ドント・ウォーリー・ダーリンのレビュー・感想・評価
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男性批判?インセル批判?
「ゲット・アウト」の雰囲気と「マトリックス」のSF要素を持った、「プロミシング・ヤング・ウーマン」系統の強烈なフェミニズム映画。
こう書くと過去作の切り貼りで作ったようで聞こえが悪いが、エンタメとしては本作なりの個性も感じられて十分面白い。得体の知れない不安を感じさせるサウンドと、フローレンス・ピューの緊迫感のある演技によるところが大きいだろう。
(要は1950年代パートは全部マボロシってことですよね?「本部」が現実世界との接点で、ラストでアリスは催眠から目覚めたと解釈したんだけど、同行者は違う解釈だった)
本作の主張は、かなりざっくり言うと次のようなものであるように見えた。
男の持つ歪んだ理想が、女性の社会的自由を奪っている。古き良き時代(1950年代)の男目線の理想郷など、現実味のない、忌むべき妄想にしか過ぎない。
ところで、上記の「男」は、具体的にはどういうカテゴリーをイメージしているのだろう。
作中でバニーを演じたオリヴィア・ワイルド監督は、ヴィクトリープロジェクトの首謀者フランクについて、「インセルコミュニティのエセ知識人ヒーロー」ジョーダン・ピーターソンをモデルにしたと明言している。存命のモデルを明言したキャラを刺し殺したりしてしまうところは、さすがアメリカ映画。
インセルというのは「involuntary celibate(不本意の禁欲主義者)」からくる造語で、ネット上で顕在化する、自分が恋愛やセックスを出来ないのは女性のせいだと考える女性蔑視主義者のことだ。インセルを標榜した犯人による事件もアメリカでは複数起こっている。
後半の回想で、現実世界の冴えないジャックがネットでフランクのサイトを見ていたシーンは、本作の批判対象がインセルという特定の層(あるいは特定の考え方)であることを表現していたとも取れる。
監督が、男性の中でもそういった特定の層に対する批判を描いたつもりなのか、または男性は多かれ少なかれ全員インセルの素質を持っているという前提で(いわば主語を大きくして)性別括りの批判を繰り広げたのか、今ひとつ曖昧ですっきりしなかった。それとも、ジョーダンをモデルにしたことにそこまで根本に触れるような意味はなくて、男性はみんな内心では昔みたいに女性を従えたがってるよね、という、もっと大味な男性批判なのだろうか。
「プロミシング・ヤング・ウーマン」では主人公の助けになる男性もいたので性別レッテルを貼るつもりはないということが伝わってきたのだが、本作はそういう存在がいないことがこの曖昧さの原因かもしれない。
もうひとつ、本作では現実世界のアリスが、仕事に疲れてあまり幸せそうに見えないのも気になった。仕事で人生充実してる感をもっとしっかり出した方が、ジャックの理不尽さが際立ったのでは?
