「【”FBIの光と影”リーアム・ニーソン演じる主人公は、常に孤高であるが善性を持ち、家族を愛し、守る、強き漢なのである。齢70歳を超えてアクション映画の第一線を張る姿には素直に敬意を表したい。】」ブラックライト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”FBIの光と影”リーアム・ニーソン演じる主人公は、常に孤高であるが善性を持ち、家族を愛し、守る、強き漢なのである。齢70歳を超えてアクション映画の第一線を張る姿には素直に敬意を表したい。】
ー リーアム・ニーソンの「96時間」以降のアクション映画はほぼ、観賞している。端的に言えば、安定のクオリティが保たれているからである。
全く分野は違うが、”寅さんシリーズ”のアメリカ・アクションバージョンと思って頂ければよい。(なんだそれ!)-
■FBIのロビンソン長官(エイダン・クイン)は、且つての同僚だったトラヴィス・ブロック(リーアム・ニーソン)に特命業務を与えて来た。それは、潜入捜査官の救出と更生というモノであり、彼は過酷な任務故に、妻に去られ、今は娘と孫娘の存在だけが、彼の生き甲斐である。
そんな中、政府の不正を訴えるソフィア・フローレンスが、何者かに轢き殺される。
FBIの潜入捜査官、ダスティ(テイラー・ジョン・スミス)は不審な行動に出る。
トラヴィスは、ダスティを街中のカーチェイスで追い詰めるが、ミスから彼を取り逃がす。
ダスティは、女性ジャーナリスト、ミラ・ジョーンズにある情報を提供しようとするのだが、彼はソフィア・フローレンスを殺害した二人組の男に射殺される・・。
◆感想
・劇中で、二度フーヴァーという名が語られるが、御存じの通り彼はFBI長官として、37年間も務めた男である。
だが、彼の死後、権力の乱用により政治的反対者のリストを多数作成し、一時期は影の大統領と呼ばれた男である。
今作の、ロビンソン長官は明らかにフーヴァーを意識して造形された男である。
・トラヴィスが、ダスティが何をメディアに訴えたかったかを理解した時の、ロビンソン長官との会話。
ー ロビンソンが、完全に独裁者になっている事を知った時のトラヴィスの哀し気な顔。-
・今作では、リーアム・ニーソンのアクション映画には欠かせない閉所(今作では、ロビンソン長官宅)での接近格闘シーンは見応えがある。
ー リーアム・ニーソンの大柄な体格も、彼が齢を重ねつつも見応えあるアクションをこなしている要素であろう。だが、それ以上に節制、トレーニングをしているのであろう。-
<今作は、米国権力者の不正や悪事を暴くというテーマ性で言えば、「J・エドガー」に繋がるモノである。それにしても、リーアム・ニーソンのアクション映画は、既に5月に新作「メモリー」が控えている。齢70歳を超えて、アクション映画の第一線にいる事には、素直に敬意を表したい。>