カラーパープルのレビュー・感想・評価
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見たことあるはずなのに…
物語が進んでいく内に段々思い出して来た。
多分若かった自分には重過ぎたんだと思う。
映画のCMでクインシージョーンズの名前を見つけた時に見てみようと思った。
前作でも彼の名前はあったけど
ミュージカルだからか少しは柔らかく見られた
物語はテンポ良く、歌いながら、長い年月を流れて行く。
中でもアフリカでの王様のシーンは圧巻だった。
1番好きなのはセリーの歌声で
甘く少しハスキーだった。
ソフィアは笑えるくらい自由な振る舞い。
大人のネティにはだれ?って感じだった。
似てない
アリエルだったね。
暗く重くなりそうなストーリーを
音楽が明るくしてくれていた。
ミュージカルでさらっと明るく♪
前作より
心がズタズタになる酷いシーンは減って、
幸せなシーンが増えてました。
なので、ダメージは少なく見られます。
差別や偏見は消えない…
でもそんな人ばっかりではない、
支えてくれる人もいる‼️
差別を受けていい人なんていない、
自分に自信を持とう‼️
そんなふうに前を向ける映画でした✨
〜歳をとったなんて思わない
今が一番若いと思ってる〜
時代背景とあわせた差別意識に関する問題をこれでもかと突きつけてくる...
時代背景とあわせた差別意識に関する問題をこれでもかと突きつけてくる作品でした。主人公はそれに翻弄され続けるような描写が多くそれを打開しようとする主体性を欠いているように感じながら鑑賞していたのですが。終盤のシーンでは自然と涙が流れてしまったので知らず知らずのうちに感情移入してしまっていた自分に気付かされました。その他要素として各種効果音を使用したミュージカルパートが圧巻ですので見るのであれば劇場で楽しんでいただきたいということも追記しておきます。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ アフリカ系アメリカン女性哀史ドラマにせずに躍動感溢れるミュージカルの形で一人の女性の成長・自立・自己肯定賛歌にしたのが如何にも2020年代の映画らしい。
①またジジイの繰り言だと言われそうだけれども、若い人には信じられないだろうけど、1985年版『カラーパープル』は良くできた映画だったのに、白人(スティーヴン・スピルバーグ、白人でもユダヤ系だけど)が黒人が主役の映画を撮った事に批判的な意見が多かっし、アカデミー賞には全く無視されました(当時はスピルバーグはハリウッドで嫌われていたから)。
それが今や巨匠の伝説の名作と呼ばれているんだから時は流れるんですねェ。
②時は流れてもアリス・ウォーカーが「カラー・パーブル」で綴ったセリーの物語は古びたりはしない。
アフリカ系アメリカ人で女性で教養もなく不美人なセリーが、人種差別が根深いアメリカ南部社会で且つ驚く程男尊女卑なアフリカ系アメリカ人社会で、自分の価値に気づいて自立していく物語は却って多様性が認められるようになりつつある反面、反動や分断も激しい現代にこそ光を放つのかも知れない。
③
私は美しい!
主人公は黒人の女性で、自分の子供と妹から引き離され、望まない結婚を強いられ家を追い出される。
100年前のアメリカの話ではあるけど、男尊女卑、人種差別、覇権主義国家の描写もあり、現代にも続く問題は他人事では無いのだよと言われているようです。
暴力夫と決別した後、主人公がかつて追い出された家を取り戻し、「I'm Beautiful!」と、自分の人生は正しいのだと、歌い上げるシーンは圧巻でしたよ。
激しい黒人差別の中、さらに下の立場の黒人女性。男に従う者として当た...
激しい黒人差別の中、さらに下の立場の黒人女性。男に従う者として当たり前に扱われる社会の中、主人公が耐え抜き掴み取る幸せ。ハッピーエンドとして良いが、ミュージカルじゃなかったら残虐さが際立って観るの辛かったかもしれない。
ホンモノの歌唱力に魅了され😭
ミュージカルにアレンジした傑作の誕生です。素晴らしい作品でした。幾多の苦悩を乗り越えた先にあった幸福を掴みとることができて本当に良かったです。
誰でも平等に手に入れることができる象徴として紫色なんですね。尊い。
15
途中ドロドロに重たくも最後完全ハッピーエンドって感じで、そんなうま...