そもそも、女性は働く方が幸せなんだというのも決めつけで、バニーのようにああいう世界を望む選択も否定されてはいけない。どちらの選択肢も尊重されることこそが自由というものだ。
主役の名演技にスリラー要素からカーチェイスまであって、サブリミナル的映像も思わせぶりでエンタメ性は十分なのだが、多様性が称揚される時代に、「男=全員インセル気質、女は働く方が幸せ」という単純化されたメッセージを与えかねない作りは正直一時代前のものに見えた。
【”知ってはいけない夫の仕事。そして創り出されたパラノイア。”今作は、幸せだったが真実を知り精神的に追い詰められて行く妻を演じたフローレンス・ピューに引き込まれるサスペンスホラーである。】
■愛する夫・ジャック(ハリー・スタイルズ)と幸せな日々を過ごしていたアリス(フローレンス・ピュー)はある日、出かけたバスの中で飛行機が墜落するのを見て運転手が制止するのを振り切って坂道を登って行く。
だが、彼女はそこで”不思議なモノを見た後に”いつの間にか自宅で目を覚ます。夫は楽し気にパーティの料理を作っている。
その後、彼女の知り合いの妻マーガレットが、夫が務める会社のトップであるフランク(クリス・パイン)が開いたパーティーの最中”ここにいては、駄目”と叫び逃げ出す姿を見たり、彼女が屋根の上で首を掻き切られたりする姿を見るが、周りは気づかない。
次第に精神が不安定になるアリスだが、徐々に自分達が住む街に疑問を持ち始める。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭の幸せそうなアリスとジャックの姿から、物語はドンドン不穏な雰囲気になって行く。楽しそうに料理をするアリスが”ビクトリー食品”から届けられた卵を割ると、中身がないシーン。何個割っても、黄身も白身も出て来ない。
・”現実”に異を唱えるマーガレットが、精神錯乱のようになっている時に現れる赤いスーツを着た男達。で、マーガレットは消えてしまうのである。
アリスは、”現実”に対し、疑問を持ち始めるのである。
・そんな中、フランクが開いたパーティーで、突然”上級顧問”への昇格を”皆の前で”告げられるジャック。周囲の妻たちからは羨望の目で見られるが、アリスは嬉しさを感じずに、逆に不自然さを覚えるのである。
■そして、徐々に彼女が付き留めて行くフランク夫婦が作り上げようとしている”ビクトリー計画”による”夢の様な世界”
激しく抵抗するアリスは、赤いスーツを着た男達に連れ去られ、手術台に乗せられて、手術を受けるのである。
その際に、彼女が思い出すアリスとジャックの真実の世界。それは、アリスが外科医で過酷な仕事をする日々で、夫のジャックは無職で無精ひげを生やし、パソコンに向かう日々・・。
<今作は、幸せだったが真実を知り精神的に追い詰められて行く妻を演じたフローレンス・ピューと、不可思議な世界に引き込まれるサスペンスホラーなのである。オリヴィア・ワイルドさん、監督としても才能あるなあ。>
■余談
・私は、フローレンス・ピューの主演作は全て鑑賞したと思っていた。
彼女が大ブレイクした「ミッドサマー」。その前に公開されたど根性女性プロレスラーを演じた「ファイティング・ファミリー」。その後「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」。そして、ブレイクしたが故に日本で遅ればせながら2020年に公開された長編初単独主演作「レディ・マクベス」。あとは、スカーレット・ヨハンソンと共演した「ブラック・ウィドウ」。
だが、この映画は存在すら知らなかった。コロナ禍だったから?フライヤーすら持っていない。で、調べたら、これだけ豪華キャストなのに、日本での公開館が僅か300館・・。 何で?私も「ビクトリー計画」に巻き込まれたのかな・・。マダマダダナア、私・・。
すごく惜しい
ラストに向かって盛り上がっていくんだけど、
まぁそこで終わるよなってとこで終わる。
ボスの妻が、あそこから何するのか、
本部で、現実に戻ってどうなるのとか。
最後まできっちり描けば、
もっと良い作品になったのではと思う。
すごく惜しい。
フローレンスピューは最高。
仮想現実
仮想現実の世界のようだが、中盤以降で出てくる短い現代の模写はラストにつながっていないのが難解だった。
何故、現代の世界では主人公が何故Drなのか? 覚醒されているから操作されているのか?
