「センスのなさが致命的」バイオレンスアクション tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
センスのなさが致命的
作りようによっては、「ベイビーわるきゅーれ」のような映画になったのであろうが、アクション、ストーリー、キャラクターのすべてが、上辺を撫でただけのように薄っぺらい。
特に、タイトルロールにもなっている「アクション」は、見映えのするアクロバティックなシーンを細切れにつなぎ合わせているだけで、一連の動きのちぐはぐさばかりが目についてしまう。しかも、高速移動の特殊効果が、せっかくの生身の肉体の躍動感を台無しにしてしまっている。
ストーリーにしても、いくら荒唐無稽な話であっても、その世界観が実感できるような、ポイントを押さえたリアリティーや、それらしく見せるための設定上の工夫が必要なのではないか?いくら漫画が原作でも、わざわざ「漫画みたいな映画」にする必要はないだろう。
随所に見られる、お洒落でポップな雰囲気を出すための映像や音楽も、他のシーンとのバランスが悪く、空回りしてしまっている。
この手の映画は、何よりも「センス」が重要であるということを、改めて思い知らされた一本だった。
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