破戒のレビュー・感想・評価
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⭐︎3.8 / 5.0
7月28日(日) @ AP映画(2022)
破戒
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差別やいじめは無くならないと思うけど、必ず味方も存在する(経験談)そういう人達を大切にしたいって改めて思う映画🥹
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日本の過去
いまの子供達が知らない日本人の恥ずべき過去が描かれています。が、最近になってもなお続いているとの話も聞きます。差別は決してなくならない。ひとりひとりの心にそれぞれの様々な差別を生まれながらに持っているから。もちろん自分にも。
だけど、それでも何とかそういうものを無くしていこうとそれぞれが努力し、より良い社会に変えていくのが人間だと思っています。
小説は未読ですが、ストーリー展開や俳優、子供達の演技に最後まで引き込まれ、久々に映画を観て感動しました。
人間は進化してこそ人間、ですが近頃の戦争を見ていても、何十年たっても進化していないなぁと感じています。
作品名と著者を線で結ぶ問題に出て来る
島崎藤村、菊池寛、芥川龍之介、夏目漱石、山本有三、与謝野晶子、近代文学史で見かける面々とその作品名を知ってるし他の作者は大抵数冊は読んでいるのに どういうわけか島崎藤村だけは一冊も読んだ事がない。
なので有名な題名のこの内容が被差別部落を扱ったものだというのを今の今まで知らなかった。
私は被差別部落の存在は、高校の時に「にんげん」とかいう小冊子が学校で配られて何の事かわからないでいたのを 誰かが教えてくれて知った。
私は高校を地元に行かず、寮生活しながら遠方に通っていたので、その後大人になってうちの地方にはそんなのないよね、と親に話したら とんでもない 私が一番仲の良かった靴屋の子はそうだったし、よく行く肉屋もそうだったと そしてそこの娘さんたちの結婚は大変だったのだと初めて聞いたのだった。
親は幼い私にそういう話は一切しなかったし親戚の叔母達もいっぱい周りに住んでいたが、子どもにそういう話をすべきではないと心得ていたのだろうか。
もし仮に「にんげん」という冊子を学校で配られずにいたら私は知らないままだったのではないか と思う事がある。
そう思うと こういう部落解放運動って しない方が風化していくのではないかなと
でも当事者の一部の人々は「知って そして差別をなくすべき」
と考えてるらしく。
今のこの世の中、この映画の冒頭のように 同じ旅館に泊まると畳も変えて塩撒く〜 みたいなのは まずないと思うし
この彼が東京に出て就職先を探すように 昔は1箇所にまとまって集落を作り 知名で出自が知れていたような事はなくなった(たぶん)わけで、ほんとにこういうのは教育はしない方がいいんじゃないかと思ってる。
こういう映画になると、まあ間宮祥太朗だし、全く昔の話よね、と若い人は思うのだろうか。
今 実質的に現存するのは 逆差別ともいうけど つまり税理士事務所を同和系にすると査察が入らないと聞く。
これは実際 紹介された経験があるので 確かにあった。
(今もそうなのかは知らないんだけれど)
そう言えば 昭和の大物政治家 野中広務が自分は部落出身だと公言してたのは印象的だった。
関西地方は同和の問題と在日の問題が深く結びついてる場所もあると聞く。
同じような境遇が同じように集まって特殊な集団を形成したのだろう。
私の知人の少々有名な地位の息子さんが大阪のその地区の女性と結婚したんだけれども それはそれは盛大に式を上げて私達夫婦も呼ばれ モデルのような細身の体に美しい小顔が驚くくらいだったのに 二、三年で離婚。
そして その女の子に聞いたのが 最後まで入籍しなかったのだという話で ほんとにびっくりしたものだ。30年以上昔の事だけれど。
こういった差別は 職業が屠殺や死体処理だったりして そういう四つ足の肉を食べなかった時代ならまだしも、しっかり産業として根付いてる現代においては尚更(まさに本人には全く罪がないわけで)ただの言い掛かりに過ぎない。
そういうアホな時代もあったよね
という風に風化していくべきであるし、誰がそうなのかもう全然わからなくなってしまうのが一番いい。
秘密を抱えた人生
間宮祥太朗扮する教員瀬川丑松は部落民という事を隠し通せと父親に言われており寺に居住していた。
秘密を抱えた人生とは辛いものだろうね。もし身分が知れたら議員や教員を辞めねばならないという時代だ。いつ何時バレるかもしれないという身分差別の恐怖。いくら市民平等とはいえど結婚も出来ず厳しい世の中だ。でも麗しき友情もあって良かったね。
ハカイとは?