いきなり謎のままラストを迎えるのが何とも。。
不可思議な世界
上層階級での晴れやかな生活を送っているかと思いきや、それは空想の世界で、現実はベッドに固定され、何かを刷り込まれている日常。
自分の意志はそこになく、単に冴えない彼氏が夢の中での成功を希望したがために、巻き添えをくっているだけ。
蓋を開けてみれば何とも悲惨。
ただ、本部を介しての現実と空想世界の成り立ちなどは全て謎のままなので、謎は謎のままで納得できる人でないと面白くないかも。
終盤からは少しずつ面白くなったが、そこまでが間延びしすぎていて、私にとっては退屈な映画だった。
男はしっかり外で働き、女は男のためにせっせと掃除、料理、洗濯に勤しめよ、という男の理想を具現化させる世界なのかな。女を引き留めるためのエサが妊娠ってのも笑えない。
タイトルなし(ネタバレ)
私の理解力がダメダメなんですかね? 執拗に出てくる踊り子集団は何? 単にレトロな演出とは思えない執拗さで。主人公の前身は医者のはずだから、それも当時の職とは思いにくいし。誰か教えて下され。
名作の結成集のような作品
The Stepford wives、A Clockwork Orange、The trumanshow、Surrogatesなどを彷彿とさせる作品。個人的に好きだったのは50年代の車達の出勤風景と終盤のカーレース。カラフルで圧巻。監督のオリビア・ワイルド自身も作品に出演していてキーパーソンとなっているのが作品を盛り上げている気はした。主人公のアリスのその後が気になる
ん〜
砂漠の真ん中に飛行機が墜落する幻覚を見て、本部を訪れてから不審な現象がアリスの周りに起こるようななる話だが、
本部に行っては行けない理由、幻覚を見るようになったりジャックを疑う理由が少し弱すぎる気がした。
黒幕はフランクでアリスの家に招いたパーティで答え合わせするのかな〜と思いながら見ていたらみんな退散して悲しかった。。笑
ラストはジャックの重すぎる愛情にびっくり
フェミニズムをうまく表現してるのかな
完璧な生活に違和感を感じ始めた女の話。
80年代?を意識した街並みに見惚れてたら
急に異変が起き始める。
ちょっと不気味な演出と
ピュー様の素晴らしい演技で見入ってしまいます。
そして何が起こってるのか分からないまま
話の終盤まで進むのでとても引き込まれました。
心理的スリラーを想像してたので
結末には少し驚きました。
現実と仮想のハリースタイルズのギャップが
すごすぎて笑いました。
仕掛けが分かってからはストーリーは
淡々と進むだけですが、
今作の見どころはフェミニズムを
うまく表現してるところかなと思います。
女性にとって完璧な世界とは。
男に決められるものじゃなくて
私たちで切り開いていくのよー!
というバービーにも似たメッセージでしたね。
舞台を80年代っぽくすることで
昔の男性中心的な考え方を
皮肉っぽく表現してたと思います。
愛情の恐ろしさ
相手の人生を奪う程の執着。愛情の怖さ。
あんなに酷い目に遭わされたのに現実世界に戻ることを躊躇するのはやはり彼への愛情で、相手も自分も縛り付ける恐れがある愛情。怖い。気をつけよう。
タイトルなし(ネタバレ)
男は仕事、女は家庭っていう昔ながらの夫婦のあり方を再現した仮想空間のお話。
ジャックとフランクをわざわざ殺すのはフェミニズム的表現なんだろうけど結構露骨で嫌だな。
この生活を自ら選んでいる女性もいるっていう描写を入れたのは良かった。
みんなそれぞれ好きに生きたらいい。
最後簡単に逃げられちゃったし、本部に触れたら戻れるとか、現実世界の身体はどうなってるの?家に放置?とか、細部は結構雑だなと思う。
綺麗な世界
大きな家、イケメンの夫、恵まれた環境、優雅な生活
「なぜ私たちはここに居るの」
1人の友人の言葉から世界に疑いを持ち出すアリス
見れば見るほど異常な世界の中で
何もかもが異常に見えてくるアリス
全てを享受する、全てを支配することによって“本来の自分”を実現することは不可能なのだろう。
愛故の行動が2人にとって最適とは限らない。
二人の時間も大切だし、仕事も大切。思いやりとはその人らしくいられることなのではないだろうか。
世界内での設定やカーチェイス、墜落の描写、それぞれの女性たちの思惑が少し曖昧だったのが残念。
プログラムの世界ならもっと突飛な演出も入れられたのでは?
