「頑張ってストーリー詰め込んだ感ある」バイオレンスアクション といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
頑張ってストーリー詰め込んだ感ある
原作未読。予告編の映像だけ見ただけの事前知識です。ピンク髪の橋本環奈を観るためだけに、公開初日に鑑賞いたしました。
結論。
(失礼な言い方になりますが)意外にも結構面白かったと思います。無駄に動くカメラアングルで酔ってしまいそうなアクションシーンや、原作の漫画の要素を無理やり詰め込んだような強引な展開、劇場内で誰一人笑わないスベりっぱなしのギャグシーン、続編を匂わせる中途半端な終わり方など、批判したい部分は正直かなり多いです。しかし、それを差し引いても観て良かったと思わせる作品でしたね。エンタメ作品として楽しんで観れたので、鑑賞後の満足感はそこそこ高かったです。
鑑賞のノイズになってしまうような違和感やマイナス部分も多い作品ですので、それらをどれだけ許容できるかによって評価が分かれそうな印象ですね。
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日商簿記2級の資格を取るため、専門学校に通いながらアルバイトをするピンク髪美少女の菊野ケイ(橋本環奈)。彼女のアルバイトとは、仕事を確実に遂行する超凄腕の殺し屋であった。ケイはある日、通学中のバスで知り合ったスーツの青年のテラノ(杉野遥亮)に好意を抱くようになる。そんな中、ヤクザ組織からの依頼で抗争中の組の会計係を殺すよう命じられたケイだったが、その会計係こそ、バスで知り合ったテラノであった。
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決してクオリティが高い作品ではありません。私は結構楽しめましたが、本作を批判的にレビューする方が多いのも納得できるクオリティの低さです。本作をジャンル分けするならアクションコメディ映画だと思いますが、そのアクションとコメディが壊滅的に酷かったように感じます。
特に酷いと思ったのはアクションシーン。異常に細かいカット割りや大仰なCG演出、演者の顔面アップが多用されるカメラアングルと、振り回されるようなカメラワーク。アクションシーンの全てがとにかく見づらく、主人公と相手がどういう位置関係でどういう戦闘を繰り広げているかが非常に分かりづらい。アクションシーンは台詞が少ない分、カメラアングルや撮影のテクニックによって人物の配置や動きが分かるようにする必要があるんですが、本作ではそういうアクションシーンを観客に分かりやすくしようという工夫が全く見られません。
おそらくは、橋本環奈のアクション能力が低いため、それをフォローするために大仰なCGだったり顔のアップのシーンが多いんだと思います。とにかくアクションが売りの映画なのにアクションがてんで駄目です。
また、コメディ要素も本作には多いですが、そのどれもが今一つ笑えない一発ギャグみたいなものばかりで、公開初日で大盛況の劇場でも、笑い声は一つも聞こえてきませんでした。私のコメディセンスと合わないとかじゃなくて、ただただつまらなかったです。
ただ、それ以外の要素(ストーリーとか役者の演技)については、期待値を超えてくる面白いものでした。ストーリー自体は普通に面白かったし、役者陣は頑張っているように見えました。
不満点が多い映画ではありましたが、批判されていたら擁護したくなるくらいには楽しめましたので、皆さんも試しに観てみてはいかがでしょうか。