タイトルの文字に込められているのは、人の心の中に潜む「認識」や「レッテル」などによる「決めつけ」という「戒律」を破壊したいという思い。
主人公瀬川が生徒たちに話した「何が正しいことなのか? 正しいことをするにはどうしたらいいのか?」
正しいことは時代によって異なる。これは重要なポイントだ。普遍的な言葉を遣えばそれは、「今考えるべき最も順位の高いことを抽出する」とでも言おうか。
当時の社会にこびりついていた前時代からの階級と階級外の身分。
瀬川は父の強い言いつけによって、自分の身分を隠し通して教師になった。
作品は、この時代のテーマを選挙運動を通し、また人々の考え方を通し描いている。
自分の身分を公表しながら本を執筆して人々から賛否両論される猪子廉太郎。彼に対するあこがれを持つ瀬川。どうしても彼のようにできない歯がゆさと怖さ。この主人公の葛藤こそがこの作品の見どころとなっている。
瀬川は言う。「なぜ自分の故郷を語れない なぜ好きな人に思いを伝えられない なぜこんなに苦しまなければならないのか なぜ?」
告白したい気持ちと差別される恐怖。
明治になってすべての階級がなくなったにもかかわらず、旧藩士、旧商人、旧農民、そして部落民と呼ばれる旧えた。
かつての階級社会を打ち壊して国を作っておきながら、今度は「国のために」と称して子供を戦争に参加させるための教育をする。そしてその批判者を鉄槌する言動に対する是非。
瀬川は「差別は人の心から消えにくいもの」と言ったが、人は誰も対人関係において、必ず「自分の認識」というフィルターを通して対人を吟味し、何らかの「序列」を作るものだと思う。絶えずその人を判断し、ジャッジしているのだ。この根幹を変えることこそ難しいと思う。
やがて瀬川はギンノスケに告白する。教壇を降りる覚悟を決めるのだ。しかし生徒たちは「そのままの」瀬川を見てきた。何の階級も存在しない瀬川そのものを信じて疑わない純真さがある。ここにこそ本当の人間像があるのだと作品は伝えているのだろう。この純真さが大人になってもあり続けるなら、どんなに素晴らしい社会になるだろうか?
瀬川の見送りに参加する生徒たちを叱責して学校へ戻るように指示する勝野らを無視するのは、差別という考えを持つものへのレッテル返しの象徴だ。
こうして、「正しい」とされる行為の勝利で物語は閉じる。
しかし1点難しい箇所があった。
それは衆院議員の妻が部落民であることとその秘密を瀬川に黙秘せよというシーンだ。
背後にあるのは議員が恐れる差別だが、妻の父はたいそうな金持ちで、そのお金で選挙を戦えたし、次戦もそのようにしている。
その事を猪子は指摘したが、そもそも議員がお金と結婚したのかどうかはわからない。
瀬川が猪子と初めて会って話したとき、猪子は議員の妻の素性を知っており、その公表はしないと言いつつ、猪子は金目当てだと決めつけている。
この一見、どちらかが正しく、どちらかが間違っているという構図に、そうとは言い切れない含みがあるように思った。
ここに視聴者が考えるべき点があるのかもしれない。作品側からのお題が隠れているように感じた。
寺の住職が養女のシホに手を付けようとしたことも正義の中に隠れた邪気がある。
軍司学の権威の甥である勝野教師はヒール役として描かれているが、彼の思想は単にその時代の一般常識的なものだと思われる。
もし自分があの教員の中にいたら、どうするだろうか? 瀬川のように明確な思想がなければ、いったいどうやって勝野の主張に対抗できるだろうか?
