「舞台と映画の違い」まくをおろすな! ふく朗さんの映画レビュー(感想・評価)
舞台と映画の違い
30DELUXの殺陣を舞台『スペースウォーズ2023』で見たので映画も鑑賞。
主役の二人をはじめ、出演者の演技は素晴らしいし、1対1の対決ではなく、実写+CG補完の大群の激突でもない殺陣(チャンバラ)も素晴らしい。
セリフに英語が出てきたり、髪型や服装に現代が混じっているのは、気づかなかったことにしよう。
歴史上の実在の人物をモチーフにしているので、知っていたら活躍時期が違うとかツッコミを入れたくなるが、エンタメ作品と言う事で気にしないでおこう。
ストーリーも心に傷を持つモン太と出会ったブン太が二人で珍商売を初めて、事件に巻き込まれてブン太の秘密が暴かれる、でOKかと。
ただ、せっかく日光江戸村でロケをしたのにその風景に現実感がない。
どっぐかふぇが賑わっているシーンは秘密の集会所っぽく見えるし、将軍からの重大発表も寂しく感じるし、ラストの江戸を発つシーンも江戸では無くてどこかの宿場町に見える。
討ち入りの場面も、47人とはいかなくても全く人数が足りていなくて討ち入りに見えない。
舞台だと技術的な問題もあって簡素な物であとは観覧者の想像力委ねてOKだが、映画だと物凄く違和感がある。
江戸の街中のシーンはエキストラを集めて群衆を作らないと、現実に引き戻される。
(実際、資金にかなり制約はあったのだろうけど)
同じ人がどっぐかふぇにも江戸市中の民にも大坂の人にも出ていたりと、人手が足りていなくてチープ感が出てしまう。
何気なく見ている映画のエンドロールに出てくる人数を考えると、映画の制作には人手が必要なのだろう。お金がないからといって、エキストラを呼ばなければこれだけ安っぽく感じるのか、と映画という手法に物量をかけるのは必要なのだと深く感じた。
レビューで吉良上野介が生き残るのがおかしい、という指摘を見て私もそう思っていた。
が、3回目に見た時に吉良上野介は討ち入りで死んだ事になっていて、討ち入り後の岸谷五朗は死んだ吉良が素性を隠して武士として生活していると複数回見て気づいた。
ツッコミどころは多数あるけど楽しめたので★3つ。
主役二人の熱演に拍手、で+0.5とする。