配信開始日 2022年11月4日

「世の中の革新に挑む、エノーラ」エノーラ・ホームズの事件簿2 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 世の中の革新に挑む、エノーラ

2025年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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シャーロック・ホームズの妹・エノーラが、兄顔負けの名推理と実行力で、謎を解き明かして大活躍する、ミステリー・アドベンチャーの第2弾。主役のエノーラには、1作目に続いて、個人的に一押しの若手女優・ミリー・ボビー・ブラウンが、エノーラ役を演じ、監督も引き続きハリー・ブラッドピアが務めている。昨日に続いて、NETFLIXでの配信を鑑賞。

本作では、長兄のマイクロフトの出演は無く、頼りになる次兄・ホームズの力が、事件解決への大きな拠り所なって行く。そして、1作目から自由奔放なエノーラに惚れ込み、今や革新派の若手議員となったデュークスペリ―卿と共に、大手マッチ工場と政府議員機関との、裏金癒着に纏わる、不正と賄賂の実態を暴いていく物語。

前作の活躍で、兄に続いて探偵事務所を開き、「さあ、これから!」と意気込んでいたエノーラ。しかし、現実はそう甘くなく、女ということだけで軽く見られ、依頼が全くなく、探偵稼業を畳もうとしていた。そんな時、1人の少女から、「共に大手マッチ工場で働いていた姉が、突然に失踪したので探して欲しい」という依頼が舞い込んできた。しかも、その工場では、最近続けて工女達が、チフスの名の元に、不審死を遂げていると言う。

そこでエノーラは、依頼人と共に、マッチ工場に潜入捜査を始めると、そこには、工場と警察、議員が三つ巴となって、裏金を操作する癒着の事実を突き止めていく。そして、その実態は、兄ホームズが追っている事件とも、大きく関わりを見せ始める。捜査を始めると、エノーラは、次々と命が脅かされ、殺人事件の犯人にまで仕立てられ、絞首刑となる絶体絶命の時を迎える。

しかし、そんな危険は何のその。持ち前の機転の利く考察力と実行力、兄ホームズやデュークスペリ―卿、そして母の助けを得て、数々の危機を乗り越えていく。クライマックスには、一番の黒幕の正体が二転三転し、思ってもみなかった、意外な人物へと辿り着き、ミステリー・アドベンチャーとしての面白さが、存分に描かれていく。また、最後のオマケ映像が、「やっぱり、名探偵ホームズは、そうでなくちゃ!」とニンマリさせてくれる憎い演出で、エンドロールとなる。

本作で1作目からの流れのまま、ホームズには、ヘンリー・カビルが、そして、母親役にはヘレナ・ポナム・カーター、デュークスペリ―卿には、ルイス・パトレッジが演じている。そして、本作の敵対役のグレイル刑事には、デビット・シュリースが務めており、『ハリーポッター』では適役のベラトリックスを演じたヘレナと、ハリーの良き理解者であったルーピンを演じたデビットが、正反対な役柄を演じていたのも、面白い取り合わせたった。

bunmei21