「『ぼく明日』大好きなオッサンの感想」今夜、世界からこの恋が消えても やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
『ぼく明日』大好きなオッサンの感想
私、三木監督の『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』が大好きなんですよね。
それでですね、『ぼく明日』では、印象に残るシーンが多々有るんですけど、その中の一つに高寿が愛美の手を握るシーンが有るんです。
高寿が初めて手を握った時、愛美は堪えきれず泣いてしまうの。
この時、高寿は愛美の秘密を知らないから、泣いた理由は分かってないんですよね。
私は原作を読んでたので、愛美と一緒に泣いちゃいましたが。
それで、この作品なんですが、透と真織が手を握るシーン。
あの時点で、透は真織の秘密を知っているわけです。
観ている私達も、その事を知っている。
真織の瞳から溢れた涙の意味が分かるんですよね。
あそこから花火までのシーンは美しくて儚くて、そして尊くも感じた。
それから、『ぼく明日』もこの映画も、小説が原作なんですよね。
小説と実写映画の一番の違いって、当たり前ですけど映像が有る事ですよね。
この映画で、映像の力を巧く使ったなと思ったのが、透の姉が日記を書き替えるシーン。
弟が生きた証を消していくという事を、視覚で感じさせられるの。
松本さん演じた姉の早苗、それまでは笑顔が印象に残るんですよ。
優しくて、人としての強さを感じさせる笑顔なんです。
そんな彼女が見せた涙に、観てる私も胸を打たれちゃいました。
他に良かったのが、泉が日記の秘密を打ち明けるシーン。
泉に対する真織の反応が、彼女の人となりを表してるの。
きっと昔からそうなのでしょうね。
彼女の為に何かしたいと思わせるに、充分な人となりなの。
それは、泉だけでなく透もそうだったんじゃないかな。
誰かの為に何かをしたいという気持ちは、時として恋と=になる事が有りますよね。
透にとっての真織は、それだったんじゃないかな。
この映画、役者さん良かったですね。
福本莉子さんは、これが代表作になるんじゃないかな。
おっさんの私は、アイドルとしての道枝さんを知らないから、道枝さん=『今夜、世界からこの恋が消えても』の透になりました。
古川琴音さんは主役としても『偶然と想像』が印象的ですが、この映画を代表作として挙げたい位、泉役が良かった。
松本穂香さんも数々の作品で存在感を示していますが、これを代表作にしたい位良かった。
『青葉家のテーブル』の鎌田らい樹さんと、『さよならくちびる』の新谷ゆづみさんは、どこに出てるか気付きませんでした。