「人は家族に傷つき、家族に救われる」ザ・ホエール ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
人は家族に傷つき、家族に救われる
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チャーリーは言う。「人は誰も救うことなんてできない。しかし誰もが人を救いたいと思っている」。それはチャーリーだけではない。この映画の中の人々は皆そう思っている。
そんな思いとは裏腹にこの映画の登場人物は過去にそして今もお互いを苦しめ合い、苦しんでいる。チャーリーの醜い巨体と常に聞こえる喘鳴はその象徴のようだ。
クライマックスは訪れる。チャーリーの命が尽きようとするとき奇跡が起きる。チャーリーは娘のエリーを救い、またエリーに救われるのだ。
僕にとってこの状況はリアルで、チャーリーに感情移入(デブでもゲイでもないけど)し、最後の最期に僕の涙腺は崩壊した。映画のなかで僕も救われていた。父と娘の激しくも優しい遣り取りは見事だった。
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