劇場公開日 2024年12月6日

「シンプルかつ幻想的な歴史の語り部─」ホワイトバード はじまりのワンダー SHさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0シンプルかつ幻想的な歴史の語り部─

2024年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

広く一般的に語られている、戦中ナチスの蛮行、あらゆる事柄を集約して子供目線で恐怖や悲劇が、半ば幻想的に描かれていたように思います。視野が狭く、非常に偏った感じもするのですが、あくまでも私的な語りをシンプルに描こうとしているところが見て取れたので、非常に見やすかったです。あまりにキレイすぎる内容に思えましたが、歪曲などといったものは微塵も感じなかったし、むしろ経験した者の真実味を感じました。幻想に満ちたその物語は、広く世の中に語りかけているようだったし、その資格は十二分にある作品だったと思います。誰もが陥ってしまいそうな偏見も、何気にサラッと盛り込まれているあたりも、内容的に秀逸だったかなと─。
色んな映画で目にするヘレン・ミレンですが、その魅力はこの作品でも滲み出ていた気がします。
革新的なものは何一つ感じない映画でしたが、非常に良き作品だったかなと─。

SH