途中ドロドロに重たくも最後完全ハッピーエンドって感じで、そんなうまくいくかなって感じはあったし想像どおりの展開であったけど、まぁ映画というよりはほんと舞台(ミュージカル)なわけだし、トータルは楽しめました。
原作、スピルバーグ映画、ブロードウェイ舞台 を経て 洗練された 人種、性別差別の苦難 と力強い歌声。だが チト人間関係わからない と言うのは言わないお約束❗️
本作は皆さんご存知のとおり ①賞を受賞した原作 ②スピルバーグの1985映画 ③複数機会にわたる舞台
をすでに経た作品【個人的な感想だけど、スピルバーグは本作でオスカー取れなかったから、じゃあこれならどうなんだ❗️と敢えて自分の出自に踏み込む「シンドラーのリスト」ロマン・ポランスキーに譲らず 映画化したと思う】
本作監督は アフリカ ガーナ🇬🇭出身 まさに 洗練された上に 本家本元の感じが・・ミュージカルの良さに気づく
自分の出自だけに描写は容赦無い。スピルバーグの残酷な晴天に対して 本作は陰鬱な雨天
さらに本作はアフリカに至る海🌊 そして 旦那「ミスター」がなぜか最後赦されてる 男性描写掘り下げ
人種差別の苦難【ただし本作では市長夫人に楯突いて投獄くらい】そして新たな支配者 父及び夫の家父長制
と
ゴスペル、ブルース、ジャズその他黒人源流音楽にダンシング💃 の融合
容赦無き暗い現実と それに負けそうだけど踏ん張るでも無力な健気さ そして 真の人としての目覚め、真のファミリー
でそこそこ 骨太 だけど それに負けないぐらい 黒人女性ボーカルが力強い❗️
スピルバーグは製作にクレジットされてるが 元祖映画化してるだけに こういう監修的な立場で強いだろうね。
【個人的には スピルバーグ氏は ウエストサイド・・含め ミュージカル得意で無い気がする】
苦難から人間賛歌 赦しへ
それぞれ 各種受賞者 名声を得ている3名の黒人女優が 貫禄十分で
セリー シュグ ソフィア を演じてる というより歌い上げている 素晴らしい黒人パワー。
色彩のメリハリが後半に向けて盛り上げる
姉妹の愛情 女性同士の連帯 は素晴らしいし頼もしい
だがわからないのだ
・旦那の「ミスター」と主人公の父親がストーリー上も 外見もよくわからない😵💫
・「ミスター」と長男❓ハーポ【酒場開く ソフィアと結婚 その後】
・「ミスター&父親の女性関係」
あと スピルバーグでは控えめだったLGBTQ描写出てきて 近親・・と併せ「そうくるかぁ❗️」とビックリだ❗️
でもみなさん ブロードウェイ演劇版含め経験則十分の熱演 熱唱は素晴らしかった。
あと 日本で言うと大正時代から昭和戦前の 描写は特筆すべき点も無いけど 粗もない描写
有料パンフ🈶は ホームページと「プロダクション・ノート」が一部被ってますが オリジナルが大半
「コラムで総括したい 私のような【ウソ】 学究肌 求道者【これまたウソ】には最適です😊
音楽歌唱が スピルバーグ版、舞台版 そして本作オリジナルと盛りだくさん
故に 有料パンフでは 37局中18曲を紹介 でも ゴスペルどころか R&B 何ソレ❓の音楽無知 通知表
小学校から高校まで 永遠の0️⃣ならぬ 「永遠の③」の 偏差値小細工野郎のワシには どのみち ネコに小判 であった。
でも 音楽と 場面は 正直消化できてないけど 雰囲気良かった 心地よかった
と 抽象的表現で 誤った勝利🏅作品征服感に酔うジジイでした。
有料パンフ🈶全部読み切って ホームページも全て熟読で この程度の俺って・・・イヤイヤ
人間はそれぞれ価値があるのだと 自分で自分に 赦しを与えるジジイでもあった。
感動したがミュージカルの感動に騙されて、大事な問題が凄く「浅く流されてしまった」ような違和感が残った。
スピルバーグ映画化作品と同原作のミュージカル版。
セリー、ソフィア、シュグ三人と、そしてエンディングの歌が素晴らしい。
エンディング後、拍手が起きました。
黒人差別の中で、黒人の世界でも凄まじかった女性差別を中心に描かれています。
父親に子供を取り上げられ売られ、父親からも行為を強要されたり、金や牛でやりとりされる娘たち。
主人公セリーは、黙って従い、牛と引き換えに嫁がされた夫から家事を強要され暴力も受け、妹も襲われる。(妹が逃げ込んできたら当然その流れになると思うが。)
自由に振る舞う強い女ソフィアの登場に溜飲が下がるが、やがてより悲惨な差別を受ける。
スピルバーグ版は未見、原作未読ですが、ミュージカルであることと、現代の制限から、その辺の表現はこれでもきっと控えめと思え、表現が浅い印象。
なぜ、従わざるを得なかったのかの背景も描いてほしかった。
中盤以降、セリーのもとに裕福になったシュグが帰ってきて外の自由世界に連れ出してくれる。
さらに、店の権利も転がり込んできて、完全に自立。
妹も妹と偶然一緒だった子供たちも帰ってきてハッピーエンド。
よかったよかった、か????
