「「自分の作曲がしたいなら、まず仕事をすることだ。」」ZAPPA momokichiさんの映画レビュー(感想・評価)
「自分の作曲がしたいなら、まず仕事をすることだ。」
純粋に自分のやりたいことに邁進した人生。
(「愚直に」という表現は違うんだったな。)
ほんと「真っ直ぐ」な人だった。
やりたいことをやる、それには現実的な問題が立ち塞がる。
・「経済面の障壁」 食っていかないといけないからね。
・「クリエイティブの障壁」 ジャケットもできれば自分で作りたいが実際は人に頼まないと。
・「演奏面の障壁」 全部自分で演奏できればいいが、バンドのパートを全部自分で演るわけにはいかない。オーケストラならなおさら。
・「政治の障壁」 表現に難癖つけてくる人たちも。
ZAPPAの凄いところは、それで諦めたり、手をこまねいていたり、声を荒げたりするのでなく、
実現できる方法を考えて具体的に歩を進めていくこと。
「作曲で暮らすには、大衆に向けて曲を書くしかない。自分の作曲がしたいなら、まず仕事をすることだ。」
経済的成功=成功ではない。
本当にやりたいことは経済的成功をおさめないかもしれない。(むしろその可能性の方が高い。)
でもそれをやるためには、先立って食べていけないといけない。
そのために経済的成功(「ValleyGirl」)が必要。
ZAPPAが言う「仕事」とはこういうことを指しているのだろう。
ミスチルの櫻井和寿さんも同じようなことを言っていた。
「売れて一番良かったことは、売れることを気にせず作れるようになったこと。」
しかしオーケストラ音楽も作っていたのか。
「リハ2回目まで」とかそんな制約をオケ側から出されるのね。そりゃいい演奏できないわ。
最後はザッパの音楽を表現したい人たちが集まったオケで「思う存分」演奏できて幸せそうだった。
「自由の王」 チェコではまさに自由の象徴。自由の国アメリカの象徴。
一方でそんなザッパと手を切れと圧力かけるのもアメリカ。
ZAPPAは「全人格の発露」ができてとても幸せな人生だったのではないだろうか。
心が願うことに向かっているか、言い訳ばかりしていないか。。
自己の言動を省みた映画だった。
※以下、良かった言葉をメモしておく。
「友達はいない。すばらしい妻と4人の子どもがいる。大好きだ。
家族が友達だ。」
「収入を得る時も条件が屈辱的であればあるほど
音楽もダメになる。」
「ただ編集がしたかっただけ」
「おれがやりたいのは作曲をすることだった」
「でも誰かに頼るよりこのほうがいい。
政府や国王、男爵などに援助してもらったら
作品が気に入らなかった時どうなるかわからないからね。
それはごめんだ。」
「基金も政府の援助もない。
起業や委員会の絡みもない。
イカれた男が金を注ぎ込み
イギリスの楽団を雇い、コンサートをして
自分のレコード会社でアルバムを作る」
※前半は睡魔、後半はお尻が痛くなる映画だった。