いつの時代も「変化」がやってくる。
正しいとか正しくないとかも時代で逆転や変化する。
いまこの時代で吹聴されてる「常識など」は「正しい」のか?
そのことに対する意見はないのか?
これこそがこの作品が訴えていることなのだと思った。
伏線やプロットが秀逸でおおよそ当時の作品とは思えない。
島崎藤村が考えた当時の普遍的な部分に「変化」を加えた素晴らしい作品だった。
どうすることも出来ない差別
生まれながらにしての差別
どうすることも出来ない出目
身分を隠していきる…苦悩
葛藤する主人公がいる
主人公の瀬川役に間宮祥太郎
目の表情が惹き付ける
…そして声
子供たちに掛ける
言葉のトーンが優しい
感情を抑えた演技と
感情を強めた演技が素晴らしくて
魅力的でした
[えた]…非人という言葉
知りませんでした
…人がつくる上下関係(階級制度)
現在は皆平等であるけど
いまでも差別は何処にでもある
たくさんの偏見や差別は無くならない
人間は弱いから。
持つべきものは良き友だった。
小学生のころ図書館に置いてあった
マンガで読破シリーズで出会った作品「破戒」。
その頃の私にとって身分制度は理解し難く衝撃的だったことを覚えている。
こんなにも純粋な人間を、
穢れが多いと決めつけ迫害する。
穢多だというだけで、石を投げられ、勉強の機会を奪われ、感情で動くことさえ許されない。
すべては、穢多だから。
孤独に生きる丑松が「父からの戒め」を破るとき、
新たな人生がはじまった。
1人で戦っていた彼はもういない。
著名な古典的名作ではあるが・・・。
福田村事件を思い出した。途中のセリフはどこかで聞いた事があると思ったら、🎦ドリーム・プランだった。考えたらこれも差別問題が根底にある。シリアスで古くて新しい人類最古の命題のひとつ。結局教育しかない。
55点
映画評価:55点
令和の教科書には載らない部落差別
当時の部落出身の若者が悩み、苦しみ、もがく
そういう物語。
恋愛描写は思いの外、大分少なく
穢多をメインにしっかりと作り込まれていた。
こういった時代が日本には本当にあって、
いつまでも消せない傷になっている。
この悪習を学び、
私たちの後世に再び発生しない事を
願うばかりです。
【2024.4.12観賞】
上手くまとめられた脚本
原作をaudible で聴き、予想外に面白かったので映画を見てみました。原作は86時間かかる長編小説です。それを2時間の映画に上手く凝縮しています。父親の死や実家への帰省、猪子蓮太郎の病など、いくつかの重要場面がばっさり省略されていますし、台詞も、原作の登場人物とは違う人が喋っていたりしますが、全体のメッセージは損なわれることなく描かれています。
主人公が影響を受ける猪子蓮太郎は、原作では大声を出して主張することはなく、物静かな思想家という印象です。
破戒とはそういう意味合いだったのか
文学史で知った限りの島崎藤村とその作品『破戒』
中身は全く知りませんでした。
こういう題材だったのか。
レビューを見ていると、差別を知らないとかこんな事がというなものが結構見受けられ逆に驚き。
私はいま50代半ばですが、小学校の時には訳も分からず道徳教育の時間が時間割にあったし(その頃は差別問題とは無意識)親や大人に「あの辺に近づくな」と言い聞かされた経験がありました。
社会の歴史でも江戸時代の士農工商穢多非人までしっかり覚えさせられた。
前置きはさておき
当時はもっと色濃く世の中にあった風潮だったのでしょう。
ストーリーから伝わってくる迫力がハンパなく、演じてるキャストの名演にこの作品の品質が増してます。
ホントに素晴らしい出来です。
冒頭の田中要次さんと息子のシーンが全編の軸となり、このワンシーンが無ければ成立しない。
途中のセリフでもありましたが、身分の差別は無くなっても差別の無くならない世界は無い。