あまりに都合よすぎないか?
観終わった後、感動はしたが、何かミュージカルの感動に騙されて、大事な問題が凄く「浅く流されてしまった」ような違和感が残った。
原作とは別物の、楽しいミュージカル
アリスウォーカーの原作は、アメリカに住む黒人女性のものだと思っているので、日本のアラフィフおじさんゲイが批評すべきかは悩むところ。中身はとにかく薄い。ミュージカル映画として楽しむならあり。ファンテイジアのアイムヒアはおそらく撮影時に録音されたものと思う。魂のこもった歌唱で、この場面で震えた。サントラの歌唱は薄いのでオススメできない。ファンテイジア2010年のアルバムで同曲をすすり泣きながら歌っているので、そちらのほうをオススメする。ほとんどの曲をブレンダラッセルが書いている。さすが美メロ職人。どの曲も素敵。h.e.r.とかシアラも出演してるのだけど、ほぼ歌う場面がないという、ある意味、贅沢な使い方でずっこけた。
黒人男性による女性への虐待描写、白人による黒人差別描写、性描写は驚くほど希薄。が、同性愛描写は1985年作品よりも鮮明で、このバランス感覚は現代の若者にはしっくりくるのだろうか。いきなり主人公が妊娠状態で始まるのだけど、原作知らない人は、誰の子?てポカン状態ではないかと思う。ポリコレ要素を詰め込むのは最近の流行りなのだろうが、個人的には好かない。
俳優陣頑張ってる。けど、1985年の同名作品を知っているアラフィフとしては、やはり今作は負けている。アカデミー賞で男優賞以外の主要部門全てでノミネートされていたのに、無冠だったことでも有名な1985年作品。まあ全くの別物なので比べたらいけないのだろうが。今作を見終わった後、1985年作品を見たくなり、早速ポチッた。
【”赦しと奇跡の再会。”傑作オリジナル作品に、ブルージーでソウルフルな楽曲と、ダンスを加え一層魅力を増した紫の肌の女性達の生き様を見事に描いた作品。姉妹が数十年振りに再会するシーンは矢張り沁みます。】
ー 数日前にオリジナル作品を鑑賞したばかりだったので、”魅力が減ってしまうかな。”と思いながら劇場へ足を運んだのだが、全くの杞憂であった。ー
■1909年、米国南部。セリー(ファンテイジア・パリーノ)は父親に虐待され、女の子と男の子を授かるが、父親に売り飛ばされてしまう。更にミスターという粗野な男と結婚させられ夫の暴力に耐えながら、離れ離れになった妹ネティ(シアラ)からの手紙を待つが、一通も届かない。
或る時、夫の元恋人で歌手のシュグ(タラジ・P・ジョンソン)が家にやって来て、ミスターに対し、言いたい放題で自由奔放な彼女に惹かれて行く。
◆感想
・上映時間2時間21分の作品であるが、体感1時間半である。それ位、大スクリーンで繰り広げられるど根性な紫の肌の女の人達の生き様と、それを彩るブルージーでソウルフルな楽曲と、ダンスに魅入られたのである。
