「ギターから指揮棒まで」ZAPPA 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
ギターから指揮棒まで
自分の音楽を真摯に突き詰める姿勢と多岐にわたるジャンルの多様性、The Mothers of Inventionを率いて表現する創作活動にバンドでありながらJazzに於けるカルテットやクインテットのような表現を用いても誤解のない音楽家としての生き様、バンドマスターでありながら元のバンドから途中加入での意外性と映画音楽からのキャリア、大統領選挙への出馬を検討する等の政治的活動にもブレは無く、検閲制度への批判から『Parental Advisory:Explicit Lyrics』のステッカーの意味すら知らなかった自分の教養の無さ、60年代からのミュージシャンを象徴するような薬物や女性との乱れた関係性とは距離を置きながらロックンロールのイメージは揺るがない、本作で描かれる彼を知った以上はオーケストラを従えて指揮棒を振る姿にすら何ら驚きや違和感も無くなってくる。
膨大な数の未発表音源や映像などの資料を溜め込んだ地下の部屋からは掘り下げる価値がまだまだ眠っているのかと興味津々、映像で『Freak Out!』のジャケを破ってしまう場面に衝撃と落胆が押し寄せる!?
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