「この映画だけでは、フランク・ザッパの全容はつかめず…。」ZAPPA caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画だけでは、フランク・ザッパの全容はつかめず…。
まったく、つかめない…。フランク・ザッパの哲学も、音楽性も、まったく姿を現すことはない。
彼のつくる音楽は調和ではない。不調和であり、彼の生きることへの不安そのものでもある。
映画の中でインタビューされた人物が語った「ヒット曲はいくらでも作れると思う。でも、彼はすべてを壊してしまう。」という言葉が、最も妥当なのだと思う。
彼は自分の曲がヒットすることを恐れ、人が理解できないように、すべてを不調和の世界へと運んでいってしまう。
天才であり、へそ曲がりであり、いつも不安である。それがザッパだと思う。
彼の音楽は、彼が拒絶している以上、多くの人々に広がることはないだろう。
彼の音楽は、後の世に、どう評価されるのか?それもザッパには興味のないのことなのかもしれない。
商業的な世界に背を向けた天才ザッパ。
ぜひ、劇場でお確かめください。
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