を無視するかのように。
1人にしたかったんだろうとは思うけど、置いてかれた仲間の事を思うとやるせないのよ、コッチとしてわ。
…刃は心臓まで抉ってそうだしさぁ。
彼とのバトルはそこそこ面白かった。
毎回、リリーが負けちゃうんだけどね。
幣原機関の分派みたいな事なんだろうけど、コイツも出てきたら来たで、何故殺さないのか意味不明ではある。
リリーを生かしておく意味もないだろう。
ラストの霧は良かったのだけど…霧じゃなかったらどうやって海軍本部までたどり着くつもりだったのだろうか?
下水道から出てくるにしても、まだまだ距離はありそうなとこから出てくるし…スリルが足りないんだよなぁ、基本的に。そのスリルを極端に下げてるのが陸軍の言動なわけで…アクション作品には致命的な欠陥だ。
リリーの店まで襲撃しといて、その後放置気味とかだし、リリー達にも危機感無さそうだし。
リリー達に後ろ盾でもありゃいいんだろうけど、どうやらそんな雰囲気でも無さそうだ。
もっと芝居場を整理しないと見てられない。
最後の眼帯の男とかもさぁ…唐突過ぎんだよ。
ありゃなんだ?
幣原機関の新たな刺客か?
暗殺者向きの風貌じゃねぇなあ…。
アクション自体は面白くもあったけど、トータル的には赤点な印象。
共感ありがとうございます。
仰る様に、設定、アクションは素晴らしかったです。邦画らしくないドライな展開でした。
しかし、かつての東映の任侠映画を観ているようなウェットなシーンが多く勿体なかったです。
ラストシーンから続編の予感がしたので、
もし、続編を作るならウェットなシーンはカットしてドライに徹した、
アクションに徹した作品にしてもらいたいです。
綾瀬はるかの、あの見事なアクションを一作で終わらせるのは惜しいです。
では、また共感作で。
ー以上ー