「人類というものは本来、平和を愛する生き物なのです」破戒 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)
人類というものは本来、平和を愛する生き物なのです
昔、徳島に引っ越して高校の授業で同和教育を受けて知ったのが初めてでした
体育館で公演を聞かされて、感想文を書かされました
講演者がアメリカの黒人の奴隷解放と比較して、同じ日本人なのに差別があることを憂いていました
それって、人種差別じゃないですかって書いたけど無視されました
自分の中にも差別がある事を理解出来ない人が講演してるんだから、差別は奥深い
人類というものは本来、平和を愛する生き物なのです
から始まり
いつか、理解しあえる日がくる
で終わる主人公の講和は未来への希望です
世の中の理は競争することで進化し、適合したものだけが生存出来る世界です
小さな野原でも、草どうしが、自分の遺伝子で埋めつくそうとしのぎを削っている
その弱肉強食の法則から脱却し、社会という組織を作り、先に進もうとしているのが人類です
競争より協力
理解しあい、信頼し合う事で先に進もうとしている
しかし、気を抜けば理に負けてしまう
相手を駆逐し、自分だけが生き残りたいという本能
心の弱さが差別を産んでいく
普段、生活をしていると忘れてしまうくらい表向き、部落差別は忘れ去られている
水平社100周年を記念して作られたこの作品は、団体の皆さんには感慨深い物があるんでしょうね
ラストの改変は明るい未来への希望なんでしょう
同和問題は、やはり忘れてはならないと思います
表向きは忘れ去られているようでも、結婚や就職など、突然突きつけられる場合があるかもしれない
その時、全く知らないのと、ちゃんと意識して自分なりの考え方を持っているのでは全然違いますから
人生ではじめて直面する差別は、学校のイジメかも知れません
あらゆる差別がなくなり、戦争がなくなり、人類がも一段、高次元の存在になれる日が来るといいですね