「20世紀現代音楽の巨人」ZAPPA 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
20世紀現代音楽の巨人
70年代から80年代の洋楽をよく聴いていた頃に、フランク・ザッパとも重なっていたが、難解なイメージから聴きそびれ、その後リイシューされたCDをいくつか聴くようになって、技巧的なリズムと旋律、演奏力、その中でのポップなノリに結構ハマった。
このドキュメンタリーでは、ザッパが生まれてから亡くなるまでを、基本的に時系列でたどっていくが、プライベートフィルムをはじめ、膨大な映像記録をもとに再構築したものであることがよくわかる。現代音楽とR&Bにルーツがあるから、あのような音楽を生み出せたのかと納得しつつ、それがすべて独学であったことに驚く。破天荒でハプニングショーのようなマザーズ時代から、オーケストラの指揮・作曲まで、その才能の範囲と孤高さは、まさに20世紀現代音楽の巨人と言えるものだった。
サタデーナイトライブで茶化されていたが、ザッパ自身はイメージと違ってドラッグをやっていなかったことは知っていたが、音楽のレイティングへの反対運動の先頭に立っていたことは知らなかった。
映像作品としては、特に前半、サイケデリック調を強調しすぎて、編集がせわしなく、このまま2時間持たないのではと思ってしまった。後半では、ザッパ作曲の四重奏団の演奏をはじめ、いくらかじっくり見せるようになっていたが、肝心のザッパの演奏シーンがほとんどなかったのは残念。あと、個人的には、マザーズ時代のローウェル・ジョージの姿を見てみたかった。
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