ザ・ホエールのレビュー・感想・評価
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ひとつの捕鯨問題
デニーロが役作りで30kg体重増やしたという話があるので、今年のアカデミー主演男優賞を本作で獲ったこのブレンダン・フレイザーさん(よく知らない)は270kgまで増量したんか!と思っていたが、そうではないらしい。世間の作品の評価は高く、その理由のひとつはフレイザーさんの超肥満演技と思われるけど、これって動物の形態模写なんかとあまり変わらない気も…(失礼!)。昔のびっくり人間大集合でこういう人は出ていたので(失礼!)絵的なインパクトも特に感じられず。
限られた登場人物たちはそれぞれの理由で心に傷を負っていて、そんな彼らの気持ちに自分も寄り添って…と理屈では理解するのだが、人生の経験値が低すぎるのか感受性が乏しすぎるのか感情面で共振できず、結果的に話にまるでピンと来ず。ラストも、エリーのひたすら邪悪な態度・行動にはちょっとわくわくしていたのに、なんでそうなるの?かと…。
ちなみに自分が体験した糖質制限ダイエットの知識からすると、ピザやチョコバーはNGだけど、フライドチキンはいくら食ってもOK!
大学レベルの文学やエッセイを教える「教育者」
アメリカには歩行器なしではいられない重症の肥満症患者がたくさんいる
この主人公チャーリーは、医療保険や生活保護のみで暮らすニートやひきこもりとは違う
大学のオンライン授業で文学やエッセイを教える知的な教育者である
4時間以上も要するメイクとファットスーツを着たブレンダン・フレイザーの演技は、
ファットフォビア(肥満恐怖症)やボディシェイミングを煽るような痛みと恐怖も感じられる
一方、「正直でいろ!」「正直な気持ちで書け!」「あなたは素晴らしい」「美しい人間なんだ」っと他人を鼓舞するセリフも出てくる
この映画を見て号泣してしまうのは
チャーリーの自己的な贖罪と償還を
他人の自己として見過ごせない人間の本質が描かれているからだ
孤独でひきこもり経験のある人
思春期の子どもに手を焼く両親
宗教観の違いによる悩み
死を看取る上でのあり方など
どのテーマも決して他人事とは思えない映画だった
sorryがつらい
親バカチャーリー
全編光を閉ざした物語
とにかく暗い、主人公に感情移入しない、どこか自業自得?まで思う
溺れる鯨
強烈。そして圧巻。
演技はもちろんだけれども、皆見た目にインパクトのあるブレンダン・フレイザーについてばかり賞賛するのみで、この映画の本質的な部分に触れられることが少ないのは残念。
裏切った後悔と自責の念から自らを罰するように肥大化したモンスターのような主人公の苦悩や諦観、僅かな希望。
「白鯨」をモチーフに描かれる宗教的欺瞞からの自己解放。
現代病と言われ幾星霜、依存症という言葉で言い表せないくらいに何かに依存する人たち。
それらが絶妙に絡まりあって織りなす人間ドラマ。
アパートの室内のみで展開される様子は演劇のようでもあるし、短編小説を読んでいるような錯覚にも陥った。
そして明確に死へと向かう物語が、どこかサスペンスのような緊張感を保ちながら進行することで単調な会話劇に終始してしまわないよう効果的に機能している。
人と人は簡単に分かり合えない。許し合えないし認め合えない。ドラマのようなハッピーエンドは現実世界でそう多くない。むしろ非常なことの方が多い。
この映画はそんなリアリズムを踏襲しながら、死の直前に魂と魂の相克がほんの少しの希望を見せてくれる。
その一瞬のシーンが圧倒的に美しい。
溺れる鯨が死の間際に何を想ったのか。何を見たのか。
ほんとうに良い映画だった。
特殊メイクすごい
人は、
人はみな、
いつも誰かを気にしている。
人は素晴らしいじゃないか。
に、
心救われました。
最後でも、
最初に何度も何度も口語っていたエッセイが実は娘のものだと分かった瞬間、余りの衝撃に過呼吸を起こしかけました。
いやあ、泣けに泣けましたねぇ。
ブレンダン・フレイザーはすごかったが
ブレンダン・フレイザーがアカデミーの主演男優賞を受賞した感動作というイメージで臨んだ本作。たしかにブレンダン・フレイザーの演技はすごかった。ハムナプトラのあの人が!という衝撃はなかなかのもの。あれがどんな特殊メイクだったのかが気になる。
なぜあれほど巨大な体になってしまったのか、その理由が徐々に明らかになっていくのだが、今ひとつ気持ちが乗り切れない。どれだけ言い訳しようとも家族を捨て、新しいパートナーに走ったことには変わりがないという思いが拭えなかったからだ。いや、それでも父親として娘のために何かしたかったという願いはわかるし、その気持ちも叶えてあげたいとは思う。だからこそ娘の態度に複雑な思いを抱くという流れ。なかなかうまい演出だ。たがこれも納得できる最後が待っていたのでよかった。
通院と治療をあれだけ拒む理由もハッキリはしない。娘のためにお金を残したいといえ理由だけではない気がしてしまう。あそこまで大きくなるってことは相当に心を病んだってことだから、緩やかな自殺願望として自分の中では納得させた。
それにしてもまた同性愛が絡むのかと思ってしまった。実際同性愛を絡めすぎなんじゃないか。若干食傷気味なのが正直なところ。これが自分の中の偏見でないことを願う。
人は救えないけれど
キリスト教徒のゲイに対する気持ちは嫌悪というよりも憎悪、おぞましく侮蔑すべきものなんだろうなぁ…
