「この日が現実として迎えられたこと、眼前の事が信じられぬほどだった」ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0この日が現実として迎えられたこと、眼前の事が信じられぬほどだった

2022年2月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

45年近くも夢見て待ち焦がれた事が現実になった。

実際に劇場の大画面でこの眼で、目の当たりにしているというその瞬間ですら、それが現実のこととは信じられないでいる自身がいた。

その“瞬間”(の集合体)は、良かったとか、最高だったとか、素晴らしかったとか、そのように言い表せる次元を遥かに超越したものでしかなかった。

終映後に拍手されている方達がいたが、自身の気持ち的には、そのように表現できる次元の心境とはかけ離れたものだった。(批判しているのではありません、それも理解できます。)

自身の半生以上の間待ち続け、生き延びてきてこの瞬間に立ち会えた事で、涙せずには居れなかった…..

追記(蛇足)

池袋の、関東圏最大とされるIMAXスクリーンと、このような音で聴くことは二度と叶わないと思われる音響装置による鑑賞を、初日に足を運ぶことが出来たこと幸いだった。
また、マルチ画面の効果が最大限に活かされていて、監督の思い入れと力量を感じざるを得なかった。

配信版のGET BACK も、それこそ何度となく観続けているが、その意義(目的とする事)が全く違うので。

昭和の時代には都内の名画座で時々行われていた、ビートルズ映画の3本立て(或いは初期2本)上映というのがあって、大抵3本目がLet it Beという事が多く、何度と無く観に行っていた。(イエローサブマリンは稀)

当時のイエローサブマリンは、アメリカバージョンだったので、ヘイ・ブルドッグが無いやつ。
これも後年、レストアされて元のイギリス版完全版となったものが再公開されて以降は、現在の版が標準扱いに。
その後、ゼメキス監督による新作3Dバージョンの製作がディズニーによりインフォメーションされた事があったが、(予算関係等で)実現に至らず、お流れになっているので、今回の作品がディズニーによるものである事も無縁では無いのかもしれないと思った。

旧作は何度も名画座の小画面で見て(テアトル東京の巨大スクリーンでのLet it be上映は行き損ねた)、イエローサブマリン再公開もミニシアター系だったし、Eight days a weekの時もIMAXでは無いシネコンだったから、今回の日本最大級画面に近いこのような映像で生々しい彼らの姿を見る事が叶った事自体が感無量な事であって、これまでの人生の中でも奇跡的な瞬間(日)であったと確信する。

 それで結局、最終日の5日目にも最後の見納めにと、もう一度観てきました。
一生の思い出(語りぐさ)でしょうね。

ただ(文句ではありませんが)、通常の映画と比して半分も無い上映時間なのに、しっかりと飲食しながら本編開始寸前までスマホ眺めてたりしてる方がいたりする事には、まったく驚きました。
つくづく、受け止め方のレベルは人それぞれなんだなと、思い知らされました……

アンディ・ロビンソン