面白かった
テンポよく展開するのでストレスフリーで観た。
ハスキーボイスの体育会系女子アリスはミッドサマーの彼女だったか。
走りっぷりが気持ちいい。
車も家も服装もレトロだがおしゃれ。
御伽話に出てきそうな街。
朝の出勤のお見送りの風景も漫画のよう。
時折流れるバレエ?のシーン。
エンディングでもあったが、人間の手足を使った動きがきれいで見惚れてしまう。
後半にようやく過去の話が出てきたが、結局真相は謎。
「本部」に駆け上がるところで終わってしまうが、愛するジャックには…会えないのか?
仮想空間の死は現実ではどうなる?
カーチェイスはいいのだが、あそこから先が知りたいのよね。
終わるのが早いんですけど〜。
アメリカ南部の男性が考える理想から現実は離れていっているのだ
似たような作品でオチを考えた場合、現実の世界では、主人公アリスとその夫ジャックは顔見知り程度か、それ以下の関係になることがほとんどだろう。
しかし本作はそうではない。アリスとジャックは現実でも夫婦か、同棲している恋人同士なのだ。
ここが、この作品の注目すべきポイントだろう。
現実世界のジャックが何を考えたのか正確に判断することはできない。
不甲斐ない自分を強くみせたかっただけなのか、本当に疲れ果てていたアリスを救おうとしただけなのか、アリスに負い目を感じていたのか。もしかしたらもっと単純に、忙しすぎたアリスにかまってもらいたかっただけなのかもしれない。
いずれにしてもこの街へ入る決断をする前にジャックとアリスはもっと話し合うべきだったのだと思わずにはいられない。
と、色々と好意的に解釈してみようとしたけれど、結局は、監督がオリビア・ワイルドであることや、現実でも妻より収入が少ない夫が家事をしているとしても耐えられず離婚するケースもあるので、男の虚栄心やプライドが生み出した幻想の物語だったのだろうな。
終わったあと思い返してみたら、街にいる男性諸君にはどことなく漂う小物感があったもんね。
とはいえ、この一部の人にとっての理想郷は、受け入れている女性もいるわけで、一方通行の決めつけにしないバランスは良かった。
「女はこう生きるべき」みたいな決めつけをしようとする勘違いフェミニストとオリビア・ワイルドの違いだろう。
アリス・イン・ビクトリーランド。 あなたはシンデレラを羨む?それとも蔑む?
周囲を砂漠に囲まれたユートピアのような町を舞台に、専業主婦アリスを襲う不可解な出来事と恐怖が描かれたフェミニズム・サイコ・スリラー。
監督は『TIME/タイム』(出演)や『her/世界でひとつの彼女』(出演)の、女優としても活躍するオリヴィア・ワイルド。またオリヴィアは、アリスの友人バニーを演じている。
幸福な結婚生活を送る専業主婦、アリス・チェンバースを演じるのは『ミッドサマー』や「MCU」シリーズのフローレンス・ピュー。
仕事に勤しむアリスの夫、ジャック・チェンバースを演じるのは『ダンケルク』『エターナルズ』のハリー・スタイルズ。
「ビクトリー計画」の責任者である町の最高権力者、フランクを演じるのは『スター・トレック』シリーズや『ワンダーウーマン』シリーズのクリス・パイン。
フローレンス・ピューとハリー・スタイルズが主演という情報のみを頭に入れて鑑賞。
あらすじはおろかジャンルすら知らない状態だったので、一体どういう物語になるのかワクワクしながら映画を観ることができました♪やっぱりこのくらい何も知らない方が映画鑑賞は楽しめるね。
内容としては『マトリックス』(1999)と『ブラック・スワン』(2010)を足して2で割ったような感じ。次から次へと起こる怪奇現象にはハラハラビクビクするものの、まぁぶっちゃけ既視感は否めない。
というか、主人公の名前がアリスであることが判明した時点で「あ、これそういう映画なのね…」と大体の予想はついてしまう訳で。割と予想通りに物語が進行していってしまい、そこにはちょっとがっかり。
”本部”のある小山からなんとなく『ホーリー・マウンテン』(1973)味を感じていたのだが、最後まで観てみるとやっぱりそういう事でした。また、アリスが攫われる時に靴が片方落ちるのは「オズの魔法使い」や「シンデレラ」を意識しているのだろう。
