「今年ベスト」ザ・ホエール ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
今年ベスト
クリックして本文を読む
観賞後も涙が止まらなかった!
完全に「レスラー」のダーレン・アロノフスキー!彼の作品は本当に心に刺さる!
何から何までダメな男なんですけど、あるんですよ美しく見える瞬間が。「レスラー」のラストでは命を落とすことになるであろつリングからのダイブに挑むミッキー・ロークが、本作では娘に受け入れられようと立ち上がるブレンダン・フレイザーが、二作ともこの生き方しか俺には出来ないんだという魂の叫びを描いたような映画だった。
主人公は娘のことを自分の作品と言い放つなど、彼の奥さんの言う通り自分のことしか考えていないどうしようもない奴です。医療でも宗教でも彼の心は治せませんでした。
本作では部屋から一歩も外へ出ないワン・シチュエーションムービーで登場人物も5人という限られた駒しかございませんが、扉の向こうの世界は雨だったり、ちょうど日が昇っていたり、誰がどのタイミングで部屋に来るかなど計算された駒の使い方が素晴らしく、140分たっぷりと濃密な人間ドラマに仕上げてきた。
後は何といってもやはりブレンダン・フレイザーの演技!淡々と進むストーリーながら、ここぞというところであの演技を引き出し、音楽で盛り上げて、というとても硬派で久しぶりに映画らしい映画を観た!現時点での今年ベスト!
コメントする