「ラスト10分がすべて」ザ・ホエール おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト10分がすべて
当初は予定に入れてなかった作品ですが、アカデミー賞主演男優賞の演技を観たくて鑑賞してきました。
ストーリーは、8年前に妻と娘のエリーを捨ててボーイフレンドのアランとの恋を選んだチャーリーが、アランが亡くなったことで過食と引きこもりの生活に陥り、一人では身の回りのこともできないほどの巨体となり、アランの妹で看護師のリズの助けを受けながら生活していたが、自分の死期が近いことを悟り、最期にエリーに自分の思いを伝えようとするというもの。
巨漢のチャーリーの過去と秘めた思いが徐々に明らかになり、ラストで「白鯨」に収束する展開は悪くないです。「白鯨」を読んだことがないので、内容の上で本作とどのような関連があったのかはわかりません。ただ、彼にとってはかけがえのない思い出との結び付きと、おぞましく膨れ上がった自身の体を連想させるという二つの意味があったのだろうとは思います。冒頭と対をなすラストシーンで、小難しい文章のもつ意味がわかり、一気に感情をもっていかれ、思わず目が潤んでしまいました。
とはいえ、よかったのはラスト10分だけ。序盤から一向に盛り上がらない展開に、なかなか乗れませんでした。いろいろな人との関係からチャーリーの人生観を描こうとしているのか、家族への思いを描こうとしているのか、はたまた神への信仰について描こうとしているのか、よくわからず、焦点が定まらなかった印象です。捨てた家族との絆を取り戻し、その姿を見てリズも救われたぐらいの方が、自分にはわかりやすくて好みです。
また、場面転換がほとんどなく、ひたすら会話劇が繰り広げらるれるだけなので、絵的にはまったくおもしろみがありません。仕事帰りに鑑賞したのですが、新年度スタートの激務の疲れも手伝って、睡魔と戦いながらの2時間となりました。瞬間寝落ちは数知れず、そのため大切なシーンを見落としたり、セリフを聞き逃したりしたかもしれません。だとしたら、本作のよさが理解できないのは自分の責任です。
主演はブレンダン・フレイザーで、彼の演技は確かに受賞に値すると感じました。その他の俳優はホン・チャウしか知らず、彼女は安定の演技を披露していますが、エリー役のセイディー・シンクも堂々たる演技です。
おっしゃるとおりですね。イイねありがとうございました。私は白い鯨🐳どころか、彼氏の死因が全くわからず、もったいつけてて霧の中でした。あっ❗️私は休日の日3本目の鑑賞でしたので、寝落ちはしませんでした❗️眠れないので逆に疲れました。