「Vermillion」リボルバー・リリー ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Vermillion
日本製のバイオレンスアクション、中々久々ですし、雰囲気も良さそうなので日曜日のお昼に劇場特攻。8割くらい埋まっていました。
正直言って期待し過ぎたのかなと思いました。売りであるはずのアクションは見せ方に問題がありますし、一部俳優陣の演技の拙さにはかなりもどかしくなりましたし、なんせ話がそこまで面白くないというのが致命的な作品で、少しウトウトしてしまいました。
家族が殺され逃げ惑う少年と、それを守るために奮闘する女性の話がメインで展開され、そこに陸軍や海軍が絡んできて色んな陰謀が渦巻く…というTHE・日本な物語です。新鮮味は特に無かったかなと思います。
綾瀬さん自身のアクションのキレはとても良くて、パンチに回し蹴り、しゃがんで立っての回避、駆け回るスピードさ、ポテンシャルがとにかく高い綾瀬さんを起用しているはずなのに、アクションにそこまで反応できてない相手側に合わせてしまった結果、どうにも普通のアクションに成り下がっていたのが残念でした。
日本映画の中でもアクションのレベルは確実に上がってきているので、そこで弱めのアクションを見せられてもなという気分にはなりました。
荒唐無稽なシーンが多々あったのは好感触で、バイクで突っ込んだのちに、積んであった火薬に銃弾をぶっ放して爆発させて道を切り拓くというなんでそんな手間をかけた突破方法を思いついたんだろうとニヤッとしてしまいました。マンホールからの脱出の際に手榴弾を地上にポイっと投げてたのも無理がありますがなんだか好きです。
主人公が無敵なタイプの作品なので、どれだけ銃弾を体に受けようと、ナイフで刺されまくろうと関係無しに動き続けます。相手は基本1発でノックアウトなので、そこの辺りのバランスは悪かったです。
最後の突撃のシーンなんか、もう致命的なまでの傷を持っても突き進んでいきますし、連れた少年は逐一転ぶのでそれを助けては傷を負うの繰り返しなので、またかいと何度も思ってしまいました。
一部俳優陣の演技の拙さが今作をつまらなくしている要因だと思うのですが、ジャニーズ2名が豪華な役者陣に混じって、しかもメインの悪役を演じてるのもあって浮きまくっていました。なんでこんなに微妙な演技をする人を悪役に据えたのか。重要な役所のはずなのに、なんかふさげているような雑魚キャラにしか見えなくてガッカリでした。
羽村仁成くんも悪くはないんですが、どうにも緊迫感のあるシーンでの表情の変化や身振り手振りが弱いかなと思いました。先のジャニ2人に比べたら全然マシなんですけどね。
シシド・カフカさんと古川琴音さんの喫茶店コンビの立ち振る舞いは最高に好きでした。ザ・クールビューティーと奇天烈な強キャラな雰囲気を纏っていましたし、とにかく2人が立っていると絵になっていました。ただ出番が少ないのが惜しいです。この2人と百合のスピンオフが出来るならば見てみたい、アクション増し増しで見たいですね。
綾瀬さんの存在感がこの作品を辛うじて救っていたかなと思います。終わり方もなんだか続編を匂わせている感じがしていますが、これは作られても観に行くかな…と悩んでしまいます。もう少しうまくまとまっていれば、もしくはアクションのレベルが高ければ、とモヤモヤしてしまう作品になっていました。劇場で観なくてもいいかなと、観終わった後には思ってしまったのが残念でなりません。
鑑賞日 8/13
鑑賞時間 11:20〜13:50
座席 C-6