確かに主人公は身勝手な不倫なんだろうけど、決してハッピーではないむしろ茨の道。誰も救われないその後悔と負い目が、自分自身の命を奪うほどの過食になる。
そして、死を目の前にした時、娘や家族に愛されたいのではない、あなたは生きていて素晴らしいと最後に改めて伝えたかったんだよな。
愛情と憎しみ、悲しみ、悔やみ、色んなやるせない気持ちが溢れてきたけど、最後に残るのは幸せな思い出と純粋な愛なんだとしみじみ。
ブレンダン・フレイザー、ハムナプトラ世代には余りの変わり様に驚いてしまうけど、そこもまたストーリーの中の悲哀に含まれて重みがある。よくこの役を受けたし、素晴らしい演技を見せてくれました。
そして友達リズを筆頭に、母娘も、憎たらしいほどの伝道師もみんな演技が素晴らしかった。狭いワンルームシチュエーションなのに飽きずにドラマを堪能できました。
重くてつらいけど、その中に輝く一筋の光。人生や家族、大切な人のことを思いながら噛み締めて観たい珠玉の映画。
よかった。
帰り道にじわじわと染み渡ってきた。
そんなしっとりとした映画で、でも
心を揺るがす力を持っている。
たった数名の人物だけで、
しかもあの家の中だけで、
あれだけ飽きさせない演出がすごいし。
中盤で、まさかあの人がっていう
そういう展開もうまかった。
やっぱり娘との関係性に回帰していくのは、
そうなんだよね、と思いつつも、
彼自身のトラウマが娘が人を救ったことによって
払拭されたのかは気になった。
まあ、されたのか、立ったし。
あの娘とのくだりは、NTLの「スカイライト」を
思い出したりしましたな。
俳優さんもホン・チャウが素晴らしかった。
(ザ・メニューのあの人って気づかなかった!)
主人公との関係性も絶妙でしたな。。
あるよね、ああいうケアしてたのに裏切られた、みたいな。
それでもエネルギー持って接していたのがよかったし、
序盤の彼との関係性が本当に可愛かった。
セイディー・シンクも魅力的だった。
本当に最後には信用できるような人物をうまく
演じておりましたな。
てかストレンジャー・シングスのあの子だったんかい
大きくなって…
やっぱりケンタッキーが食べたくなって、
チキンを買って帰りましたよ…。
それでも何となく自分を肯定してあげたくなる、
自分を大切にしてあげたくなる映画でした。
「自分の暗い部分を先送りにしている」
こんな、まさにっていう言葉さ、本当に胸打たれたよ。
言葉にできない
毎度、四苦八苦しながら書いている映画レビューですが、感情を言語化するというのは私にとって容易なことではありません。
作品中、チャーリー(ブレンダン・フレイザー)は若者たちに、「思ったままを正直に書きなさい」と導くことをしますが、すいません、ちょっと本作に対しては本当に言葉が出てきません。個人的なこと、ほんの部分的ではありますが、本作の一部に重ねてみてしまうところがあり、ちょっと作品を冷静に批評できない特別な思いがあります。書いては消しての結果、結局はいつものように(下手な文章を)ツラツラと書けませんでした。ごめんなさい。
そして正直、誰になら薦められるのか判らない作品ですが、人の内面に食い込んでくるような作品であるため、私同様、刺さる人には深く刺さる作品だと思います。まぁ、そういうところがまたA24ですね。万人受けを狙わない作品選びで、結局は観逃せません。A24、あっぱれ。参りました。
ということで、いつもよりもかなり少ない文字数ですみません。ブレンダン・フレイザー、ホン・チャウ、素晴らしかったです。ありがとう。
映画より演劇向きかも
映画「レスラー」と同じような感じがした。
主演の方も凄かったけどエリー役の女の子よかった💓
お昼食べた後に見たので、一つの部屋だけの展開だと寝てしまうかも、と思ったけどそんな事はなかったです。
主演男優賞を取った演技、堪能しました。そして娘役のエリー役の子も素晴らしかった✨
主人公がゲイで娘と妻を捨て、という設定、ゲイという事でなんとなく純愛っぽくてとても感情移入されるけど、コレ普通に他の女性と恋愛して妻子を捨てた、だったら単なるクズなのか?と見終わってしばらくしてからふと思いました。
ちょっと入りきれませんでした😅
なんでこの娘は、こんなに口も性格も悪くなったのだろう。本人の気質にもよるのだろうけれど…。
そして、チャーリー。こんなに娘が可愛かったのなら、娘を思って過食をやめられなかったのでしょうか。
もう少し娘の心のうちを描いて欲しかった。
それにしても騒がしい最期の五日間。
こんなにいろんな人が毒を吐きにくるなんて。
汚いけれど、痰壺のようです。
チャーリー、人気があるんだかないんだか…。
人は家族に傷つき、家族に救われる
チャーリーは言う。「人は誰も救うことなんてできない。しかし誰もが人を救いたいと思っている」。それはチャーリーだけではない。この映画の中の人々は皆そう思っている。
そんな思いとは裏腹にこの映画の登場人物は過去にそして今もお互いを苦しめ合い、苦しんでいる。チャーリーの醜い巨体と常に聞こえる喘鳴はその象徴のようだ。
クライマックスは訪れる。チャーリーの命が尽きようとするとき奇跡が起きる。チャーリーは娘のエリーを救い、またエリーに救われるのだ。
僕にとってこの状況はリアルで、チャーリーに感情移入(デブでもゲイでもないけど)し、最後の最期に僕の涙腺は崩壊した。映画のなかで僕も救われていた。父と娘の激しくも優しい遣り取りは見事だった。
過去最高のワンシチュエーションものですね。
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