・セリーはシュグや、自分の主張を曲げない男勝りなソフィアにも惹かれて行く。
ー 故に、ソフィアが高慢ちきな白人市長夫人から侮蔑の言葉を受けた際に抵抗し、長年留置場に入るのだが、セリーは毎週の面会日に彼女に会いに行くのである。
そして、留置場から出て来た屍の様なソフィアがセリーに言った言葉。”アンタが毎週、来てくれたから・・。”-
■今作は、オリジナルと同様に愚かしき男と、それに屈せず生きる女性達の姿を軸に描いているが、ミスターが飢饉などにより打ちのめされ雨の中、農地に突っ伏しながら”改めます。”と神に祈るシーンなどは彼の改心も描いていて、作品の幅を広げていると思うシーンであった。
<ラスト、セリーやシュグやミスターが集う場に現れたネティがその夫と子供をセリーに紹介するシーンは矢張り沁みる。
序でに言えば、ネティが帰国できるように取り計らったのは、愚かしき夫であったミスターである。
今作は、オリジナルを観ていなくてもとても心に響く作品ではないかな、と私は思います。>
黒人、女
と言うだけで、屈辱に塗れ、歪んだ人生を送った人が居た
が、それにもめげず抗い主張し続けたことで、切り拓いて
きた。
その歴史を書籍化しピューリツァー賞を受けた作家は
どんな心持ちで本作を観るのだろうか?
僕は音楽ファンでもあるので、
優れたR&B映画として本作を評価するが、
締めと随所随所の
キリスト賛歌には辟易の思いを抱かざるを得なかった。
イエス。と言うありもしない。神の神子を理由に
暴虐の限りを尽くしてきたコーカソイドの歴史に
何一つ評価賞賛を贈るべき理由はない。
悔い改め、他者の不備に漬け込んできた事実に
懺悔の念を持っていただきたい。
そう、意気込んでしまいたい。
が、今日はきっと昨日より良い日が来る。
と信じて生きたいので、本作の公開に感謝の気持ちを
贈ろうと思う。
カラーパープルは仏道最上の色也◎
心は繋がってる。
父に虐待され、10代で望まない結婚を強いられ、心の支えでもある唯一の妹と離れ離れにさせられた黒人女性セリーの話。
産まれて早々取り上げられ、自分の子とも離れ離れ、後に「悪魔と呼ばれてる」ミスターと望まない結婚、その結婚生活とは奴隷の様な扱いの生活だった…後に黒人女性のソフィア、シュグという2人の女性に出会い、今まで見たことのない世界と強い心の2人を知り、自分の生き方を改める…。
結果から書いてしまうと、とても良かった。
本作観る前はちょっと苦手な作風、上映時間が長いでシンドイなと思ってたんだけどミュージカルで進んでくストーリーと理不尽な男達の振る舞いが「何なのこの男達?!」で、何か飽きず、時間も感じずでさくっと観終わってた。
セリーの弱い心が二人の女性に出会えた事で強くなってく様と、ずっと心にいた妹ネティ、子供達との再会のラストには涙。
でもラストの集まりに、自分を奴隷の様に扱ったミスターを呼んだのには違和感。
文句なし!ミュージカルで正解
文句なし!
