「家で観賞ならビックリもしない」忌怪島 きかいじま うにたん♪(人手不足の業種はつらい)さんの映画レビュー(感想・評価)
家で観賞ならビックリもしない
まず、この作品に怖さを求めて観るのは間違いです。
音でビックリさせる以外の驚きはこの作品にはありません。
ホールでも音量レベルが少々高かった気がしました。普通の会話が大きく聞こえるレベルだったから、ガン!ドン!ジャラジャラ…よーく聞こえました。
折角、VRの仮想現実空間=あの世?と言う図式を作ったのに、リアル空間にひょっこり現れ、役場の酔っぱらい職員(なだぎ)をぶっ殺すとかイマジョの設定に一貫性がない。
VFXは頑張ってて鳥居に岩にイマジョのシーンは違和感少なかっただけにもっと何とかならんかったのか?
シンセカイってVRプロジェクトが成り立っていたのは井出さんがしてた研究とそれに金を出すパトロンが居たからでリーダーの井出さんが亡くなった後、何をするでもない居残り組と合流した組が大した仕事もせず、謎解きに夢中で何やってんだか?スッキリしない。
鳥居を境にイマジョを現実に出て来れないようにするって言ってたけど、それなりの知的な集団の筈が何をどうするか相談もしない行き当たりばったりで犠牲者が増えるだけ。
ユタのばあさんの説明聞くのは良いが科学的な検証もしないし。
海に浸かってた鳥居がアッちゅう間に燃えたのも「そんな簡単に火が着いて燃え尽きるか~?」と突っ込みたくなる。赤いポリタンあったけど掛ける描写無いし、ガソリン掛けた所で濡れてる鳥居が簡単に燃え尽きるはずもない。
ラストの004とvisitorが光る手首の理由は、無人フェリーの主人公たち二人がすでにあの世=VR世界の住人になったと言う意味だと思う。
彼らが作っているVR空間では独りの世界のはずだが、二人が並んでいる点やリーダー井出が亡くなる前に友彦とVRで会ったシーンで友彦にvisitorが付いていた事から、すでに井出はあの世に片足突っ込んで居た筈。井出はあの世の誘い人に成る条件を満たしていたのだろう。
で、ラストのVR(あの世)で溺れかけてる友彦を助ける為、環はVRを使用しVRの世界で友彦を救ったと考えられる。だから彼らが存在しているVRの景色から見れば現実で燃やされた鳥居はVR世界には残っていると言う事になる。
後はほぼ説明ないけど、シゲオジを慕っていた少女が入水していく様はシゲオジの世話をする事でアイデンティティを得ていた部分とシゲオジが島民に忌み嫌われた母の遺体をイマジョとして祀っていた事等も絡んでの事だろう。
清水監督にはここを切り口にもう一本と言うのは止めて欲しい。
粗製乱造…過去のホラー作品で名声を得た監督がこの様ではいたたまれない。
コメントありがとうございます。
うにたんがおっしゃるように、あの世=VRの世界で統一されていれば、もっと面白い展開になったとおもいます。
ソードアート・オンラインみたいにVRゴーグルを外すと死ぬ設定でもあれば、恐さが増したかも。