なんと言うか、スイングの効いた映画ではあるのだが先行作品からの引用が素直すぎるきらいがある気がする。まぁやりたいことはわかるんだけどね。ちょっとやり方が露骨だよね😅
いっそのこと、実は砂漠には人喰いミミズが生息していた!みたいなモンスター映画だったら良かったのに…、なんて勝手な事を言ってみる。
テーマはど直球、火の玉ストレートなウーマン・リヴ。
女性解放をなんの衒いもなく描いており、そこも大変素直。…素直ではあるのだが、あまりにも直接的すぎて少々えぐみを感じる。
ちょっと男の描き方に悪意が込められ過ぎてやしませんか?男はみんなクズ!全員死ね!!みたいなね。
ハリー・スタイルズもクリス・パインもあのお医者さんも、メインどころの男キャラは皆殺しですからね💦もう少しオブラートに包むというか男側に歩み寄るというか、そういう姿勢って大事じゃないっすかね。過度に強硬な態度は他方からの反感を買い、さらなる対立と隔絶を生みますよ。
近年、益々の盛り上がりを見せるフェミニズム運動。2023年のノーベル賞も、平和賞のナルゲス・モハンマディ氏や経済学賞のクラウディア・ゴールデン教授など、女性の地位向上に尽す人物への受賞が目立った。
映画界ももちろんその流れに沿っており、さまざまな角度からフェミニズムを扱った名作が続々と生み出され続けております。
本作もそういう流れのなかにある作品なのは言うまでもないが、「女性が皆んなおんなじ方向を向いている訳ではない」ということを強く提示している点にはなかなか独自性がある。
この〈ビクトリー〉という町では、女性は皆シンデレラのような生活を送る。綺麗に着飾ってお家を綺麗にし、王子様からの愛を一身に受けるのである。これは50's〜60'sに生み出された〈理想的な女性像〉そのもの。
第二次世界大戦中、男たちは戦場に駆り出されていたのでその代わりに女性が工場での労働や農業など、国内の生産を担っていた。40年代前半は女性こそが主な労働力だったのです。
しかし、終戦により男たちが帰ってくると、女たちはその席を開け渡さなくてはならなくなります。その時に用いられたのが「男は仕事、女は家庭」という価値観だった。「男は仕事をするものなんだから、女性の皆さんはそんな男性をしっかりと支えるため、家事を頑張りましょうね〜」という価値観が植え付けられ、女性たちも「あらそうなの?それならまぁしょうがないわねぇ…」と労働者の地位を明け渡した訳です。
「マイホーム、マイカー、広い庭、オーディオセット、白い大型犬、可愛い子どもたち」みたいな、”にこにこ幸せカタログ”が生まれたのもこの時代。この未だ根強く続く価値観に変革をもたらすことこそ、現フェミニズム運動の目的なのでしょう。
しかし、当たり前だが全ての女性が意識の革新を望んでいる訳ではない。中には当然、社会に出て働くよりも家庭に入っている方が幸せだと感じる人もいることだろう。そういう人からしてみれば、フェミニストは疎ましい存在に他ならない。
隣人のバニーは望んでこの世界で暮らしている訳だし、創設者フランクの背後にいる黒幕は彼の妻シェリー。
フェミニズムを阻む最大の要因は、実は旧態依然を望む女性なのではないか、と問いかけているところに、本作最大の旨みが詰まっているように思う。女性が皆ワン・ダイレクションを向いている訳ではないのです。
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)や『ブラック・ウィドウ』(2021)など、フローレンス・ピューの出演作品には女性映画が多いような気がする。
彼女も体型のことをとやかく言ってくるボディ・シェイマーたちと戦うタフな女性な訳だし、やはりフェミニズム映画とは相性が良いのだろう。
フローレンス・ピューの出演作はいくつか鑑賞してきたが、その中でも今回がベストアクト!!とても素晴らしい👍✨
キュートなファッションに体当たりなラブシーン、カーチェイス、全力ダッシュ、さらにはサランラップ変顔まで、とにかく縦横無尽の大活躍!
