「閉鎖空間の宗教的狂気と人間の性欲」ビリーバーズ waisighさんの映画レビュー(感想・評価)
閉鎖空間の宗教的狂気と人間の性欲
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とある孤島で生活をする2人の男と1人の女。「ニコニコ人生センター」という宗教的な団体に所属している3人は、『孤島のプログラム』と呼ばれる無人島での共同生活を送り『安住の地』へと旅立つ日に思いを馳せていた。メールで送られてくる不可解な指令が、性欲や過度な食欲に物欲といった俗世の汚れを浄化し「安住の地」へ出発するための修行なのだ。だが、飢えとの戦い、突如現れた外界からの侵入者、ほんの僅かなほころびは、徐々に互いの本能と欲望を暴き出してゆく、というストーリー。
テアトル梅田が閉館なので何でもいいから、というチョイスで鑑賞。期待していなかったがなかなか面白かった。
振り切った狂気を演じる3人がそれぞれはまっており、特に宇野祥平の熱演は暑苦しくてよい。無人島で三人きりなので儀式の馬鹿馬鹿しさに客観的な視点がなくツッコミのないボケが段々と歪んでいく様子に引き込まれていく。
ヌードや濡れ場などのシーンがやや長いが、城定監督ということも見せ方もうまく、北村優衣の脱ぎっぷりとスタイルもストーリーに説得力を持たせている。
何気にテーマ曲がいいと思ったら曽我部恵一を主題歌に迎えていて驚き。
人間の欲を明らかにするにしては愛欲に寄り過ぎている感が否めない。あらゆる欲を描いてほしかったが原作があるのでそこは難しいところか。
また、あえてではあるとは思うがオチに広がりを持たせるのはいいが、やや広すぎる。それだけに最終的な印象が少しぼやけたかもしれない。
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