確かにな〜と考えさせられました。
差別とはいかに重い罪かを教えてくれる作品。
もう、随分昔に「新潮文庫の百冊」の一つとして読了しました。今回Netflixで何気なく見たのですが、とても良かった。今がどうか分からないが私の頃は確か教科書で「穢多非人」を教わりました。
丑松を演じた間宮祥太朗さんが良かった。特に猪子の事件後に仰向けで顔を歪めている場面が印象に残った。
父の教えを破って出自を隠さずに生きようと決めるまでの丑松の葛藤が丁寧に、ある意味淡々と描かれていて共感できました。
アメリカを笑えない酷い差別があからさまにある時代が日本にもあったのだという事実と、これほど赤裸々ではなくても現在も様々な差別があることを考える機会となる映画でした。
差別は弱い者がすること
山深い田舎で暮らす知人が結婚する時に、祖母が結婚相手が部落の出か調べたと言っていたことを思い出し根深いんだなと思った。差別はそう簡単に無くならないと言うセリフと重なった。弱い者が差別をする、差別をして自分が上の身分だと思うことで自分を保つのだろう。差別に苦しむ間宮祥太朗の表情泣けた。
特に情報もなく有名な小説だったということも知らずに見ました。 今で...
特に情報もなく有名な小説だったということも知らずに見ました。
今では簡単に配信で見られるので、その前にしょーもない映画を見ていて
なんか時間を無駄にしたなーと思い、次はいつもは選ばないような
映画でも見ようという軽い気持ちでした。
静かだけど美しく良いストーリでした。
言葉遣いも所作も美しくていいなあと、
もうこんな日本は見られないんだなと違う視点で
寂しくなってしまいましたw
部落差別は教科書で習っただけで、ふーんくらいの知識。
今でもどうして出自で差別されて忌み嫌われなくてはいけないのか
理解できない。
私でも思うのだから当時の当事者の方たちは
筆舌に尽くしがたい思いをしたに違いないと思う。
どんなステータスの人でも孤高に信念を持ち
生きていく人は素晴らしい人だと思う。
逆に人を見下し影口ばかりを叩く人たちは
どんなに地位が高くても名誉な職に就いていても
さもしく寂しい人なんだろうなと思う。
そんなことを考えさせられる映画でした。
差別は無くならない…
悲しいけど、本当だ。すごく有名な作品なので、どんなお話なのか知りたくて観た。そんな安易な気持ちて観たのだが、思いの外感動してしまった。後半は涙が止まらなかった。大体、破戒の意味も理解していなかった。恥ずかしながら、破壊という言葉の別字かなと思っていたくらいだ。今はわかる。父親の戒めを破ったということが… 117年も前の小説だから、古さを感じてしまうのではと心配していたが、そんなことは全くなかった。原作を読んでいないので、よくわからないが、とても真面目に作られた印象を受けた。丑松が少し良い人過ぎるが、だからこそその誠実さに涙なくしてはいられなかった。自分が教える生徒たちにも、大事な親友にも、好きな人にも、自分の出自を隠さなくてはならないなんてどんなにつらいだろうか? 最後の決断は頭が下がるばかりだ。 丑松にはどうか幸せになってほしい。
脚本の加藤さんが小学生にも見てほしいと言われていたので小4の娘も一...
脚本の加藤さんが小学生にも見てほしいと言われていたので小4の娘も一緒に鑑賞。
まだ難しいかなと思ったけど、娘がこんな無意味なことをしていた時代があったんだと言っていたので見せて良かったなと。
主人公の決意や覚悟が繊細に描かれて希望に向かう終わりは強いメッセージとして残った。主人公の間宮祥太朗さん、親友の矢本悠馬さんのお芝居がとても良かった。
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