本作はフローレンス・ピューの魅力を余すところなく伝えている。彼女のことを知らない観客も、これをみれば一発でファンになってしまう事でしょう!
男の身勝手に付き合わされる女性たち。本作のSF的設定はそのメタファーである。
まあそれは良いとして…。気になったのは現実世界でもフローレンス・ピューはフローレンス・ピューだし、ハリー・スタイルズはハリー・スタイルズだったこと。
んだよ、お前ら現実世界でも美男美女じゃん。現実では醜男醜女だけど、仮想世界では超イケイケっていう設定にするべきじゃないの?ハリー・スタイルズの顔面で「冴えない男です…」みたいに振る舞われても説得力がないわっ💢
不穏な雰囲気はなかなか緊張感があるものの、イデオロギーが前面に出過ぎていたせいで映画のバランスが崩れていたような気がする。設定的には好みなのだが、イマイチ乗れなかったというのが正直な感想である。
実は本作、映画制作の裏側の方が映画本編よりもドロドロしている。
当初ジャックを演じるのはシャイア・ラブーフの予定だったが、私生活のゴタゴタで結局この話は無かったことに。この件に関して、オリヴィア・ワイルドは「あいつは素行に問題があるから私が解雇しました」と主張しているのだが、当のシャイア・ラブーフは「いやいや。俺が自ら降りたんだよ。証拠もあるんだけど!😡」とそれを真っ向から否定。どうやらピューとラブーフのソリが合わなかったことが降板の理由のようなのだが、詳しいことは不明である。
またこの撮影中、監督のオリヴィア・ワイルドとハリー・スタイルズがデキてしまった。
イチャイチャする2人にフローレンス・ピューが激怒。オリヴィアとピューの間に亀裂が生じてしまったという噂。
さらにハリー・スタイルズとクリス・パインの不仲説まで浮上しており、完全にカオスな状況と化している。
この裏側の真相を『ドント・ウォーリー・オーディエンス』というタイトルで映画化したら、本作以上のサイコ・ホラーになるんじゃない?
