劇場公開日 2023年4月7日

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「チャーリーをめぐる人間関係の温かさ」ザ・ホエール talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0チャーリーをめぐる人間関係の温かさ

2023年5月19日
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鑑賞方法:映画館

何度も訪ね、母親から自分のことがどれほど伝わっているか、さり気なく探ろうとするところを見ると、実の娘のエリーは内心はチャーリーに無関心ではないようです。アランの妹が彼を献身的に看るのも、今は亡き兄の身代わりとしてだろうと思われます。
家族を捨てて、愛する同性の元に走ったというチャーリーですけれど、彼に「捨てられた」という元妻や娘は、本当にチャーリーを嫌い、憎んでいたのでしょうか。

チャーリー自身は、その自責から、いわば「白鯨」と化した自身を呪っていたようですけれども、それは、自虐的過ぎるとも言えないでしょうか。

そう考えてみると、チャーリーの恵まれた人間関係は、実は本当は、温かなものだったとも、評論子には思われます。

チャーリーが頑なに治療を拒んでいることも、限られた遺産を、どうせ助かりはしない(また、助かろうとも、助かりたいとも思っていない)自分の治療費で浪費することなく、少しでも多く遺族に残せるようにとの配慮だと見るのは、果たして「穿ち過ぎ」というものでしょうか。

破滅に向かって進みつつあることは間違いがないのですけれども。しかし、評論子は(評論子なりの)チャーリーの心情に思いを致すと、見終わって、心に沁みるような一本だったと思います。

佳作であったと思います。

talkie
talkieさんのコメント
2023年5月27日

Mさん、共感&コメントありがとうございました。「緩慢な自殺」…そうですね。まるで自らを罰しているようなチャーリーの姿が、私には胸が痛かったです。

talkie
Mさんのコメント
2023年5月26日

緩慢な自殺とも言えるものでした。しかし、もっと別の方法があったようにも思います。

M