「"who we are(何者か)"じゃなく"what we do(何をするか)"」スクール・フォー・グッド・アンド・イービル とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5"who we are(何者か)"じゃなく"what we do(何をするか)"

2022年10月29日
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…が重要で、成したことが己を形作る/定義付ける長すぎクリシェ祭!これならポール・フェイグにはコメディ撮ってほしいなと思っちゃう

ポール・フェイグ監督作だけど彼の、名コメディエンヌであるメリッサ・マッカーシーと組んで『ブライズメイズ』に始まり『ゴーストバスターズ』(作品としては『シンプル・フェイバー』)まで一連の素晴らしいコメディを作っていた黄金時期は今やかつてのものとなり去ってしまったのだろうか?『シンプル・フェイバー』『ラスト・クリスマス』そして本作と、コメディの要素はありつつも脱コメディな動きも見られる近年。好きだったのにな〜…気持ちとしてはアルバムや時代毎にガラッと音楽性変わるミュージシャンやバンド追いかけてる気持ちで、応援したいけどあの時が好きだったなとか複雑になる。
ハリポタはじめ今までごまんと見てきた魔法学校モノに"善と悪のバランス"。言うならラファルはヴォルデモート。退屈な町から抜け出したい自惚れ屋でムカつくノリノリなソフィーと魔女と忌み嫌われながらも心優しいアギー(アガサ)、善のエヴァーと悪のネヴァーそれぞれの救世主。the one"選ばれし者"すぎてろくに特訓とかせずとも魔法いつの間にか普通に使えちゃっている感。なんならアガサに関しては人間的にも成熟していて、本当に学校で習うことないぞ。善は攻撃しない。あなたは特別な存在…闇落ち。ディズニー映画などでも後半から終盤にかけてよく見られるような"魔女狩り"の様相を呈する。ブラック・マジックならぬブラッド・マジック。今や上辺だけとなった善。
役割分担を超える証拠、自分がどちら側が認めるとき。本読みと語り手、まことの愛と運命のキス。ファーストインプレッションは最悪?恋のキューピッドを買い出るも自分がいい感じになっちゃうパターン。皆が主役にはなれないけど誰かのハッピーエンドの手助けならできる?どんな教育だよ。おまけに、"どこが善なんだよ!"と言いたいクイーンビー的女王様キャラまでいるの、ただのハイスクールものと変わらない。人間らしいっちゃ人間らしいし分かるんだけどやっぱりソフィーが嫌いすぎるな。腰引けて何もできなかったくせに何じゃコイツまじで。昔から続く白人至上主義ルッキズムやステレオタイプなプリンセス像への挑戦刷新や、それが本人たちもさも当然であるかのように最初から受け入れることへの疑問符。
シャーリーズ・セロン、ケリー・ワシントン、ミシェル・ヨー、ローレンス・フィッシュバーンと教師陣が最強で、やはり子供メインのこうした作品では周りを囲む大人キャストが重要。笑顔なんてどうでもいい by ミシェル・ヨー!おまけにナレーターはケイト・ブランシェットなのか。キャストはいいけど2時間半はやっぱり長いって……。役者陣と映像技術は見る価値ありだけど作品としてはクリシェで"落第"とまでは行かなくても微妙だった!

Beauty is the full-time job.

P.S. 寝れない夜に深夜映画…ってコレ続編作る気満々なのか?!

とぽとぽ