「フィクサーマン」ブラックライト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
フィクサーマン
潜入捜査など極秘任務遂行中の秘密捜査官が危機に陥った際、救出を担うFBI長官直々のスペシャリスト。
ある日国家を揺るがす陰謀に巻き込まれ、娘と孫を誘拐されてしまう…。
怒りに燃え、巨悪と戦うは、勿論この男!
リーアム・ニーソン!
人知れず暗躍し、影の任務を担う。通称“フィクサー”。本当にありそうな設定が面白味そそる。
所属する組織の陰謀を知ってしまった捜査官。命を狙われる。
その陰謀、“オペレーションU”とは…? 追う記者。
フィクサー、秘密捜査官、記者、追っ手、FBI長官…思惑と戦いと信念が交錯。
FBIvsFBI、国家と巨大組織の陰謀というスリリングなポリティカル題材。
カーチェイスに銃撃戦。
リーアムの存在感とアクション。娘と孫の為に戦うパパでおじいちゃん。
…が、これだけのエンタメ要素が詰まっていながら、何故だろう、今一つパッとしない。
あらすじに多少触れてから見たので設定とか分かるが、何の予備知識ナシで見たら把握しづらい。
捜査官じゃないのにFBIの件に介入。長官とはタメ口マブダチ。あなたは何者ですか…?
序盤で殺された女性政治家。この事件が主軸になると思いきや、FBIにマークされる捜査官。彼がキーキャラと思いきや、中盤で退場。
徐々にリーアムの設定や女性政治家と捜査官の関係、恐るべき陰謀が明るみになっていくが、何だかちょっと手際の悪さを感じた。
引き込まれていくストーリー展開を狙ったのだろうが、陰謀に長官が関わっているのは安易に予想出来る。
リーアム演じるフィクサー、影の存在の筈なのに堂々街中アクション繰り広げるのはエンタメだからしょうがないとして、娘や孫に仕事の内容が知られている感じなのはお粗末。普通こういうのって、家族にも秘密なんじゃ…? まあメロメロになるのも分かるくらい孫は可愛かったけどね。
娘が誘拐され…って、あれ、どっかで見たぞ。
後、“ブラックライト”というタイトルの意味がよく…。単純に“フィクサーマン(影の男)”とか“オペレーションU”の方が良かったと思う。
監督は『ファイナル・プラン』でも組んだマーク・ウィリアムズ。
アクションやサスペンスはふんだんに織り込み、ぬるま湯だった『ファイナル・プラン』よりかは面白かったが…、肝となるドラマの弱さや作り込みの薄さは否めない。
ウマが合って再タッグ組んだのだろうが、個人的にはこの監督とあまり合わないな…。
本当にリーアムだから見れた。色んな意味で頼りになる男!