「0.01%の幸せとも呼べないくらいの幸せ」カラーパープル U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
0.01%の幸せとも呼べないくらいの幸せ
酷い境遇だ。
でも、生きてさえいれば幸せが訪れるって事なのだろうか…とても不可解だ。
おそらく10代から話しは始まって、その時点で子供を産んでて、更に孕ってる。産まれた子供とは、直後に引き離される。ろくでもない男に嫁がされ、DV以上の事が続く。家の中で人権など認められてないような扱いだ。その旦那は、シンガーに入れ上げ、その世話をやらせる始末。
…そういう時代だったのだろう。
事実上の奴隷制度や人種差別が大手を振って通りを闊歩してる。
まるで生き地獄だ。
そんな彼女も晩年になって幸せを掴むのだけど…生き別れた妹と再会し、子供にも会い、孫にも出会う。自分に地獄を味合わせた元夫とも笑い合える関係だったりする。
生きてさえいれば、報われる時は必ずくるって事なんだろうか?まぁ生きてるだけでも駄目なのだろうけど。
最後の唄だけに何故かウルっとする。それ以外の時間は早く終われと思ってた。
つまり、俺には立ち去る選択肢があって現実ではない。でも彼女は逃げられない。
オリジナルの公開当初はもっと肌感が強い時代でもあったのだろうと思う。
アレが繰り返される事はないだろうとは思うけど、露骨てはなく水面下では行われてる節もある現代にうんざりもする。
99%の不幸の中、訪れる1%の些細な幸せがあれば、人は生きていけるのだろうか。
彼女は常に絶望と隣り合わせにいる。そんな中でも生きる糧を見出す。妹の存在だったり、友人だったり。まるで不幸が当たり前だから、慣れきってしまってるようにも見える。
時代に殺されかけそうにもなるのだろうが、ある意味強い。
神の御心のままになんて言葉が頻繁に出てくるけれど、それを隷従とか盲従に捉えてしまうのは俺の奢りなんだろうな。
晩年ではあるけれど、彼女の我慢が報われて良かったと思う。