「弱弱しいカンバーバッチの名演」ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
弱弱しいカンバーバッチの名演
誰もが見たことのあるであろう
ちょっぴりクラシックな雰囲気の猫のイラスト。
あのイラスト作者がルイス・ウエインと言う
イギリスのイラストレーター。
この実在の人物を芸達者の
ベネディクト・カンバーバッチが演じてる今作。
ルイス・ウェインと言う人
実際はどいう人なのかは全く知識0なのですが
今作の中では軽い学習障害とか、あるいは
コミュ障みたいなそんな感じの人物で
絵をかくことに関してはずば抜けているけれど
出版社との交渉事などが苦手で
上手く使われている様な様子。
また、愛した妻は妹たちの元家庭教師。
曲がりなりにも貴族の血統であるルイス・ウェインとは
身分違いの結婚で、親や親せきだけでなく
周囲の貴族社会からも仲間外れの存在になってしまう。
なんでしょう~
階級制度の根強い差別の怖さですね。
そんな重さを内包しながらも
猫の絵の愛らしさと、時折見せる
世間知らずゆえのルイスの
ほのぼのとした空気感に救われて
最後まで観させてくれます。
で、月に8回くらい映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
いつもよく書いているのですが
比較的、強気の役や悪人やサイコパスな役の多い人が
普通の一般人や、今作の様に弱弱しい役を演じていると
それ、観てみたくなるのです。
全半に書いたように
多少コミュ障気味でおどおどした空気感の
カンバーバッチは流石に見事です。
ラスト近くの財産も家族もいなくて
一人で精神病院に送られている様子。
胸が痛くなるほどでした。
多くの芸術家が生きてるうちは評価されず
不遇な最後を送るなか、最晩年とは言え、
ファンに支えられて暮らせたことは
本当に、良かったな~
最愛の妻が猫の絵はずっと描き続けて~~
その言葉が本当に彼を救ってくれた。
いい話で終わらせてくれてホッとしました。