面白い。フローレンス・ピューがここでも本領発揮。
面白かった!終始目を離せない展開。
ノスタルジーな平和な環境、
毎日繰り返される理想・完璧な日々。
そんな中、押し付けられるルールと奇妙なほどの男性優位。
次第に息苦しさと違和感が強まっていく。
それが仮想現実であることが分かったときは
まさに唖然、鳥肌!!スリラーであることを実感。
仮想現実に閉じ込められていた妻たち。
男たちのエゴで悲惨な目にあっている妻ばかり
かと思いきや、現実の世界から逃れ理想の世界で
生きることを選んだ妻もいた。
ビクトリア計画は、生きづらい現実から生まれるもの。
今作は宗教チックな怖さも感じる、ゾッとするスリラー作品であった。
フローレンスピューはこのような
突飛なスリラーも本当によくこなす、魅力的な女優だ。
取ってつけたような美しい世界
ウェストワールド、トゥルーマン・ショー、セヴェランス、ブラックミラーなどなど、色んな世界観が混ざり合った様な映画です。
ミッドサマーのような展開でクライマックスはかなり緊張して観ていました。
序盤に繰り返される主人公夫婦の露骨ないちゃつき具合に「けしからん!」と思いながら心拍数が上がっていました(笑)
主人公が違和感に気づいてからはテンションが下がらず気疲れしてしまうほどでした。
逆にそこに至るまでがいわゆる中弛みで、集中して観られませんでした。
胸糞悪いと思いきや、最後は救われる部分があると思います。是非一度ご覧下さい。
美しさと不気味さの不協和音
家に帰ればご飯の用意をして自分を迎えてくれる美しい妻が掃除も洗濯もやってくれて、休日にはホームパーティで料理を振る舞い、上司や同僚をもてなしてくれる。自分は会社組織で昇進を目指すだけで良い。夫を支えることが妻の幸せだと思い込んでる男。
これだけでも女性にとってはホラーな世界になるが、60年代ぐらいまでは当たり前だったようだ。
「ステップフォード・ワイフ」も同じようなテーマと同じような年代のファッションだったが、こちらのほうはコメディ度低めでホラー色強め。
フローレンス・ビューの走りっぷりがアスリート並みで凄かった。
綺麗で不穏
こういった作品ってどういうお話なんだろって凄い惹かれますよね〜
結構怖いかな〜て身構えてましたが、全然怖くなかった!!グロいのもないしそんなに怖い描写もなかったし!
途中途中に奇妙な映像が流れるかんじでまさに悪夢に出てきそうな。明るくてスッキリとしてるけどずっと不穏。
皆お洋服も可愛いし、昔っぽい家具や単調なお家やデザインが良くて皆偽物みたいにビジュアルがいい〜
配役ベストすぎて良かったですねぇー!
ハリースタイルズ、!カッコいいけどどこか胡散臭いというかなにか隠してそうな…苦悩がありそうな…急にキレる役すごいハマってましたし、(笑笑)
フローレンスピューは声も素敵だしお顔もかわいいしチャーミングで好きです!本当にガッツのある女優さん…さすがにラップのとこはじわじわきてしまったけどwww
他の方も皆綺麗でこの不穏な映画にピッタリな方たちばっかりでしたね!
まあ確かになんとなく洗脳とか空想の世界なんだろな〜て察してしまってあんまり怖くなかったですが、続きというか正解が気になって最後まで見てしまう感じ。他の方がマトリックスって言っててまじでそれじゃん!!てなりましたね。あとこういう映画のいろんな方の考察、解説読むの好きです。意外と気づいてない部分が沢山あってなるほどー!!!てなる。
結局根本は簡単にいうと男尊女卑でしたねぇ〜
なんか本当にこれから良いところで終わっちゃって残念。現実世界の部分とか起きた後もうちょっと詳しく見せて欲しかったな〜
まあでもジャックが死んでまたすぐ1番の黒幕(?)のフランクが死んじゃったからしょうがないのかな〜
気づけば終わりまで観てる
「結局最後どうやって終わるんだろう」
という気持ちでずっと観てて、気づけば終わり。笑
終わり方も気持ちよくはない。
「くそ!ここで終わりやがったか!」
という映画はいくつかあるが、
これも終わった瞬間思ったけど、でも、、、
この映画は、全部最後まで明らかにしない方が
薄気味悪さが出ていいのかな?とも思う。
終始、薄気味悪さ重視な感じはあったし、、
Victory の街の雰囲気は、好きな時代の雰囲気だったから(街、車、音楽etc...)
それで最初は「好き系だ」と思って見てた。
あらすじもなーんにも知らない状態で見たから、逆に楽しめたかも。笑
ハリーもVictoryの街の雰囲気、合ってた。
あの女優さんは、不気味系映画の中に迷い込むまともな人役に抜擢されるね。笑
しっかりしたイメージがあるのかな。
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