「戸惑いまみれ」貞子DX ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
戸惑いまみれ
ホラーと銘打っていますが、別に怖くないだろう、むしろどんなトンデモ要素を見せてくれるのか!?という面を楽しみに鑑賞しました。平日の昼間なので3割くらいしか入ってなかったです。
いやー観終わった後ずっと頭を抱えていました。なぜこれを劇場公開できたんだ?と思えるくらいチグハグで怖くもなく、笑えるわけでもなく、おバカさんたちのどんちゃん騒ぎを見せられる怪作でした。貞子を使ってこれはなぁ…。
まず登場人物たちの知能指数が低すぎます。ホラーあるあるなんですが、今作は主人公がIQ200という設定なんですが、劇中のセリフにもあるようにただの数字になっていて死に設定になっています。当然考えて死のビデオを拡散したらそりゃいかんでしょって事をガンガンしますし、学生でもなんとなく分かるフレーズを連発しているだけなので頭が良いようには見えません。これは製作陣の頭がアジャパーなのも要因なのかもしれないです。
あと自称占い師の王子がとにかくうるさいです。一つ一つの動作が大きいのはまだしも、喫茶店でギャーギャー騒ぎまくるのはこの作品にはノイズにしかなっていませんし、とにかくクズキャラなんでこいつが死んでも何にも思わないのにのうのうと生き延びているのもまたむず痒いところです。チャラい設定もいらない…。
引きこもりの感電さんも外に出てきて呪いのビデオ見ちゃうドジっ子ですし、それでいてこの人も別に知能派ではないという謎さ。主人公の妹も勝手にビデオ見ちゃいますし、お母さんはお父さんの霊に固執しすぎて面倒ですし、Kenshinはひたすらに迷惑とまともな登場人物がいません。
そして物語がこれまた面白くないです。おそらくコロナに絡めた物語だとは思うんですが、その点でいくと「オカムロさん」の方がうまく面白く見せれていたと思います。ただただ貞子からどう避けるかを遠回りしながら見せていく退屈さで、99分とは思えないくらい間延びしていました。最終決戦のVS貞子も適当すぎてなんだか…。
数少ない良かった点として、役者陣は流石だと思います。特に川村壱馬さんのクズキャラを一貫して演じていたのは確かな演技力を感じました。あと呪いのビデオの設定を最後までいじらなかったのはまだ良かったです。
エンドロールで貞子もどきと共存する絵面は割と良かったんですが、上映終了後に観ている映画館に貞子が現れて観客が逃げ惑う演出に一気に冷めました。無駄なサービスはイラつきの元です。
Jホラーは怖がらせるというよりかはエンタメに極振りする感じの作品が増えてきましたが、怖さにも笑いにも振り切れてない中途半端な作品は観るに値しないので勘弁してほしいです。貞子というキャラクターが勿体なかったです。
鑑賞日 10/28
鑑賞時間 14:10〜16:00
座席 I-19