「米国西海岸の大都市で様々な事情から路上生活を強いられた人達に寄り添うドキュメンタリー」私の帰る場所 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
米国西海岸の大都市で様々な事情から路上生活を強いられた人達に寄り添うドキュメンタリー
LA、サンフランシスコ、シアトル、米国西海岸の大都市で路上生活を余儀なくされた人々に密着したドキュメンタリー。家賃の高騰に収入が追いつかなくなってしまった人、トランスジェンダーであることから勘当されてしまった人、怪我や病気で離職せざるを得なくなった人、前科があるために定職に就けない人、住まいを失った人達が語る事情は特別なものではなく、そこら中にあるありふれたもの。格差社会が断絶を生み、路上にしか居場所のない人々に対する差別は時として暴力として吐き出される。帰る場所が欲しいという当たり前の願望も地域住民のクレームに踏みにじられる。毎日50万人が路上生活を強いられているという米国の現況は実に痛ましく、深く考えさせられるずっしり重い作品です。
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