スピルバーグ作品のミュージカル版だが
むしろ見応えがある。
前半は黒人奴隷の現実、黒人奴隷の格差の
厳しさを思い知らされたが、仲間の励ましに
よって自分を取り戻す人生を前向きに
生きなくてはいけないと思い知らされた。
見応えもあったし、考えさせられた。
作品版も観てみたい。
観て良かった。これぞ映画。
人には存在しないパープルも愛でる
女性の権利と主張が蔑ろにされていた時代に抗う女性たちの力強い姿に感銘を受ける。自分を救うのは自分自身だが、神は様々な所にいて見てくれているとも思える。
ミュージカルシーンも喜怒哀楽のバラエティ豊かで観ていて楽しい。
音楽とダンスを楽しむだけの映画だった。
1985年のカラーパープルは観てなかったので、あらすじは全く知らず着席。
ふーん、1909年の話なんだ。
ん?黒人のセリーは若そうな女子で結婚もしてないのに子供産んだ!?しかも2人目??生まれたばかりの男の子アダムは、おじいちゃんに殺されたのか?何だか分からず。こうなっちゃうのは当時、避妊ができなかったからだろうな。男女や夫婦の関係も現代とは全然違ったって事だよね。するとミスターと結婚する事に。あら、恋人じゃないのに父親に押し付けられた。まるで奴隷とか家政婦の様な生活だ。
自分は外国の歴史を知らないので、凄く不思議に感じたのが、当時のアメリカ南部は、ほとんどが黒人さんだったの?みんな英語を喋ってるのに、白人全然出てこなくて、近くの街のメンフィスの名前が出てくるまで、どこの国だか分からなくなってた自分。
前半は歌って踊っての連続でかなり楽しかった。ストーリーと全く関係のない人達とのパフォーマンス、楽しかったです。
意外だったのが、結構長い話だった事、1909年から40年近い先の未来まで。戦争は絡んでこなかったけど、まるでNHKの朝ドラじゃん。
最後のオチは想像通りだったけど、2時間を超えたあたりから、あ、これで終わりかって何度も思ったくらい、長さに違和感。
久しぶりに共感度ゼロの苦手な作品でした。
ミュージカル化?いや、これはまぎれもなくリメイク
〔カラーパープル〕は1985年の
『スティーヴン・スピルバーグ』監督による{ストレートプレイ}版
(正しい表現ではないのだが{ミュージカル}の対語として)も観ているが
その時とは鑑賞後の感じ方が随分と異なる。
強いて言えば、
前作は黒人女性の「リベンジ」を含めた「自立」の物語り、
対して本作は大いなる「許し」「寛解」の物語り。
今回『スピルバーグ』は製作として名を連ね、
『クインシー・ジョーンズ』は
おそらく音楽関連だろう同様にクレジットされており。
原作者の『アリス・ウォーカー』は
娘の『レベッカ』と共に製作総指揮としての立場だが
その影響もあるのだろうか。
(もっとも、もう四十年も前に一度観たきりなので、
記憶はかなりあやふやなのだが・・・・)。
先の作品でも何れも良質な音楽は既にして印象的だった。
冒頭、二人の少女が歌いながら手遊びをするシーン、
『セリー』の夫『ミスター』の横暴を揶揄するように歌うシーン、等々。
{ストレートプレイ}にもかかわらず
多くの楽曲で溢れていた。
本作は{ミュージカル}とのこともあり、
その面では更にパワーアップされている。
外連味のある集団でのダンスシーンを含めて。
また、鳥肌が立つほどの
最期の一連のシークエンスはとりわけ感動的。
とは言え、黒人女性が虐げられてきた歴史の描写はそのまま。
ただでさえ白人からは差別されているのに、
その中でも女性は一段低い地位に在り、
生まれては父親から、嫁いでは夫から暴力と性的な抑圧を受ける。
まさに女は三界に家無しの状態が、
親から子から孫へと連綿と繋がって行く。
もっとも、そうした男性の側も
親から女性に対しての偏見を教え込まれ、
暴力を振るうのを当たり前に見てきたことを考えれば、
子供は育てたように育つとも言うべきか。
そうした負の連鎖を断ち切るきっかけは
社会環境の変化もさることながら、
個人の心の解放が大きな要素となることが印象的に描かれる。
やはり記憶に残るシーンは
訪ねて来た夫の父親に水を出す時に
コップの中に唾を吐き入れ素知らぬ顔で渡すなどの
最初は小さなレジスタンス(これは先作でも同様)。
やがて次第に大きなうねりとなり、
激しい抵抗へと昇華する。
一つ主人公に限らず
牧師の娘でブルース歌手の『シャグ』についても
同様な「許し」がサイドストーリー的に語られる。
彼女は『セリー』を導く役柄が有りつつ
個人的な葛藤は抱えている。
もっとも、こちらに暴力性は絡んではいないのだが。
総じて、単なる{ミュージカル}化ではなく、
イマらしい要素も取り込んだ「リメイク」が本作の本質ではないか。
『ミスター』を
直ぐに暴力に頼る粗野な男とステレオタイプに貶めるだけでなく、
複雑な人間性を付加したこともその要素になっている。
全187件中、121~140件目を表示